- 「アウター・リムのカスめ。ここまで臭ってきおるわ。警戒を怠るな。少しでも怪しい動きがあれば…残らず射殺せよ」
- ―アガディーン[出典]
アガディーン(Aggadeen)は人間の男性で、銀河帝国に仕えた将校である。銀河内戦初期、アガディーンは衛星サイムーン1で銀河系の武器製造施設である兵器廠アルファの監督員を務めていた。帝国がヤヴィンの戦いでデス・スター・バトル・ステーションを失う大敗を喫した後、兵器廠アルファは武器製造に必要な資源を手に入れるためアウター・リムを根城にする犯罪王ジャバ・ザ・ハットと取り引きすることになった。しかし共和国再建のための同盟はジャバの使節団を拿捕し、ハットの代理人を装ってサイムーン1に侵入した。アガディーンは使節が偽物であることに気づかず、彼らを兵器廠に招き入れてしまった。
工場の中に入った後、反乱同盟のハン・ソロとルーク・スカイウォーカー、レイア・オーガナ、アストロメク・ドロイドのR2-D2はアガディーンに同行していたストームトルーパーのチームをすぐに制圧した。アガディーンが反乱軍の脅しに屈して工場のパワー・コアの場所を明かした後、シス卿ダース・ヴェイダーがサイムーン1に到着し、反乱軍との戦いが始まった。アガディーンは反乱軍によって破壊工作を施されたパワー・コアのメルトダウンをなんとか食い止めたが、その直後にルークがスピーダー・バイクのブラスター砲でコアを直接攻撃し、工場全体を爆発させた。アガディーンは爆発を生き延びたものの、のちにコルサントへ連れて行かれ、ヴェイダーから厳しい罰を与えられた。
経歴[]
兵器廠の監督員[]
- 「皇帝陛下の御名において諸君の来訪を心より歓迎する。今回の交渉が円滑にして実り多い事を祈るぞ。私が当兵器廠の監督員アガディーンだ。そちらの代表者は?」
- ―ハン・ソロに対し、アガディーン[出典]
銀河内戦序盤の0 ABY当時、アガディーンは銀河帝国に仕え、コレリアン工業クラスタの衛星サイムーン1で兵器廠アルファの監督員を任されていた。兵器廠アルファは銀河系最大の武器製造工場と謳われ、TIEファイターや全地形対応装甲トランスポートといった帝国軍の各種兵器が製造されていた。[1] 当時、帝国はヤヴィンの戦いで失ったデス・スターの穴を埋めるべく、兵器の製造を活発化させていた。[2] 武器製造の需要増加を受け、兵器廠アルファは資源を手に入れるためにアウター・リム・テリトリーを拠点とするハットの犯罪王ジャバ・デシリジク・ティウレと取り引きをすることになった。一方、反乱同盟は帝国の武器製造を妨害するため兵器廠アルファを標的に定めた。[1]
反乱同盟は惑星タトゥイーンの上空でジャバのシャトルを拿捕し[2]、ジャバの犯罪帝国からの使節団としてサイムーン1にやってきた。アガディーンは交渉相手が不審な動きをしたらすぐ射殺するよう部下のストームトルーパーたちに命じ、工場の外でジャバのシャトルを出迎えた。ジャバの代理人としてシャトルから降りてきた人物は反乱同盟に加わったばかりの密輸業者ハン・ソロだったが、ハンは実際にジャバの手下として働いていたことがあるため、帝国のプロトコル・ドロイドによる身元確認にも引っかからなかった。アガディーンは自分のことを馴れ馴れしく“アギー”(Aggie)と呼ぶハンとそのボディガードたちに武装解除を求め、ブラスターを取り上げた後で彼らを兵器廠アルファの内部へ案内した。[1]
反乱同盟の襲撃[]
- 「この衛星は銀河でも最も厳重な警備を誇る。生きて出られる可能性はないと思え」
- ―アガディーン[出典]
工場内部の通路を歩きながら、アガディーンは今回の取り引きは対等な“交渉”ではなく、帝国が一方的な要求を突きつけるだけだと忠告した。交渉役であるシス卿ダース・ヴェイダーが到着するまで使節を待機させておくための部屋の前に到着した後、アガディーンはハンが連れてきたアストロメク・ドロイドのR2-D2から液体が漏れ出していることに気づいた。その直後、R2ユニットは液体に向かって電撃を放ち、近くにいたストームトルーパーたちを一斉に感電させた。ハンのボディガードに扮していたルーク・スカイウォーカーとプリンセス・レイア・オーガナも正体を現し、残りのトルーパーを格闘戦で制圧した。[1]
ハンはストームトルーパーから奪ったE-11ブラスター・ライフルをアガディーンに突きつけ、兵器廠の主要動力源である[1] グロバスX9パワー・コア[2] の場所を尋ねた。アガディーンは最初のうちこそ答えることを拒否したものの、R2-D2が電気ショックを匂わせると、すぐにパワー・ステーションの方角を指し示した。するとレイアはアガディーンを殴り倒し、仲間とともにパワー・コアへ向かって去っていった。彼らは工場の動力装置が10分でオーバーロードするように破壊工作を行ったが、間もなくヴェイダーがサイムーン1に到着し、反乱軍の侵入チームとのあいだに戦いが始まった。反乱者たちは兵器廠で働かされていた奴隷たちを解放し、奪取したAT-ATウォーカーで建物を破壊しながら脱出を図った。[1]
アガディーンは反乱軍と戦うヴェイダーに連絡を取り、パワー・コアがメルトダウンしているため工員の退避許可を出して欲しいと頼んだ。しかしヴェイダーは許可を与えず、なんとしてもメルトダウンを阻止するよう監督員に命じた。これ以上の失態は許さないとシス卿から脅されたアガディーンは、部下たちとともにパワー・ステーションへ向かい、装置の復旧に取り組んだ。技師たちはパワー・コアを正常値に戻し、R2-D2によって解除されたセキュリティを再設定することに成功したが、その直後、74-Zスピーダー・バイクにまたがったルークがステーションに飛び込んできた。ルークはスピーダーのブラスター砲を使ってパワー・コアを直接銃撃し、アガディーンたちの取り組みは全て無駄になってしまった。[1]
パワー・コアは爆発して制御不能になり、アガディーンは燃え盛る炎のなかでヴェイダーの怒りに恐怖した。その直後、ルークを追っていたヴェイダーのインペリアル・コンバット・スピーダーがパワー・コアのそばを走り過ぎ、アガディーンはその衝撃で転んでしまった。その後間もなく、兵器廠はパワー・コアの暴走で大爆発を起こし、完全に破壊された。反乱軍のメンバーは解放した奴隷たちを連れてハンのYT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>に乗り込み、サイムーン1から逃げおおせた。[1]
失態の代償[]
- 「アガディーンが失敗する事はもはやありません」
- ―皇帝に対し、ダース・ヴェイダー[出典]
兵器廠全体を巻き込む爆発が起きたにもかかわらず[1]、アガディーンは工場の破壊を生き延びた。しかし彼は帝国の首都惑星コルサントのインペリアル・パレスへ連行され、ヴェイダーから厳しい拷問を受けた。ヴェイダーはEVシリーズ監督ドロイドやIT-O尋問ドロイドなどを駆使して監督員を尋問し、サイムーン1における失態の顛末を詳細に聞き出した。その後ヴェイダーは銀河皇帝シーヴ・パルパティーンと面会し、アガディーンが失敗することは二度とないと請け合った。パルパティーンは自ら拷問室を訪れてアガディーンの様子を確認したが、監督員のことよりも、ヴェイダー自身の失態に対して不満をあらわにした。[3]
人物[]
- 「君は今回の“交渉”に関して誤解していないかね、Mr.ソロ。我々には駆け引きなどするつもりはない。我らの交渉役が帝国側の条件を提示し、諸君がそれを受け入れる。すなわち、我らの要求に従って資源を提供し、我らが定めた代価を受け取ることになるのだ」
- ―アガディーン[出典]
アガディーンは白色人種の人間の男性で、目は青く[1]、髪はなくスキンヘッドだった。[3] アガディーンは銀河最大の武器工場である兵器廠アルファを誇りに思っており、アウター・リムの犯罪者たちを下に見ていた。彼はジャバ・ザ・ハットの使節を名乗る反乱軍のメンバーに対して横柄な態度を取り、帝国の要求を黙って受け入れるよう命じた。反乱軍の潜入チームがストームトルーパーを攻撃し始めたとき、アガディーンはしばらく状況を飲み込むことができず、ハン・ソロが名乗るまで敵が反乱軍であることに気づかなかった。反乱軍からパワー・コアの場所を尋ねられた際、アガディーンは帝国軍人として脅しには屈しないと強がったが、R2-D2が電気ショック棒をちらつかせるとすぐに態度を変えた。結果的に、帝国はアガディーンの失態のせいで銀河最大の武器製造施設を失うことになった。[1]
装備[]
- 「ここは銀河最大の兵器廠だ。昼夜の別なく、全自動で操業している。帝国全体に兵器を供給する重責を担っているのだ。辺境の犯罪者と駆け引きする暇も意思もないのだよ」
- ―アガディーン[出典]
サイムーン1で監督員として勤務していたとき、アガディーンは標準的な灰色の帝国軍将校の軍服を身に着け、身分証明ディスクがついたキャップをかぶり、左胸に赤と青のタイルが6枚ずつ連なった階級プレートをつけていた。[1]
制作の舞台裏[]
アガディーン監督員は2015年に発売された正史のコミック『スター・ウォーズ:スカイウォーカーの衝撃』(ジェイソン・アーロン作、ジョン・カサディ画)の最初の号で初登場を果たした。彼はマーベル・コミック『スター・ウォーズ』シリーズ全体を通して1番始めに画面上に登場するキャラクターである。また『スター・ウォーズ:ダース・ベイダー』(キーロン・ギレン作、サルバドール・ラロッカ画)でもヴェイダーの回想シーンにアガディーンが登場する。
登場作品[]
- スター・ウォーズ:スカイウォーカーの衝撃 (初登場)
- スター・ウォーズ:ダース・ベイダー (回想シーン)
参考資料[]
- スター・ウォーズ:レベル・ファイルズ (間接的に言及)