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ユージャン・ヴォング[1](Yuuzhan Vong)は銀河系外に起源を持つエイリアン種族。種族名はユン=ユージャンの子供たち(Children of Yun-Yuuzhan)を指し、選ばれし種族(Chosen Race)とも呼ばれた。ときにはヴォング(Vong)という略称で呼ばれることもあったが、この呼び方は彼らにとっての蔑称に当たる。他に銀河外に起源を持つ種族は、彼らの奴隷チャズラッククワサイレンティウムアボマイナーの2種のドロイドなどしかいない。

典型的なユージャン・ヴォングは人間と似た体格をしており、平均的に身長は人間より高く、より体重もあり、髪の毛は人間よりも少ない。肉体を傷つけることにより生み出される痛みに深い敬意を払っており、肉体を何らかの生きた移植物と取り替えることは、ユージャン・ヴォングの社会の中ではステータスシンボルとなっていた。

最も注目すべきといえる点は、ユージャン・ヴォングをフォースで感じ取ることは出来ない。ただし、幾つかのフォースによる攻撃は彼らに通用した。この事実は当初ユージャン・ヴォングと遭遇したジェダイたちを困惑させた。

ユージャン・ヴォングは彼らの神々を崇拝する独自の宗教に敬虔で、機械テクノロジーを生命に対する冒涜と考えていた。そのため、彼らのテクノロジーは遺伝子を組み替えにより創り出された、純粋な有機物からなっている。

機械テクノロジーを生命に対する冒涜だと考える様になったのは、旧共和国時代、彼らが暮らしていた銀河で、サイレンティウムとアボマイナーの2種のドロイドが銀河で戦争を起こした時、ユージャン・ヴォングの故郷ユージャンターを侵略した。この頃のユージャン・ヴォングは、アー=ユージャン・ヴォング(Ur-Yuuzhan Vong)とも呼ばれ、比較的平和的な種族だった。だが、故郷をドロイドにより侵略され、大勢のユージャン・ヴォングが虐殺された事により、以来ユージャン・ヴォングは、機械テクノロジーを憎むようになり、彼らは暴力的で恐ろしい姿へと変貌を遂げ、狂信的な宗教的価値観を生む様になった。そして、その宗教価値観から機械テクノロジーを銀河系から無くす為、侵略戦争に乗り出した。この戦争により新共和国は崩壊しクローン戦争銀河内戦をも上回る365兆人近くもの犠牲者が出て、銀河は破滅の寸前まで追い込まれた。

接触[]

 エンドアの戦いから15年後、新共和国は帝国残党和平協定を結び、ついに待ちわびていた平和が銀河にもたらされたのだった。民主主義政府は機能し始め、ニュー・ジェダイ・オーダーも軌道に乗り始め、かつての繁栄を取り戻すのも夢ではないと誰もが思っていた。

しかし、それから僅か6年後、新たなる脅威が訪れた。それはかつて皇帝パルパティーンが銀河を掌握した時とは比べものにならない速さと効率の良さをもつ、残忍な侵略者によるものだった。ユージャン・ヴォングと呼ばれるその侵略者は、次から次に惑星や星系を支配し、破壊し、蹂躙し、手に入れていった。

斥候[]

 銀河の新共和国が彼等の存在を初めて確認したのは、アウター・リムデロンビアン宙域にある惑星ベルケイドンに設置された科学ステーション、エクスギャルⅣだった。その施設は他の銀河からの生命体の進入を探知するためのものであったが、そこで働く科学者達は、その生命体がそこまでに好戦的で暴力的なものだとは思っても見なかった。施設に駐在していた15人のうち、生き残ったのは2人。一人は人間の若い女性ダニ・クイー。もう一人は人間に変装して施設に潜入していたユージャン・ヴォングの先兵ヨミン・カーだった。

 そして、ユージャン・ヴォングは惑星を占領する際、ただ部隊を駐屯させるのではない。最初の犠牲となった惑星ベルケイドンは肥沃な惑星だったが、ユージャン・ヴォングの奴隷生物を繁殖させる硫黄に汚染された荒れ地へ、完全に改造されてしまった。

 実はユージャン・ヴォングは既に2世代前、ほぼ50年も前からこの銀河を調査していたのだ。小規模探索部隊がこの銀河の端にある惑星ビミエルに基地を置き、そこから多くの斥候を出し、銀河の政治機構や種族、文化に関する情報を集めていた。そのことは皇帝パルパティーンですら知り得なかった。しかし、パルパティーンは、未知領域に住むチスだけが明らかな理由もわからないまま、境界の警備を強めたことを知り、なにかしら新たな脅威の存在を疑っていた。皇帝が未知領域スローン大提督を送った最大の目的は、チス達のとった行動の目的を探らせる事だった。

理念[]

 ユージャン・ヴォングが銀河に侵攻してくる理由は、彼等の宗教的信念にある。彼等は神々を厚く信仰しているのだ。その神々とは、殺戮の神として知られるユン=ヤムカ、隠匿の女神とも呼ばれるユン=ハーラ、シェイパーの女神であるユン=ネシェル、シェイムド・ワン(恥ずべき者)の女神ユン=シュノといった神々で、その頂点に立つのが宇宙の創造主ユン=ユージャンだ。

ユージャン・ヴォングは、ユン=ユージャンが自らの体の一部を用いて、自らの姿に似せて自分たちを想像したと信じている。その理念から自らをより優れた神聖なる種族と見なし、他の生命は自らに仕える者であると考えるに至っている。

全ての生命は自らに属すと信じる為、生物を改良する術に長けている。バクテリアのごとき小さなものから宇宙船のような巨大な物に至るまで、さらに自らが身に纏う衣服から破壊的な武器に至るまで、操り、使い、身に纏う物全てが生物で造られている。

支配[]

 ユージャン・ヴォングは自らを神聖な存在だと信じ、他の知覚生物全てを劣ったものとみなしている。彼等の銀河ではユージャン・ヴォング以外の種族大半が、既に滅ぼされていた。大昔に、信じられないほど大規模な大量殺戮が行われたのだ。生き残った種族は遺伝子構造を改造され、奴隷にされている。ユージャン・ヴォングには神に選ばれし者故に他の種族を支配するのは当然である、という考えが根付いているのだ。

 だが、新共和国の存在する銀河を斥候中に信じがたい光景を目にした。まず、様々な種族が共存し、共に働き、成功も失敗も含めて日々を共有しているのだ。ユージャン・ヴォングにとってこのことだけでも理解しがたいのに、それ以上にいまわしい物を目撃した。機械をはじめ、人工のテクノロジーを操作しているのだ。服、武器にはじまり、宇宙船に至るまで人工の物であふれかえっているのだ。これは彼らにとって、生命と神々を嘲る行為に等しかった。そしてこの銀河にはびこるテクノロジーで何にもまして許し難い物、つまり、ドロイドを見つけた。この事態を知ったユージャン・ヴォングの司祭達は全員一致で結論づけた。

この新共和国は神を冒涜する許されざる異端者である。彼等の銀河こそユージャン・ヴォングの世界で古の預言にある約束の地であり、新共和国を罰し、滅ぼした後、支配されることを待っているのだ。

この宣言を受け、聖戦が始まった。

信仰[]

 神々への深い敬意を持つ信仰心の厚いユージャン・ヴォングは、自身たちを神々に選ばれた最も神聖な種族として考えている。その信仰は彼等の生き方の中心となる二つの理論を軸に成り立っている。痛みを尊び、死を尊重する事だ。

 痛みを生命の最も偉大な真実と捉え、激しい苦痛を体験すれば肉体を超越出来ると信じている。常に積極的に痛みを求め、耐え難いほどの苦痛を感じても声一つ漏らさないことが名誉なのだ。痛み、苦痛は彼等にとって、他の種族の概念から計り知れないほどの重要さをもって迎えられる。怪我や傷は戦いで受けた物であっても自ら加えた物であっても、社会的地位の象徴となる。

彼等の切断の儀式、即ち、手足や組織を切断し、代わりに特殊な生きた付属肢を加える儀式がそれを顕著に物語っている。身分が高いユージャン・ヴォングは移植や入れ墨で階級を表す。自分の肉体に他の生命体を移植し、育てるのだ。

組織交換[]

 例えば「エグゼクター」と呼ばれるノム・アノアはこうした組織交換の儀式に参加した。侵略の先兵として新共和国の銀河に進入し、手引きをする役目を担うに当たって、献身を示すため片端が鋭く尖った焼けるように熱い棒で片眼を抉り出し、代わりにプレイリン・ボルと呼ばれる毒を吐く生物をはめ込んだ。

また、生物工学者にあたる「シェイパー」のネン・イェムも、シェイパーの女神であるユン=ネシェルの生きた洞窟で手をかみ切られ、よりすぐれた特殊付属肢の手を移植した。肉体強化は軍隊で最も広く行われていると考えられる。下級士官が司令官に昇進すると、マントをつり下げるための特殊付属肢を肩の骨に付ける。

ウォーマスターのサヴォング・ラは、戦いの神ユン=ヤムカの化身になるために、自らの体に多くの改造を課してきた。ウォーマスターに任命されたとき骨に硬い鱗を植え付けた他のユージャン・ヴォングより頭一つ背が高いサヴォング・ラは、常に付属肢がもたらす痛みに耐えている。

哲学の相違[]

 ユージャン・ヴォングは死を重要視する。一方で新共和国のジェダイが使うフォースは生命から力を得ていると信じる。この理解の違いは対極といえる。聖戦という名の侵攻が進むにつれ、新共和国が人々を生かそうと多大な努力を払う一方で、死者を捨てて顧みない理由がわからなかった。

この生命を守りたいという欲求は、ユージャン・ヴォングにとって原始的で野蛮な上、彼らの神々に対する侮辱であり背信行為でもあった。ユージャン・ヴォングにとって、何故、敵はユージャン・ヴォングの神々に反抗するのかが理解出来なかった。そこから導き出された結論は、神に代わってその罪を罰しなければならないということだった。

 新共和国は何千という異種族が何かしら共通点を見つけて存続してきた。互いを理解し合うという事は大原則だ。これに対しユージャン・ヴォングの考え方は根本から異なり、異質すぎて共通点を見つけ出すことも理解し合うことも、とても考えられないだろう。

生態と外見[]

YV warrior

ユージャン・ヴォングの戦士

ユージャン・ヴォングはヒューマノイド種族である。当初、彼らは人間から派生した種族だと何人かに信じられていたが、ユージャン・ヴォングと人間の間には違いがある。

例えば、ユージャン・ヴォングは概して腎臓を持っていない。また、ユージャン・ヴォングの身長は人間のそれと比べはるかに高く、平均的に体重は重かった。これは、彼らが行う移植の結果と言えるかもしれない。そして平均的なユージャン・ヴォングの寿命は人間より長く、一般的に人間のそれの3倍である。

遺伝子学的に、ユージャン・ヴォングは人間と同じような要素を多く持っていた。彼らが銀河系の外からやって来た種族だったことから、銀河の人々はこれは異常なことだと考えていた。だが、大きな違いは遺伝子を構成するひとつの要素にあった。これはユージャン・ヴォングだけではなく彼らのテクノロジーにも共通して言える事柄であった。

ユージャン・ヴォングの頭は斜めになっており、額はほとんど屋根のように隆起していた。何人かのユージャン・ヴォングは耳の先がとがっていたが、そうでないものも多く見られた。こうした特長は彼らの儀式内で行われた切断の結果かもしれないし、遺伝的な変異の可能性もある。種族の標準がどのようなものであるかについては、はっきりとした証拠はない。また、ユージャン・ヴォングの鼻は切れ残りのようになっていたため、彼らの顔は頭蓋骨のような外見になっていた。ユージャン・ヴォングは通常、黒い髪の毛を持つ。ただし、頭部の髪も体毛も人間と比べたら量が少ない(とても髪を長く伸ばしていたユージャン・ヴォングもいた。だが多くの場合、彼らはスキンヘッドである)。ユージャン・ヴォングの眼下には小さな青い袋が見受けられ、これは彼らの間で美の象徴と考えられていた。こうしたアイサック(眼下の袋)はユージャン・ヴォングの気分を反映して伸び縮みした。彼らは人間が好む表情を使わない。この青い袋を通して彼らは相手が喜んでいるのか、怒っているのか、あるいは悩んでいるかを知ることが出来た。ユージャン・ヴォングの中で最も一般的といえる肌の色は灰色で、その次によくあるのが黄色だった。その他のユージャン・ヴォングの主な特徴は、彼らの血液が真っ黒であることである。

Vong-rpg

ユージャン・ヴォングの戦士

ユージャン・ヴォングの神経系は人間では見ることの出来ない要素が含まれていたことが知られる。彼らの神経系には非常に伝道力があり、まるで痛みを感じるのに特化されているかのようであった。また、他の人間とユージャン・ヴォングの相違点として、ユージャン・ヴォングのカー細胞は人間には使うことが出来ず、人間の脳はこの細胞を拒絶する。

おそらく、ユージャン・ヴォングの特徴の中で最も注目に値し、同時に最も好ましくないものは、彼らは銀河系のジェダイたちが知るフォースの外に存在することだった。ユージャン・ヴォングはフォースの存在を感じることが出来ず、自分たちを直接狙うほとんどのフォース・パワーの影響を受けなかった。彼らの考え、発言の真偽、次に何をしようとしているのかをフォースで察知しようとする試みは、全て無駄に終わってしまう。だが、それは、もし誰かがフォースへの影響力を全く持っていない場合は、逆にその人物がユージャン・ヴォングだと察知することが出来るということを意味していた。通常なら相手を高速で吹き飛ばすことが出来るとても強力なテレキネシスの攻撃でさえ、ユージャン・ヴォングを相手にしたら、彼らをつまずかせるか一時的にバランスを崩させることしか出来なかった。しかし、例えフォースの直接的な攻撃がユージャン・ヴォングに通用しなくとも、間接的なフォースの使用で彼らに影響を与えることが出来た。例えば、テレキネシスで物体を操り、ユージャン・ヴォング目掛けて投げつける、といった類のものである。この場合彼らを傷つけることが出来たし、また、ジェダイはフォースで圧力を増加させることで空気を操り、ユージャン・ヴォングを押しつぶすことも可能だった。このようなユージャン・ヴォング相手の制約に縛られない、唯一知られていたフォースの技は、フォース・ライトニングの類のテクニックだった。

ごく少数のジェダイは、ユージャン・ヴォングを感じるフォースと別の能力、ヴォングセンスを発達させた。これはいくつか点ではフォースと同じように機能したが、ユージャン・ヴォングとその有機物を相手にしたときにしか発動しなかった。

参考資料[]

脚注[]


外部リンク[]

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