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「許しがたいスピーチだった。愛国心に欠ける」
「愛国心に欠けるのはあなたがた好戦主義者です」
―ミー・ディーチーとパドメ・アミダラ[出典]

ミー・ディーチー(Mee Deechi)はアンバラン男性で、クローン戦争期に銀河元老院惑星アンバラを代表した軍国主義者の元老院議員である。彼は共和国グランド・アーミークローン・トルーパー増産や、独立星系連合との戦争継続を強く支持していた。そのためディーチーはナブーパドメ・アミダラ議員やローディアオナコンダ・ファー議員といった戦争反対派の政治家たちと元老院で頻繁に対立した。ディーチーは、戦争を中断して分離主義者と和平条約を結ぶなどという考えは愛国心に反するものだと信じていたが、ファー議員に対しては政敵とはいえ敬意を抱いていた。

ファー議員とその仲間が共和国の軍事予算削減を目的とした法案を提案した際、ディーチーはカミーノ選出のハリー・バトーニ議員とともに反対運動を起こし、バトーニが提案したクローン・トルーパーの増産案をなんとしても守り抜こうとした。元老院で論戦が続いていたとき、ファーは自身の補佐官であるロロ・パース下級代議員によって暗殺される。ファーの盟友であるパドメ・アミダラは、ファーの政敵だったディーチーやバトーニに真っ先に疑いの目を向けた。ディーチーは事件への関与を否認し、代わりに暗殺事件前日のファーの行動について新証言を提供したが、そのせいでパースの第2の標的になってしまう。パースはディーチーのオフィスに侵入し、このアンバランの議員を刃物で刺して暗殺した。その後パースはアミダラたちによって罪を暴かれて逮捕され、元老院ではディーチーが推していたクローン増産法案が議会を通過、軍事費削減法案は否決された。

ディーチーの死を受け、アンバラン政府は最終的に共和国から離反して分離主義同盟に加わった。共和国グランド・アーミーはアンバラへの侵略を決行し、アンバラン民兵との戦いに勝利を収めた。

経歴[]

元老院の論戦[]

銀河共和国時代の末期、何千という星系が共和国から離脱して独立星系連合を形成し、22 BBYに両政府のあいだにクローン戦争と呼ばれる紛争が勃発した。[5] アンバラン男性、ミー・ディーチーは共和国銀河元老院母星アンバラ代表の元老院議員を務め[1]軍事力の増強を声高に求める軍国論者となった。そのためディーチーは共和国グランド・アーミークローン・トルーパーを製造する惑星カミーノ代表の議員、ハリー・バトーニと親しくなった。ある時、バトーニはディーチーを始めとする盟友の政治家たちを集め、クローン兵士用の新型装甲服フェーズIIクローン・トルーパー・アーマーホログラムをお披露目した。[2]

Deechi speaks

ディーチー議員

銀河元老院はクローン戦争の継続をめぐって激しい論戦の場となり、すぐにでも戦争をやめて独立星系連合とのあいだに外交的な決着を見出すべきだと主張する議員たちがディーチーやバトーニと対立した。21 BBY分離主義元老院で共和国との和平交渉案が提案された。しかし共和国が対応を話し合っていた時、共和国の首都惑星であるコルサント中央送電網が爆破される事件が起きた。共和国はこのテロ攻撃を受けて和平交渉案を棄却し、インターギャラクティック銀行グループ規制撤廃法案を可決した。これにより、共和国はクローン・トルーパー増産に必要なローンを新たに組み立てられるようになった。[6]

共和国の議員たちは、分離主義者が共和国を油断させるために偽りの和平交渉案を持ちかけたと糾弾した。ナブー代表のパドメ・アミダラ議員はあくまで陰謀説を否定し、分離主義元老院で和平交渉案を提案したのは、自分の友人のミーナ・ボンテリだと明かした。アミダラを反逆者として糾弾する声が上がる中、ディーチーはアミダラに分離主義者の友人がいることを問題視した。議会のさなか、分離主義勢力の国家主席であるドゥークー伯爵からメッセージが届き、議員たちの話し合いが中断された。ドゥークーは連合の一般市民に対して共和国の奇襲攻撃が行われ、ボンテリ議員を含む大勢が犠牲になったことを明かし、分離主義元老院は和平交渉案を取り下げることにしたと告げた。しかし、実はこの攻撃はドゥークーが和平交渉案をもみ消すために行った陰謀だった。[7]

コルサントに対する攻撃や政治的緊張の深刻化に対応するため、バトーニ議員はクローン・トルーパーを500万体増産する動議を行い、ディーチーもこれを支持した。反対勢力の主要議員であるオルデランベイル・オーガナは法案可決を阻止するためスピーチの準備を進めたが、彼はドゥークーに雇われた賞金稼ぎに襲われて負傷し、予定していた議会に参加することができなくなった。シャンドリラ選出のモン・モスマ議員はスピーチを聞くまで投票を行うべきではないと発言したが、ディーチーはオーガナ本人がどこにも見当たらないと答え、有利なうちに投票を急ごうとした。しかしアミダラ議員がオーガナの代わりにスピーチを行い、共和国市民が必要としている社会福祉事業を犠牲にしてまで戦争に予算を割いてはならないと熱を込めて訴えた。彼女の発言は多くの議員の指示を集め、ディーチーもやむを得ず彼女に拍手を送った。[7]

軍備増強法案はアミダラのスピーチによって一度否決されたものの、最終的には軍国主義者たちが勝利して議会を通過した。[8] アミダラ、モスマ、オーガナ、ローディアオナコンダ・ファー議員らは兵士増員を食い止めるため新たに法案を作成し、軍事費の削減を試みた。ディーチーはファーを政治家として尊敬していたが、このローディアンの議員に不利な情報を手に入れるため、こっそりと彼の行動に探りを入れた。その結果、ディーチーはファーがコルサントのデリック・メジャーの下にあるドックで何者かと面会したことを突き止める。このときディーチーは知るよしもなかったが、のちに彼はファーの行動を詮索したせいで命を落とすことになった。[2]

議員暗殺[]

「オナコンダとはよく衝突していたが、私は彼を尊敬していた」
―ミー・ディーチー[出典]
Deechi and Amidala

元老院の会議の後、パドメ・アミダラ議員に反対意見を述べるミー・ディーチー

翌日、パドメ・アミダラ議員は元老院で再び軍事費削減の必要性を訴え、クローン戦争が過激化することの危険を警告した。アミダラがスピーチを終えて銀河元老院会議場から出た後、ディーチーはアミダラに個人的に話しかけ、彼女の意見は危険で愛国心に欠けると批判した。その後、アミダラは反戦主義者の小規模な議員グループと一緒にオフィスに集まり、スピーチの成功を記念して祝杯を上げたが、ファー議員は飲み物に仕込まれていたにやられて命を落とした。その後コルサントの離着陸プラットフォームでファーの葬儀が執り行われた際、政敵であったディーチーもファーに敬意を表すため参列し、故郷のローディアへと運ばれていく故人の棺を見送った。[2]

コルサント保安部隊タニヴォス・エグザンター・ディーヴォ警部補がファー暗殺事件の公式な調査活動を指揮したが、アミダラはディーヴォを信用せず、オーガナ議員とともに独自に捜査を開始した。ファーの暗殺の裏には政治的な思惑が潜んでいると考えたアミダラはディーチー議員のオフィスを訪れ、ファーの政敵だったディーチー、バトーニ両議員と対面した。軍国主義の議員は両者とも殺人事件への関与を否定し、ファーとは政敵だったが彼を殺す動機などないと主張した。バトーニはファーの支離滅裂な主張のおかげで軍事費増産が実現したと皮肉を言い、ディーチーはファーのことを尊敬していたと語った。しかしディーチーは事件前日にファーの行動を詮索したことを告白し、デリック・メジャーのドックで彼が誰かと密談していたことを明かした。ディーチーたちに対する疑いは拭えなかったものの、アミダラとオーガナは証言の裏を取るためオフィスから去っていった。[2]

Deechi dead

パースに殺されたディーチー

その夜[2]、ファー議員のもとで惑星ローディアの下級代議員を務めていた[9] ロロ・パース補佐官がディーチーのオフィスを訪れた。パースはファー議員暗殺事件の真犯人で、かつて分離主義者と一時的に手を結んでローディアに戦争を持ち込んだファーに恨みを抱いていた。パースはまだ容疑者の候補には上がっていなかったが、デリック・メジャーでファーと密談していたことがディーチーに気づかれていたと知り、彼の口を封じる必要があると考えた。ディーチーはパースの刃物で胸を刺され、オフィスの椅子に座ったまま息絶えた。間もなくディーチーの死体はアミダラとオーガナによって発見され、ディーヴォ警部補は事件の関係者を守るため保安体制を固めた。その後パースはアミダラによって罪を暴かれ、コルサント保安部隊によって逮捕される。ディーチーの死の直後、彼が携わった兵士増産法案は無事に議会を通過し、軍事費削減法案は否決された。[2]

ミー・ディーチーの暗殺を受け、惑星アンバラは銀河共和国から脱退し、分離主義同盟に参加した。[10] その結果、共和国グランド・アーミーはアンバラへの侵略を開始し、20 BBYアンバラの戦いが勃発した。アンバラン民兵と現地の分離主義勢力は共和国に敗北し、アンバラは共和国の領土となった。[11]

人物[]

「素晴らしいスピーチだったよ、議員」
「ありがとう、ディーチー議員」
「いや、褒めたわけではない」
―ミー・ディーチーとパドメ・アミダラ議員[出典]
BurtoniDeechi-SM

ディーチーとその盟友、ハリー・バトーニ議員

ミー・ディーチーはアンバランの男性で、髪はく肌は蒼白、頬がこけて目の周りに灰色の隈があり、威圧的な外見だった。[4] ディーチーは共和国の熱狂的な支持者であるがゆえに分離主義者に対する軍事運動の拡大を唱え、戦争反対のスピーチを反愛国的とみなしていた。[2] パドメ・アミダラ議員が分離主義元老院のミーナ・ボンテリ議員と親しいことを知った際、分離主義者との和平交渉案に反対の立場をとっていたディーチーは、アミダラが敵対勢力の政治家と親交を結んでいることを問題視した。[7]

ディーチーは元老院においてハリー・バトーニをはじめとする軍国主義の議員と徒党を組み、分離主義同盟に対する戦争を継続するため、反戦主義の議員から提出された法案に反対した。ディーチーは反戦派のオナコンダ・ファー議員と元老院で何度も対立したが、政敵といえどファーに対しては敬意を抱いていた。しかし彼はライバルに不利な情報を握るためならスパイまがいの行動も辞さず、ファー暗殺事件の直前には彼の行動を密かに調査していた。[2]

制作の舞台裏[]

ミー・ディーチーはTVシリーズ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』のために制作されたキャラクターである。初登場作品は2010年3月5日に放送されたシーズン2のエピソード『議員暗殺』。このエピソードではディーチーの死が描かれるが、その後『議員暗殺』より前の時系列を描くシーズン3の『平和を求めて』で再登場している。声優はギデオン・エメリー

登場作品[]

参考資料[]

脚注[]

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