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「あなたは何度あれに乗ったの?」
「俺? いや俺は乗らない。危険だからな」
サビーヌ・レンとクアリー[出典]

クアリー(Quarrie)は惑星モン・カラ出身の男性モン・カラマリで、共和国再建のための同盟の造船エンジニアA/SF-01 Bウイングの試作機であるプロトタイプB6を開発したことで知られる。プライドが高いマスター・エンジニアであるクアリーは造船の仕事を楽しんでおり、スピードや機動性、武器の実験には熱心だったが、彼自身はパイロットではなかった。クローン戦争終結した際に銀河共和国の末路を目の当たりにしたクアリーは、航行が極めて困難なことで知られる惑星シャンティポールに隠遁し、秘密のワークショップを開いた。彼はここで信頼のおける少数の無法者や悪党、反乱軍戦士にサービスを提供した。クアリーのワークショップの存在は、密輸業者たちの間では公然の秘密のようなものだった。

シャンティポールで10以上にわたって取引をする傍ら、クアリーは個人的に新型戦闘機のプロトタイプB6、別名“ブレード・ウイング”の開発に取り組んだ。彼はスレイン&コーピル社の部品や技術を流用して独特な機体を開発し、このプロジェクトをシャンティポール計画と呼んだ。4 BBYフェニックス戦隊に属す反乱者のパイロット、ヘラ・シンドゥーラがシャンティポールを訪れ、クアリーの新型機のテスト飛行を行った。その直後、ブレード・ウイングは惑星アイバーを巡る封鎖戦で活躍し、クアリーは反乱軍に加わって新型機の量産化に取り組むことになった。クアリーがコストダウンのため変更を加えた機体は、スレイン&コーピル社のヴァーパイン技術者たちによって量産体制に乗せられ、反乱軍のA/SF-01 Bウイングのベースとなった。

経歴[]

モン・カラマリの技師[]

「船工のクアリーは惑星シャンティポールでしか船の相談に応じてくれない」
レックス[出典]

惑星モン・カラ出身の男性モン・カラマリ、クアリーは銀河共和国時代から大工として活動していた。[1] 19 BBY[4] クローン戦争終結した際、共和国の末路を目の当たりにしたクアリーは惑星シャンティポールに隠遁した。彼はここで秘密のワークショップを開き、小うるさいアストロメク・ドロイドBG-81の助けを借りながら、信頼のおける少数の無法者、悪党、反乱者の戦士たちにサービスを提供した。[1] クアリーはシャンティポールに直接訪ねに来た者としか、船の相談をしないことで知られた。[2] シャンティポールはガスと雷が荒れ狂い、大半のパイロットが忌避する事実上孤立した星だが[5] 銀河帝国を嫌うクアリーにとっては、帝国の監視の目が届かない理想的な職場だった。[2]

B6BladeWingPrototype-SWZ

クアリーが開発したブレード・ウイング

クアリーのワークショップの存在は密輸業者たちの間では公然の秘密となっていたが、いずれにせよ腕利きのパイロットでなければ彼の作業場にたどり着くことができなかった。[1] そのためクアリーに来客は少なく、稀に現れた客も墜落してしまうことがままあった。[2] クアリーは10以上に渡ってここで商売を続ける傍ら、新型スターファイター[1] プロトタイプB6[6]、通称“ブレード・ウイング”[7] の開発に取り組んだ。[1] これは帝国に秘密で進められた[7] クアリーの個人的な開発プロジェクトであり[8]シャンティポール計画と呼ばれていた。クアリー自身はパイロットではないため船が完成しても飛ばすことができなかったが、彼は自分の作品に見合う力量を備えたパイロットが現れるのを長年待ち続けていた。[2]

重強襲スターファイターの試作機にして[2]、封鎖突破船であるブレード・ウイングを開発するにあたり、クアリーはヴァーパイン種族が手がけた既存のデザインの改良を試みた。彼はヴァーパインの造船企業であるスレイン&コーピル社が開発した3種類の宇宙船、T-6シャトルV-19トレント・スターファイターH-60テンペスト・ボマーの特徴を組み合わせ、プロトタイプB6を作り上げた。クアリーのブレード・ウイングは外見上はH-60テンペスト・ボマーにそっくりだが、T-6シャトルのような回転式コックピットを持ち、V-19スターファイターのような武器搭載Sフォイル機構を備えていた。またこのプロトタイプには実際にスレイン&コーピル社の部品とテクノロジーが流用されていた。このときの彼の関心事は技術的課題の解決であり、量産化上の懸案事項は二の次だった。[8]

ブレード・ウイングの成功[]

「俺はここで乗った気になって見ている方が、実際に乗って墜落するよりいいからな」
―ヘラ・シンドゥーラがテスト飛行を開始した際、クアリー[出典]
Rebels see Blade Wing

反乱者たちに試作機を見せるクアリー

4 BBY当時、クアリーのブレード・ウイングは技術的課題を抱えつつも飛行および戦闘が可能な状態まで出来上がっており、あとは優秀なパイロットが現れるのを待つばかりだった。この年、クアリーの知り合いである元クローン・キャプテンレックスは、クアリーが重強襲スターファイターの試作機を造り上げたことを反乱軍のフェニックス戦隊に知らせた。当時反乱軍は惑星アイバーの住民に支援物資を届けるため、帝国の封鎖艦隊を突破可能な強力な宇宙船を求めていた。そこで彼らは、優れたパイロットである<ゴースト>のヘラ・シンドゥーラ船長をシャンティポールへ派遣することに決めた。[2]

ヘラと反乱者ガラゼブ・“ゼブ”・オレリオスサビーヌ・レンたちを乗せた補助シャトルファントム>がシャンティポールのワークショップに降りた際、クアリーは着陸パッドの端から落ちそうになっていた彼女たちのシャトルをフォーク・リフトで引き戻した。クアリーは反乱者たちの目的を知ると、彼らをガレージの中へ招き入れてブレード・ウイングを披露した。ヘラはこの船をすぐに反乱軍艦隊に持ち帰りたいと申し出たが、クアリーはそっけなく拒絶した。しかし彼はスタビライザーが壊れた<ファントム>のために修理部品を提供し、パワー・バス・リレーフラックス・コンバータープラズマ・コンジットといったその他の必要部品もBD-81に手配させた。その際、ヘラは自分がだめなら他の誰がブレード・ウイングを飛ばせるのかと尋ね、クアリーは今までそうしてきたようにこれからも優秀なパイロットが現れるのを待ち続けるだけだと答えた。[2]

Quarrie and Hera

クアリーとヘラ・シンドゥーラ

しかしクアリーは<ファントム>を修理しながらヘラと会話した際、このトワイレックのパイロットが飛ぶことを心から愛していると知って考えを改めた。彼は助けを必要としている人々のため、ヘラが自分の船に乗ることを許可した。ヘラがコックピットに乗り込んだ後、クアリーはこれまで一度も自分自身でテスト飛行をしたことが無いことを明かし、サビーヌとゼブを驚かせた。ブレード・ウイングは発着場を離れた直後に落下したが、すぐに急上昇し、優れた飛行性能と攻撃能力を証明してみせた。テスト飛行が成功した後、ヘラはブレード・ウイングの火力を称賛しつつ、照準装置に改良の余地があると指摘した。マンダロリアン武器専門家であるサビーヌが改造を申し出たが、クアリーは自分の船に手出しはさせないと断った。その直後、反乱者ケイナン・ジャラスから<ファントム>に連絡が入り、反乱軍がブレード・ウイングの到着を待たずにアイバーへの再突入を開始したことを知らされた。[2]

ヘラはすぐに出発しようとしたが、ブレード・ウイングには武器を使うとハイパードライブ起動に必要なエネルギーが無くなる致命的な欠陥があることが判明した。ゼブはこの欠陥を把握していたのに黙っていたクアリーの悠長な態度に腹を立てた。しかしクアリーはすでに<ファントム>のハイパードライブを修理し終えており、ヘラはブレード・ウイングを<ファントム>に係留してアイバーへ運ぶことで問題を解決した。クアリーはゼブと一緒に<ファントム>に乗り込み、ヘラとサビーヌが操縦するブレード・ウイングの初戦を戦場で見守った。この試作機は帝国保安局エージェントアレクザンダー・カラス率いる帝国軍艦隊に接近すると、アーキテンス級司令クルーザーの1隻を合成ビーム・レーザーで撃沈し、補給船団の突破口を開いた。アイバーの作戦は成功に終わり、クアリーは<ファントム>の船内で勝利を喜んだ。[2]

Bウイング量産へ[]

「オーガナ議員が目的達成のため、あなたの船は欠かせないと判断し、極秘裏に生産体制に入りたいと仰っている」
「シャンティポール計画は継続だな。もちろん、俺の監督のもとで。改良を加えたい点が山ほどある」
ジュン・サトーとクアリー[出典]
Jun Sato and Quarrie

ジュン・サトーからブレード・ウイングの量産化計画を知らされるクアリー

クアリーはヘラに感銘を受けて反乱運動に参加した。[1] アイバーにおける戦いが終わった後、<ファントム>を収容した<ゴースト>は反乱軍のCR90コルベットリベレーター>と合流した。クアリーはフェニックス戦隊の指導者であるコマンダージュン・サトーと対面し[2]、反乱軍の有力な支援者であるオルデラン[8] ベイル・オーガナ元老院議員がブレード・ウイングの量産化を検討していることを知らされた。クアリーはシャンティポール計画を監督するのは自分だと念を押し、改良を加えたい点がたくさんあると語った。[2] こうしてクアリーとその試作機は研究開発のため反乱軍の初期の研究部門に加わることになった。[1]

しかし反乱軍がブレード・ウイングを量産体制に乗せるには、解決しなければならない技術的・経済的課題があった。ブレード・ウイングの量産化にあたり、クアリーは砲手タレットを自動武器ポッドと取り換えることを提案し、コストを大幅に削減させた。 彼はまた[8] 当初は反対していたにも関わらず[2] サビーヌ・レンがブレード・ウイングの照準システムと武器パッケージに手を加え、再設計することを許可した。クアリーと反乱軍の協力のもと、ブレード・ウイングはのちにA/SF-01 Bウイング・スターファイターと名付けられる新型戦闘機のベースとなった。オーガナ議員は、クアリーがスレイン&コーピル社の部品や技術を流用してブレード・ウイングを造ったことを知り、同社で働くヴァーパインのエンジニアに連絡を取り、“Bウイング”の極秘量産化に取り組まないかと持ちかけた。こうしてクアリーはスレイン&コーピル社の共同作業が始まった。[8]

Bwingy

クアリーのブレード・ウイングはA/SF-01 Bウイング・スターファイターのベースとなった

クアリーは自らのデザインをローシュ小惑星帯へ持ち込み、運用に向けた調整を行った。[1] クアリーの試作機が惑星シャンティポールで生まれたことにちなみ、ヴァーパインは敬意をこめて共同作業場をアライド/シャンティポール施設と名付けた。[8] またこの頃、ヘラは反乱軍宙域司令部ジャン・ドドンナ将軍宛てにレポートを作成し、シャンティポールやアイバーでの出来事を報告した。ヘラはクアリーのおかげでアイバーの封鎖を突破できたと説明し、Bウイングが完成すればYウイングに代わる対戦艦用攻撃機になるに違いないと述べた。スレイン&コーピル社はエネルギー問題を解決するため、試作機に搭載されていた合成ビーム・レーザーを量産機からリジェクトした。[3] 彼らはまたBウイングにアストロメク・ソケットを搭載することも検討したが、クアリーはドロイド・テクノロジーの取込みは高くつくうえ、Bウイングの電気系統に技術的問題が発生するリスクを指摘した。そのためBウイングはアストロメク・ドロイドの代わりにマイクロアキシャル社LpM-549航法コンピューターを使ってハイパースペース計算を行うことになった。[8]

やがてA/SF-01 Bウイングが完成し、同盟軍ギアル・アクバー提督カーリスト・ライカン将軍立ち合いのもとテスト飛行が行われた。彼らはこの戦闘機は銀河系で最も重武装の戦闘機に違いないと評価した。スレイン&コーピル社の主任技師たちは、クアリーがいなければこの新型機の製造には至らなかったと繰り返し主張した。テスト飛行の後、ライカンは同盟軍最高司令部に機密報告書を送り、クアリーの名も挙げて本機の誕生経緯を説明した。[8] やがてクアリーは、BG-81とともに同盟軍の旗艦ホーム・ワン>に乗り込んだ。[9]

人物[]

「散らかっててすまん。めったに客が来ないからな。来ても大半は落っこちる」
―クアリー[出典]
Quarrie and Hera and BG-81

クアリーとヘラ、BG-81

クアリーはモン・カラマリの男性で[2]、背が低く[10]、白いまだらがかった茶の肌に、黄色いをしていた。[2] ブレード・ウイングを開発した当時、彼はすでに老齢だった。[1][2] クアリーは天才的な技術を持つ[11] 船大工[1]、シップマスター[2]、マスター・エンジニア[10] およびスターファイター・デザイナーであり[5]、伝説的な宇宙船設計者として知られた。[9] 彼は自分の仕事を楽しみ、スピードや機動性、武器の実験には熱心だったが、彼自身はパイロットではなく[10]、わざわざ自ら墜落の危険を冒してまで開発中の機体に乗り込もうとはしなかった。[2]

クアリーはプライドが高く[10]、実力不足のパイロットが自分の船に乗り込んだり、他人が自分の船に手を加えることを嫌った。実際、当初クアリーはヘラをブレード・ウイングに乗せようとせず、サビーヌ・レンが照準装置の改良を申し出た際も拒絶した。またブレード・ウイングが量産化されることになった際も、クアリーはシャンティポール計画を監督するのは自分だと念押しした。しかし彼はヘラの情熱を知って彼女がブレード・ウイングを操縦することを認めたり[2]、サビーヌによる改良を最終的には許可するなど[8]、寛大な一面もあった。クアリーは飛べない宇宙船を見ると我慢ができず、修理に必要な部品を提供したり、自ら修理を行うことがあった。またクアリーはブレード・ウイングに平凡なパイロットを乗せることは渋っていたが[2]、帝国嫌いであるためこの船を反乱軍に提供すること自体は乗り気だった。[11]

装備[]

「飛べない船を見るのは我慢ならん」
―クアリー[出典]

クアリーはシャンティポールの仕事場で薄いベージュ色の作業服とアンテナが付属した白いヘルメット、茶色いブーツ、ポーチ付きの茶色いベルトを身に着けていた。作業服の左胸にはオーラベッシュアルファベットで“クアリー”と書かれた名札がついており、両肩にはオレンジ色の円が描かれた肩当が付属していた。彼の作業場は散らかっていたが、宇宙船の開発や修理に必要な各種部品や道具、フォーク・リフトなどの設備が揃っていた。彼はロザル・アストロメク・ドロイドBG-81と一緒にシャンティポールで仕事し、反乱軍に加わった際もこのドロイドを連れて行った。[2] またシャンティポールにある彼の着陸パッドには、ダクティリオンを模した風見鶏が立てられていた。[6]

制作の舞台裏[]

クアリーは2015年11月11日に公開されたアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たちシーズン2第7話『名パイロットの翼』で初登場を果たした。[2] 名前はスター・ウォーズ シリーズで有名なコンセプト・アーティスト、ラルフ・マクォーリーにちなんでいる。クアリーの存在は2015年4月19日セレブレーション・アナハイムの『反乱者たち』トーク・パネルで初めて明かされた。[12] 声優はコーリー・バートン[2] またクリス・グレンがクアリーの全身の設定画を手掛けた。[6] クアリーは非正史作品の『LEGO スター・ウォーズ/フリーメーカーの冒険』にも登場している。

登場作品[]

参考資料[]

脚注[]

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