- 「新しい大権の行使1号として、増大する分離主義者の脅威に立ち向かうための共和国グランド・アーミーを創設します」
- ―シーヴ・パルパティーン最高議長[出典]
共和国グランド・アーミー(Grand Army of the Republic)、別名共和国地上軍(Republic army)は共和国軍の地上戦闘部門である。惑星カミーノで製造されたクローン兵士によって構成され、クローン戦争で活躍した。シスがジェダイ・オーダーを滅ぼすために製造させた軍隊だったが、その意図は巧妙に隠されていた。共和国のシーヴ・パルパティーン最高議長(その正体はシスの暗黒卿ダース・シディアス)は、銀河元老院で非常時大権を握った直後、独立星系連合と戦うためのグランド・アーミーの創設を宣言した。
パルパティーン議長やジェダイの指揮の下、クローン軍団はクローン戦争で分離主義同盟と戦い、共和国の勝利に貢献した。戦争終結時、パルパティーンはオーダー66を発令してジェダイ・オーダーの全メンバーの抹殺をクローン兵士に命じた。ジェダイ・オーダーを壊滅させた後、パルパティーンは共和国を解体し銀河帝国を創設した。
旧共和国の没落後、グランド・アーミーも解体され、クローン兵士は戦闘任務を解かれた。老化が早いクローン兵士に合わせ、代わりに帝国の様々なプロジェクトのマネージメント業務が与えられた。多くのクローンは、彼らにはどうしようもなかったこととはいえ、オーダー66発令時に自分たちが取った行動に苦々しさや恐怖を感じていた。
歴史
起源
銀河共和国のグランド・アーミーはジェダイ・マスター・サイフォ=ディアスの発注によって誕生した。ナブー危機以前、サイフォ=ディアスは銀河規模紛争の勃発を予見し、共和国に常備軍をつくるべきだと主張したが、ジェダイ最高評議会のメンバーから過激論者扱いされてしまった。彼はジェダイ・オーダーには秘密で独自に計画を進め、惑星カミーノと接触を取った。彼は銀河元老院の認可を得ていると嘘をつき、クローニング技術の高さで定評があるカミーノアン種族に共和国のための軍隊を発注した。
しかし、サイフォ=ディアスはクローン軍団の完成をその目で見ることができなかった。シスの暗黒卿が彼の行動に気付き、クローン・プロジェクトを乗っ取ったのである。シス卿ダース・シディアスの弟子で、元ジェダイ・マスターのドゥークー伯爵(ダース・ティラナス)は、パイク・シンジケートに依頼してサイフォ=ディアスの暗殺を手配した。サイフォ=ディアスの死後、シスはクローン・プロジェクトを秘密裡に引き継ぎ、クローン兵士の遺伝子提供者として人間の賞金稼ぎジャンゴ・フェットを選び出した。
カミーノアンはクローン・トルーパーの成長速度を通常の2倍に設定し、オリジナルのジャンゴ・フェットが持つ独立性を抑えるため遺伝子に手を加えた。また、全クローン兵士は初期段階で脳に行動抑制チップを埋め込まれていた。このバイオ=チップはジェダイが反乱を起こした際の抹殺指令(クローン・プロトコル66)を確実に遂行させるための装置だったが、表向きにはジャンゴの攻撃性を抑えるための安全装置ということになっていた。カミーノアンのラマ・スー首相や科学者ナラ・セはプロトコル66のプログラムに関与していたが、シス卿の究極の目的は知らされていなかった。シスが支配する新国家の創設を実現するため、ダース・シディアスはバイオ=チップを利用してジェダイ・オーダー全体を滅ぼそうと考えていたのである。
誕生
ヤヴィンの戦いの22年前(ナブーの戦いの約10年後)、カミーノアンはクローン・トルーパーの最初の20万ユニットを完成させ、さらに100万ユニットが製造段階に入っていた。この頃、銀河共和国は分離主義危機に直面しており、サイフォ=ディアスが予見した戦争の勃発が迫っていた。マスターの命令に従い、ドゥークーは来たるべき戦争で共和国の敵対者となる独立星系連合を組織した。この政府は共和国から脱退した分離主義者によって構成されており、開戦に備えてバトル・ドロイドから成る軍隊を組織していた。
一方、ナブー危機で共和国最高議長の座を手に入れていたダース・シディアス(世間一般には“シーヴ・パルパティーン”の名で知られた)は、平和主義の政治家を演じ、ロイヤリスト・コミッティーやジェダイ評議会の助けを借りながら分離主義者との交渉を試みた。しかし、銀河元老院は分離主義危機への対処をめぐって真っ二つに割れていた。一部の議員は、銀河政府を防衛する常備軍をつくるため軍隊創設法案の可決を求めた。ナブー代表のパドメ・アミダラ元老院議員たちは、この法案が全面戦争を招くきっかけになりかねないと主張し、軍隊創設に強く反対した。
アミダラの暗殺未遂事件が起きた後、ジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービがカミーノを訪れたことで、クローン・プロジェクトの存在が初めて明るみに出た。また、彼はその直後にジオノーシスへ赴き、分離主義勢力がドロイド軍を準備していることを突き止めた。ケノービの報告を受け、銀河元老院ではジャー・ジャー・ビンクス下級代議員の提案で最高議長に非常時大権が付与された。パルパティーンは危機が終結したらすみやかに大権を返上すると約束し、共和国グランド・アーミーの創設を宣言した。
クローン戦争
- 「ダークサイドの帳が下りた。始まったのじゃ、クローン戦争が」
- ―ヨーダ[出典]
議長によるグランド・アーミー創設が宣言された直後、10年におよぶ訓練を積んだ第1世代のクローン・トルーパーがグランド・マスター・ヨーダに率いられてジオノーシスの戦いに参加した。クローン兵士はこの戦いで鮮烈なデビューを果たし、大勢のジェダイが命を落としたペトラナキ・アリーナから生存者を救出した。ジェダイの生存者たちはクローン・トルーパーを率いて連合軍に反撃を仕掛け、分離主義勢力との最初の戦いで勝利を収めた。その後、この戦争は共和国軍の兵士にちなんで「クローン戦争」と呼ばれるようになった。
クローン戦争中、共和国グランド・アーミーは分離主義者の反乱に対処するため銀河系の各地へ配備された。ジェダイ・ナイトやマスターたちはジェダイの将軍としてグランド・アーミーの兵士を直接指揮した。クローン・トルーパーはジェダイの上官や最高議長に忠誠を誓い、任務のために命を懸けて戦った。クローン・トルーパーはもともと戦争のために製造された軍隊の一員に過ぎなかったが、戦いを通してジェダイの指揮官と親しくなり、堅い信頼関係を築き上げていった。ジェダイは個々のクローンがアイデンティティを持つことを奨励し、やがて個性と創造的思考の波がクローン軍全体に広まった。その結果、様々なマーキングやカラーリングで彩られた特殊ユニットが増え、グランド・アーミーの中で一般的な存在になっていった。
3年間におよぶクローン戦争の間、グランド・アーミーはクリストフシス、ライロス、フェルーシア、マラステア、ケイト・ニモーディア、アンバラ、リンゴ・ヴィンダといった銀河系各地の惑星で活躍した。クローン戦争末期、連合の指導者だったドゥークー伯爵とグリーヴァス将軍がそれぞれコルサントの戦いとウータパウの戦いで命を落とし、分離主義勢力は敗北に追い込まれた。勝利が目前に迫っていた時、ジェダイ評議会はパルパティーン議長の正体がダース・シディアスだったことを知った。評議会は密かに両勢力を操っていたシス卿を逮捕しようとしたが、ジェダイ・ナイト・アナキン・スカイウォーカーの裏切りで失敗に終わった。シディアスはこの事件を逆手にとってジェダイ・オーダーに反逆者のレッテルを張り、ジェダイを国家の敵と見なした。
シディアスは10年以上前から温めていた秘密計画を実行に移した。彼は銀河系各地の戦場に散らばっていた共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーに“オーダー66”を発令した。バイオ=チップに施された秘密プログラムに強制され、クローン・トルーパーは共に戦ってきたジェダイの指揮官をその場で抹殺した。また、シディアスの弟子“ダース・ヴェイダー”となったスカイウォーカーは、クローン・トルーパーを率いてジェダイ・テンプルを襲撃し、聖堂内にいたかつての仲間を虐殺した。最高議長に忠実な軍隊がジェダイを滅ぼした後、シディアスは共和国を解体して銀河帝国を創設し、自らその初代皇帝となった。こうして共和国グランド・アーミーはジェダイに対するシスの秘密兵器としての役割を終えた。
その後
帝国の誕生によって共和国の歴史に終止符が打たれた後、共和国グランド・アーミーを基盤にした帝国軍が形成された。また、共和国のクローン・トルーパーはインペリアル・ストームトルーパーに取って代わられた。いまだ征服されていない広大な領域を掌握し、分離主義者の抵抗勢力を排除するため、帝国は大規模な軍国化を開始した。
月日が流れるにつれ、クローン戦争で活躍したクローン・トルーパーの戦闘技術は、通常の人間よりも早い老化に伴い鈍っていった。そのため、帝国軍ではクローン兵士よりも人間の新兵や志願兵が好まれるようになった。多くの場合クローン兵士は戦闘任務から外され、帝国内のさまざまなプロジェクトの管理業務を任されるようになった。帝国時代、クローン兵士の多くはオーダー66のさなかに自分たちが取った行動を苦々しく思っていた。ヤヴィンの戦い以降、現役で活動するクローン・トルーパーはほんの一握りしかいなかった。帝国保安局のアレシア・ベック中佐の部下、TX-828軍曹は数少ない現役クローンのひとりだった。ベック中佐は、おそらくTX-828は惑星カミーノで培養された最終世代のクローン・トルーパーだろうと考えていた。
組織
地上軍
- 「共和国のために!」
- ―コマンダー・ソーンの最期の言葉[出典]
共和国グランド・アーミーの歩兵は惑星カミーノで生み出されたクローン・トルーパーだった。一般の兵士に加え、グランド・アーミーには特定の環境に特化したクローン・コールド・アサルト・トルーパーやクローン・スキューバ・トルーパー等の専門部隊が存在した。クローン・オードナンス・スペシャリストとクローン・トルーパー・パイロットは、それぞれ爆発物処理とビークルの操縦に特化していた。アドバンスト・レコン・コマンドー(ARC)とクローン・コマンドーはグランド・アーミーのエリート部隊で、特殊な訓練によって並外れた技術を備えていた。
共和国グランド・アーミーは地上部隊を支援するためさまざまな軍事用ビークルを所有していた。グランド・アーミーの主要ビークルであるロザナ・ヘビー・エンジニアリング社製全地形対応戦術攻撃兵器(別名AT-TEウォーカー)は、6本の脚を使って多様な地形を移動し、実戦で多大な戦果を残した。地上戦で優位に立つため機動力の高い兵器の需要が高まると、アラテック・リパルサー社製のBARCスピーダーがグランド・アーミーに供給された。このスピーダー・バイクは通常の歩兵では及ばないスピード、機動力、作戦活動範囲、火力をクローン兵士に提供した。
宇宙軍
共和国宇宙軍はグランド・アーミーの宇宙戦闘部門だった。クローン戦争の序盤、ロザナ・ヘビー・エンジニアリング社のアクラメイター級アサルト・シップが兵員輸送艦として活躍した。クワット・ドライブ・ヤード社のヴェネター級スター・デストロイヤーは対艦戦闘を目的に設計されていたが、クローン・トルーパーの輸送船としても活用された。また、ヴェネター級艦には共和国のスターファイター部隊を複数収容できる巨大なフライト・デッキが備わっていた。
共和国宇宙軍は各種ガンシップやスターファイターで地上の兵士たちを支援した。低空強襲トランスポート/兵員用(LAAT/iガンシップ)は歩兵ユニットを戦場まで運んだ。LAAT/iと同じ系統に属す低空強襲トランスポート/貨物用はAT-TEウォーカーを1機運搬することができた。どちらも火器を搭載しており、兵士や乗り物を運搬すると同時に、空からの援護射撃を提供することができた。
部隊
セクター・アーミー
- 第12軍
兵団
軍団
- 第3軍団
- 第501軍団
大隊
中隊
分隊
戦闘機中隊
エリート部隊
- ギャラクティック・マリーンズ
- クローン・コマンドー
- クローン情報部
- コルサント・ガード
訓練部隊
ビークル
砲台
スピーダー
ウォーカー/タンク
登場作品
参考資料
- スター・ウォーズ 100シーン
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック
- スター・ウォーズ ギャラクティック アトラス
- スター・ウォーズ キャラクター事典 完全保存版
- スター・ウォーズ:オン・ザ・フロントライン
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