フォース(The Force)とは銀河系の森羅万象に宿る形而上的、霊的、統合的、偏在的なエネルギー場である。クワは宇宙の力(Power of Cosmos)と呼んだ。ジェダイやシス・オーダーの哲学はフォースに深く根ざしていた。フォースは太古の昔には道(The Way)と呼ばれ、研究によってさまざまなフォース観が生まれた。フォースにはダークサイドとライトサイドという二面性に加え、生けるフォース、統合するフォース、宇宙のフォース、物理的フォース等の側面が存在するとされていた。最初の2つは、フォースの中で生きとし生けるものたちの行動や感情に関する倫理基準となっていた。ライトサイドは同情心や無私無欲、自己理解、啓蒙、癒し、慈悲といった感情を包括し、ダークサイドは憎悪、恐怖、強欲、怒り、攻撃性、嫉妬、悪意などの感情に根ざした。残りの4つの側面は、傑出したジェダイの哲学者によって定義された。生けるフォースは生命のエネルギーを、統合するフォースは時空の総体を、宇宙のフォースは死後の世界を、物理的フォースは生者を取り巻く森羅万象を扱う概念である。ただし以上に挙げた特定の哲学の信者だけが使える特別な力といったものはなく、フォースはそれを使用する生命の中に存在し、彼らの感情によってエネルギーが引き出される。
フォースはあらゆる生命の中を流れているが、フォースと調和し、そのエネルギーを使うことができるのは生まれつき感応能力を備えた者だけである。この能力を備えた者を“フォース=センシティブ”と呼ぶ。フォース感応能力は血液中の微生物ミディ=クロリアンの値によって大きく左右される。フォース=センシティブはフォースの力を利用することでさまざまな技術や能力(フォース・パワー)を使うことができる。
古代史[]
36,453 BBY、複数の星系の哲学者や科学者が惑星タイソンに集まり、たがいに神秘的な知識を共有した。その結果フォースが“発見”されるに至る。しかし25,793 BBYに一部のタイサンの学者が力の追求のために知識を利用したことが原因でフォース戦争が勃発する。タイソンの荒廃を生き延びた平和主義の修道僧たちは25,783 BBYにジェダイ・オーダーを立ち上げた。
フォースの4つの側面[]
フォースの本質はあまりに壮大であるため、すべてを学ぶことは極めて困難であった。研究者は虚空の中の一点に集中しすぎるあまり深みに嵌ったり、気づけば浅瀬でもがいているという状況に陥りやすかった。この状況を解決すべく、フォースは遠い昔に生けるフォース、統合するフォース、宇宙のフォース、物理的フォースという4つの側面に分類された。研究者たちはこの分類法に従ってそれぞれが専念する分野を選んだ。この世の知覚的現実に集中し、フォースがどのようにして生命や森羅万象の中で具象化するのか学ぶ者もいれば、個人の範囲を超えた無限のスケールで宇宙の驚異を追い求める者もいた。
生けるフォースの思想は、あらゆる命を繋ぐ媒介としての側面を反映している。フォースは今この場に存在しており、森羅万象の中を流れているため、フォース感応者はフォースを通じて生と死を感じとることができるのである。クワイ=ガン・ジンをはじめとする生けるフォースの求道者たちは「今この瞬間に生きる」という哲学を信じ、個人の本能的感覚を大切にしていた。彼らは運命の成就や未来の追求といったことよりも、生きとし生けるものへの感覚を磨くことに集中した。彼らは揺れ動く未来に気を取られると不安が生じると考え、現在の中にこそ近い将来のできごとへの答えがあると信じていた。
統合するフォースの思想のもとでは、フォースは単一的な森羅万象のパワーとされており、近い将来の重要なできごとのヴィジョンを引き起こす力があり、生けるフォースよりもさらに深い理解が必要とされている。
宇宙のフォースの思想には、フォースが生きとし生けるものを統合体としてまとめあげ、フォース感応者がフォースと“ひとつになる”という現象を引き起こしたり、フォースの霊体として再出現する等の性質が反映されている。
物理的フォースの思想には、フォース感応者が己の内側や周囲にあるフォースを使って物体を操作するといった、フォースの物理的側面が反映されている。
フォースのライトサイド[]
フォースのライトサイド(光明面)には善や慈悲、癒しといった概念が包括される。フォースのライトサイドの信奉者は自らを取り囲む世界と調和しながら生きるよう努め、怒りや焦りを捨て、知恵や論理に基づいた行動をとるよう心がけた。彼らはフォースのライトサイドと調和するためしばしば瞑想を行い、攻撃性、恐怖、怒り、憎しみといった負の感情を捨て去ることで精神の清らかさを取り戻そうとした。彼らはこうした負の感情が人々をフォースのダークサイドと呼ばれる側面へ誘惑すると信じていた。
ジェダイ・オーダー[]
ライトサイドの信奉者や教師からなる最大の組織はジェダイ・オーダーである。彼らは長年にわたって銀河系の正義と平和の守護者としての役割を果たした。彼らが信じるライトサイドの価値観はジェダイ・コードと呼ばれる教義に簡約されていた。ジェダイはフォースにダークサイドとライトサイドの2つの側面があるという思想を信じた。ライトサイドの信者たちは森羅万象と調和した生き方を献身的に実践し、“フォースの意志”との調和を目指した。ジェダイはお互いを信頼・尊敬し、仲間を作る能力に長けており、その点でシスに対して明確な優位性を持っていた。対象的に、ダークサイドの信奉者はフォースのダークサイドの力を利己的かつ個人的な動機のために使用した。そのためジェダイ・オーダーではダークサイドのフォースを使うことが禁じられており、ダークサイドはシスの領分として厳格に区別されていた。
伝統的なジェダイはフォースの“バランス”を保つことにこだわった。彼らはダークサイドを堕落とみなしていたため、シスを倒してダークサイドを拒絶し、フォースを自然のままの状態に戻すことで“バランス”を取り戻そうとした。攻撃性、怒り、憎しみといった感情はダークサイドにつけいる隙を与えるため、ジェダイはこうした負の感情を捨て去らなければならなかった。一方で、同情心や勇気といったポジティブな感情はフォースのライトサイドを育んだ。ジェダイ・コードではこうした正と負の感情が比較され、ジェダイの訓練生たちにフォースの倫理的な使い方に関する洞察を与えた。
ジェダイは情熱は危険なものだと考えていた。彼らは情熱が強い感情を引き出し、感情が心の不安定を招き、結果的にダークサイドの誘惑につながると信じていたのである。そして奇妙なことに、ジェダイとシスの双方が愛を忌避すべきものとみなしていた。ジェダイは同情心やあらゆる生き物への分け隔てない自己犠牲的な愛情を大切にしていたが、特定の他者への愛やロマンス、所有欲はルーサンの改革以降のジェダイ・オーダーでは禁止されていた。ルーサン以降のジェダイはあらゆる形での所有を禁じられていたが、ジェダイのライトセーバーや個人的な衣類は例外とされていた。ジェダイは愛を危険なものとみなし、触れないでいるのが最善だと考えた。ジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーがパドメ・アミダラへの愛が原因でシスに転向した例から分かる通り、愛からくる情熱は憎悪や怒りの感情につながりやすかった。しかし一方で、愛は憐れみや慈悲、自己犠牲、同情心といったシスが否定する感情を引き出すこともあり、実際にダース・ヴェイダーは息子への愛に突き動かされて皇帝パルパティーンを倒し、結果的にフォースにバランスをもたらした。
ジェダイ・オーダーは数々のシス帝国と戦争を繰り広げ、シス三頭政治によって危うく滅ぼされそうになったこともあったが、組織構造や哲学がほとんど変わることなく2万5,000年にわたって存続した。しかしオーダーは19 BBYにシス卿ダース・シディアスとダース・ヴェイダーによって滅ぼされた。この事件は“ジェダイの大粛清”として知られる。シディアスやヴェイダーの死後、オーダーはルーク・スカイウォーカーによって再建されたが、ルークは旧ジェダイ・オーダーの組織構造に関する知識をほとんど持っておらず、さらに一部の伝統に否定的だったため、ジェダイの哲学や方針に大きな変化が生じることになった。
フォースのダークサイド[]
フォースのダークサイドは利己主義や恐怖、憎悪、攻撃性、生き物に対する悪意といった感情を包括した側面であるとジェダイからみなされていた。ダークサイドの使用者の能力や力は負の感情によってますます高められ、彼らの欲求は個人的な力の追求や破壊、他者の支配などに向けられることが多かった。フォースのダークサイドの力には中毒性があり、一度使うと抜け出せなくなることで知られていた。ダークサイドに転向したジェダイはダーク・ジェダイと呼ばれる。ただしルーク・スカイウォーカーやカイル・カターン、ジェイデン・コア、ギャレン・マレックといった一部の例外はジェダイのままでダークサイドの力を使用できた。
シス・オーダー[]
シス・オーダーの初期の形態はジェダイ・オーダーの組織構造とよく似ていた。さまざまな階級や能力を備えたシスたちによってオーダーが構成され、絶対的な権力を行使する“暗黒卿”1名が彼らを支配するのが一般的だった。歴史上、こうした権力構造を持つシス帝国がいくつも台頭し、銀河系の覇権を巡って何度も銀河共和国と争った。いくつかのシス帝国は共和国を破ることに成功したが、いずれも力に飢えたシスのオーバーロードたちが引き起こした内紛に悩まされ、結局はジェダイや共和国が最終的な勝利を手に入れた。しかしダース・ベインという名のシス卿の出現によりオーダーの構造に革命的な変化がもたらされた。ベインはフォースの力は有限であると考え、大勢のシスで共有するよりも特定の暗黒卿が独占するのが理想的だと考えた。彼は同時期に大勢のシスが存在する慣習を廃止し、フォースのダークサイドの力を特定のシス、すなわちシス・マスターとその弟子の2人だけで分かち合うことに決めた。ベインによって再建されたシス・オーダーは過去のシス帝国をもってしても成し遂げられなかった、ジェダイ・オーダーと共和国の転覆という目標を実現する。しかしシス卿ダース・ヴェイダーが実の息子のルーク・スカイウォーカーに諭されてダークサイドを放棄し、自らを犠牲にしてマスターのダース・シディアスを破ったことにより、ベインのオーダーは崩壊した。
ベインの伝統、いわゆる“2人の掟”は後世のシスにも影響を与えたが、ベインの正統なオーダーに属す最後のシス卿はシディアスとヴェイダーの2人だった。彼らが4 ABYに命を落とした後、ダーク・レディのルミヤはベインの哲学に小規模だが多くの変更点を加えた。ヴェイダーのもとで訓練を積み、シディアスとも面識があったルミヤは、彼ら2人が属したオーダーはあまりに利己的で非効率的だったと考えた。そこでルミヤはベイナイト・シスの中心哲学に変化を加えることに決めたのである。彼女は前任者たちと同じくライトサイドを劣ったものとみなしていたが、適切なシス卿が人々の上に立ち、献身的に他者を支配すべきという新しい考えを持ち込んだ。シス卿は個人的な苦痛を甘んじて受け入れ、人々の最大多数のためになる決断を下すべきと考えたのである。ルミヤの理論のもとでは、シスがダークサイドの力を保ち続けるには憎悪といった負の感情が必要であるが、その感情が決断に影響を与えてはならず、同情心ではなく冷酷さによって秩序を保つべきとされた。彼女の哲学はダース・ヴェイダーの孫にあたるダース・カイダスによって受け継がれた。カイダスはシディアスと似た方法で銀河政府の支配権を握り、秩序に関する思想を市民に押し付けようとした。しかし彼も最後はジェダイに破れ、ルミヤの哲学も彼とともに潰えた。
その後台頭したダース・クレイトは2人の掟を完全に否定し、代わりに“ひとつの掟”を定めた。彼のいうひとつ(One)とは、単一の暗黒卿(またはドレッド・ロード)の支配のもと、大勢の手先やアコライト、アデプト、シス卿によって構成されるシス・オーダー全体を指す。クレイトが設立した“ワン・シス”は表面的には古代のシス帝国と何の違いもなかった。しかしクレイトは自分の哲学がシスや彼らの力に目的を与えると信じており、力こそが目的であったベインの哲学と差別化していた。また旧来のシス・オーダーと異なり、ひとつの掟は所属するシス同士での協力関係や、ある程度の忠誠心を要求した。また、ドレッド・ロードに対しては究極的かつ完全な服従が求められた。このルールは大人数のシスを維持しつつ内部抗争の発生を防ぐためのもので、ベインのオーダーに足りなかった最大の欠点でもあった。
しかしひとつの掟も全てのシスに受け入れられていたわけではない。ダース・ベインやダース・ナイアリス、ダース・アンデッデュのホロクロンはクレイトを異教徒とみなし、クレイトのオーダーもいずれは過去の組織化されたシス・オーダーと同様に自ら破滅へ向かうだろうと指摘した。またクレイトに先立ち、ダース・シディアスも独自に“1人の掟”という哲学を定めていた。しかしシディアスのいう1人(One)とは彼自身のことを指しており、彼はシスが自分の代で絶対的な全盛期を迎えると信じていた。そのためシディアスは自分の跡継ぎとなるシスを自分の手で訓練するというベインの思想を放棄し、銀河の単一の指導者として永遠に君臨するつもりでいた。
ポテンティウムの思想[]
ポテンティウムはフォースの捉え方のひとつだが、統合するフォースとは別物とされ、旧ジェダイ・オーダーの体制化では厳格に否定されていた。ポテンティウムの思想は統合するフォースと似ているが、フォースに二面性は無いとする後者の考えに対し、ポテンティウムはフォースと銀河系は本質的に“善”なる存在だと捉えていた。ポテンティウムの思想によると、ダークサイドはフォースの特定の“部分”や“能力”に由来するものではなく、ライトサイド信奉者が言う通り、それを使う生き物の内側に存在し、彼らの感情によって形作られるものだという。しかしポテンティウムの信者は動機が“善”である限りどんな行動も許され、フォースをどのような形で使っても構わないと考えており、その点でライトサイドの信奉者と決定的に対立していた。旧ジェダイ・オーダーはポテンティウムの存在を認めてはいたが、ジェダイの教えに反するものと決めつけ、人々をダークサイドへ導いたり、ダークサイドへ従事させる思想として否定していた。生ける惑星ゾナマ・セコートはポテンティウムのフォース観を支持していた。
その他のフォース観[]
ウェイ・オブ・ザ・ダーク[]
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フォースの能力[]
フォース・パワーは精神面をベースとする能力であり、使用者の意志の力によって引き出され、テレパシー、テレキネシス、身体能力の向上、形而上的な認識力など、さまざまな形で実現された。フォース・パワーを使いこなせば運動エネルギーや摩擦力、圧力、重力といった物理力に働きかけて操作することが可能で、こうした力にわずかに逆らったり、自分たちが作った力や勢いにはずみをつけることができ、その影響度や影響範囲は多岐にわたった。フォースを駆使すれば高い場所からの落下や、強力・高速な力との衝突といった強い衝撃からもほとんど無傷で生き延びることができた。衝撃を緩和するにはあらかじめその衝撃を予測していることが重要であり、一部のフォース・ユーザーは衝撃に驚きすらせず、落下時も脚から着地することができた。またフォース・パワーは身体的な耐久力や回復能力を高める助けにもなった。フォース・ユーザーは物理力へのパワーを利用することで自重や重力を部分的に無視し、通常では考えられない距離をあっという間に移動・跳躍することができた。高速移動は限られた時間しか維持できず、連続で使うことはできなかったが、熟練者はフォースを利用したジャンプを繰り返し行うことができた。この能力を応用して使用者の機敏さを増すこともでき、通常ではありえないアクロバティックな動きをすることもできた。
フォースは意志の弱い者を操ったり、熟練者の導き役として使用することもできた。フォースの使用に長けた者は近い将来のできごと(例えば戦闘時の次の攻撃など)を予知し、それに合わせた行動を取ることができた。ルーク・スカイウォーカーはヤヴィンの戦いでデス・スターを攻撃した際、フォースの導きに従うことでプロトン魚雷を困難な標的に命中させた。また、フォースで他者を落ち着かせることも可能だった。ナブーの首都シードへ向かう途中、クワイ=ガン・ジンはこの能力をジャー・ジャー・ビンクスに使用した。クワイ=ガンはジャー・ジャーの肩に手を置き、フォースを使ってこのグンガンを失神させたが、オビ=ワン・ケノービから“やり過ぎ”だと指摘されている。
身体能力の強化に加え、フォース・ユーザーはフォースのエネルギーを己の外側に向けて使用することもできた。シスはエネルギーを稲妻状にして放出するフォース=ライトニングや、敵の気管を締め付けるフォース・チョークと呼ばれる能力を多用することで知られた。ジェダイは傷を癒やしたり、フォース・エネルギーのバリアで他者を守ったりと、力を治癒や防衛のために使うことを好んだ。またジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジンはフォースの力によって死後も霊体として自我を保ち、半永久的に存在し続ける術を学んだ。
フォース・ユーザーの中には、自身の精神だけを別の肉体へ移す術を会得した者もいた。ダース・シディアスは自身の寿命を延ばすためにこの技術を使用した。新シス戦争の後にダークサイドへ転向した伝説のダーク・ジェダイ、セット・ハースは何百というクローンの肉体を使ってこの技を実行し、ユージャン・ヴォング戦争やそれ以降の時代まで精神を保ったとされる。またカリスタ・ミングは瀕死の友人の体に精神を移して生き永らえた。ハースやシディアスとは違い、カリスタは精神移動後にフォース感応能力を失った。
ダース・ナイアリスやミートラ・サリックはフォースを使って他のフォース・ユーザーの力を得ることができた。ナイアリスの力は惑星全土の生命を吸収できるほど強く、実際にミラルカの植民惑星であるカターを荒廃させた。規模は小さいが同系統の能力を使えるダークサイダーも存在し、彼らは他者の力を吸い取って自分のものにし、時に相手を死に至らしめた。ダース・ナイアリスの能力はフォースそのものに生じた裂け目、いわゆる“フォースの傷”に由来している。
ダース・シディアスによると彼の師匠であるダース・プレイガスが死を免れる方法や、生命を創り出す技術を会得していた。またシス卿ダース・サイオンはより間接的な方法で死を免れた。彼は痛みによって意志を強め、以前よりも強い力を得て再び立ち上がることができたため、ほぼ不滅の存在であった。
フォースはジェダイが使うライトセーバーの剣術においても重要な役割を果たした。ライトセーバーの刃には重さがなく、その位置を突き止めるのは困難だったため、フォースによって高められた知覚力が不意の怪我からジェダイを救った。また、ジェダイがライトセーバーを使ってブラスターの弾丸を偏光する際にもフォースが役立った。フォースはライトセーバーの制作時にも使用され、複雑な内部構造の組み立てや、パワー・セルの最初の充填時に必要とされた。
フォースの使用には大きなリスクが伴った。肉体の限界を超えてフォースのパワーを使った場合、使用者は身体的なダメージを被ったり、老化現象が促進されたり、極端なケースでは内側から体細胞を焼き尽くされて死に至ることもあった。ダース・シディアスやドースク81はフォースの過度の使用によって致命的な結末を招いた適例といえる。こうした現象は力を求めてフォースのダークサイドに依存した者たちに起きることが多かった。
フォースの乱れ[]
フォースはあらゆる命の中に存在していたため、一度に大量の生命が失われると“フォースの乱れ”が生じ、感応者だけに聞こえる悲鳴のような感覚がフォースの中に広がった。マンダロリアン戦争中、マラコアVの戦いでマス・シャドウ・ジェネレーターが使用されたときには、同じ要領で“フォースの傷”が発生した。また、マンダロリアンがセロッコの都市を核兵器で破壊した際や、オルデランがデス・スターに破壊された際にもフォースに乱れが生じた。後者の事件について、オビ=ワン・ケノービは「何百万もの人びとが恐怖の悲鳴を上げ、そして突然沈黙したような感覚」と述べた。カリダ星系が破壊された際には、ジェダイ・プラキシウムの学生たちが同様の乱れを感じ取った。オーダー66発令時キャッシークにいたヨーダは、銀河各地で大勢のジェダイが一斉に殺されたことに起因する乱れを感じた。フォースの熟練者は乱れの原因をヴィジョンで知ることがあったが、ヴィジョンの有無は訓練や生来のフォースとの結びつきの度合いに左右されるようである。襲撃後のジェダイ・テンプルを訪れた際、ヨーダはテンプルで起きたことをあらかじめ知っていたが、オビ=ワン・ケノービは知らなかったのもこれで説明がつく。またダース・ヴェイダーはデス・スターでケノービの気配を感じ取った際に「フォースの震え」という表現を使った。フォース感応者は昔の事件に起因する乱れを感じることもあり、実際にレイア・オーガナ・ソロはアナキン・スカイウォーカーがタスケン・レイダーを虐殺した現場を訪れた際にフォースの乱れを感じた。
フォースに関する稀有な事象[]
銀河共和国以前の時代、ラカタンはフォースを動力とするハイパードライブを使ってハイパースペース航行を行っていた。
樹上に棲むトカゲ型の動物イサラミリはフォースの大部分の影響を無効化することができた。このクリーチャーはフォース・エネルギーを“押し戻す”バブル状のフィールドを発生させる特性を持っていたため、スローン大提督をはじめとするジェダイの敵対者にとって役立つ防衛装置となった。イサラミリは惑星マーカーに生息し、数匹が集まると発生するバブルも大きくなり、時には生息地である森林の外側数キロメートルまで広がると言われていた。イサラミリの特性は、フォースを使って群れで獲物を追跡する捕食動物ヴォーンスクルーから生き延びるために発達した。
巨大なゼラチン質の捕食動物、タオジンもイサラミリと似た特性を備えていた。この動物はあまり有名ではなかったが、クローン戦争の約10年前に惑星コルサントのアンダーシティ深層に少なくとも1匹生息しているのが確認されている。
ガーラニン種族はフォースから“身を隠す”能力で知られ、自分たちの意志でフォースによる探知を可能にすることもできた。
ハット種族はフォースの影響を全く受けないわけではないが強い耐性を持ち、フォースを使った心理操作に対して生来の防衛力を備えていた。
トイダリアン種族もまたマインド・トリックに耐性を備えていた。インチョリとダシェイド種族もフォースの精神操作にほぼ影響を受けないという特性があったため、インチョリはスターク・ハイパースペース紛争前後の時代に、ダシェイドはジェダイの大粛清以降の数年間に、それぞれダース・シディアスによって利用された。
テレンタテックと呼ばれるフォース耐性クリーチャーはジェダイにとって大きな脅威となった。一部の人々は、テレンタテックはシスがジェダイを駆り出すために創り出したクリーチャーではないかと考えていた。シス大戦以降、ジェダイはグレート・ハントと呼ばれるテレンタテックの大規模な駆除活動を繰り返し行なった。この怪物は生命力が強く、非常に長生きである。
“ダークサイドの竜”とも呼ばれるフシースは周囲のフォース=センシティブに影響を及ぼすことができた。フシースに噛まれた人物はダークサイドの毒によって狂乱状態に陥った。またフシースは身を隠したり透明になる能力を持っており、これもおそらくフォースの作用によるものと思われる。
シス魔術の使い手の一部は、自分たちの魔術はフォースとは別の力だと考えていたが、真相は不明である。
ユージャン・ヴォング種族は15,000 BBY頃にフォースを剥ぎ取られたため、フォースの中でその存在を感じとることができず、フォースを使った直接的攻撃も全く通じなかった。しかしジェダイはあらゆる生き物は程度の差こそあれフォースと共生関係にあると信じ、ジェイセン・ソロを始めとする一部のジェダイはユージャン・ヴォングもジェダイには感じ取れない別の方法でフォースと繋がっているはずだと考察した。
しかしフォースから完全に切り離された人物が死なずに生存した例があるため、あらゆる命がフォースに依存しているという理論は必ずしも正しいとは言えない。ジェダイ・ナイトのミートラ・サリックはマラコアの戦いでフォースとの繋がりを完全に立ち、“フォースの傷”となることで凄惨な虐殺を生き延びる。シス卿のダース・トラヤはサリックが示した実例こそ生命がフォースから独立して存在できることの決定的な証明であると考え、自分自身の目的のために利用しようとした。
参考資料[]
- スター・ウォーズ・ユニバース
- スター・ウォーズ・エンサイクロペディア
- スター・ウォーズ キャラクター&クリーチャー完全保存版
- スター・ウォーズ 全史
- スター・ウォーズ ジェダイの書 DXエディション
- スター・ウォーズ シスの書 DXエディション