- 「痛みは……ない……」
- ―エージェン・コーラー、最期の言葉[出典]
エージェン・コーラー[4](Agen Kolar)は、ライトセーバー技術の高さと、その技術を好戦的に使うことで知られた、ザブラクの男性のジェダイ・マスターである。熟練した剣士であり、たいていは無遠慮な手段を選択することで知られたコーラーは、任務でアウター・リム・テリトリーを旅することに長年を費やした。彼はジェダイ最高評議会に強烈なほど忠実であり、彼らの知恵を疑ったり命令に疑問を持つことはほとんどなかった。クローン戦争が勃発した時、コーラーはジオノーシスの戦いに参加し、パダワンのタン・ユースターを失っている。しかし彼は前に突き進み、優れたジェダイ将軍となってブレンタールの戦いなどで活躍した。
コーラーは個人的な任務に派遣されることが多かった。奔放なジェダイ・マスター、クインラン・ヴォスを捕える任務では(ヴォスが二重スパイであることを知らず)、コーラーはヴォスと戦いを繰り広げるが、最終的に彼を取り逃がした。ヴォスがドゥークーのダーク・アコライトの一派に潜入するにあたり、コーラーから逃れた事実がヴォスに信憑性を与えたのである。また、ジェダイの首に懸った賞金を獲得し始めていた賞金稼ぎギルドの支部、クリムゾン・ノヴァに対し、ジェダイの力を誇示する役にも立った。コーラーはやがてジェダイ評議会のメンバーになり、戦争での指導的役割を引き受けた。
クローン戦争の終盤、コーラーは首都コルサントに残っていた数少ないジェダイ・マスターのひとりだった。グリーヴァス将軍が発見され、ジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービに殺された時、コーラーは最高議長パルパティーンに非常時大権を放棄させる役目のため選出された評議員の1人だった。ジェダイは、最高議長がシス卿の支配下にあると恐れていたのである。実際、ジェダイ・ナイトのアナキン・スカイウォーカーが、パルパティーンがシス卿であることを明らかにした。コーラー、ウィンドゥそして仲間のマスター、サシー・ティンとキット・フィストーは、パルパティーンのもとに赴く。しかしシス卿との戦いで、コーラーはまず最初に殺されてしまう。その後、ジェダイの大粛清が始まり、銀河共和国は銀河帝国に再編された。
経歴
ジェダイ・マスター
フォース=センシティブのザブラクの男性、エージェン・コーラーは、銀河共和国の支配力が衰退していった時代に、惑星イリドニアに生まれた。そのフォースの感応能力が明らかになった後、コーラーはジェダイ・オーダーのメンバーになるためにトレーニングを受けることになった。22 BBYまでに、コーラーはジェダイ・マスターの称号を獲得し、オーダーを率いるメンバーのひとりとなり、最高の剣士として知られるようになる。この頃、コーラーには人間の男性のパダワン、タン・ユースターがいた。
コーラーは頻繁にミッド・リムを超え、共和国の権力の及ぶ端の領域、そして及ばない領域へと任務に派遣された。ハット・スペースは彼が活動した領域のひとつであり、友人とはいえないものの、ベサディ・カジディクの支配者アラク・ベサディ・アオラと知人になった。コーラーはまた、ジェダイ・マスター・クインラン・ヴォスのような他のジェダイとともにリムの任務に赴くことがあった。コーラーはその技術と功績によってジェダイの間で傑出した存在となり、尊敬を得た。ただし、彼が外交の手腕に関して資質が欠如していることは周知の事実だった。コーラーは必要に応じて攻撃的な行動を好むことを好んでいたのである。
ジオノーシスの戦い
22 BBY、パドメ・アミダラ元老院議員の暗殺計画に関して調査していたジェダイ・ナイト、オビ=ワン・ケノービが独立星系連合の不吉な会合に遭遇し、ジェダイ評議会への報告の途中に連合側に捕えられるという出来事が起こった。コーラーと弟子のユースターはその時、銀河系の首都惑星であるコルサントのジェダイ・テンプルにいた。ふたりは分離主義勢力からケノービを救出するため、ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥによって招集された攻撃部隊に加わり、ジオノーシスへと向かった。
コーラーとユースターは、ケノービと共和国の囚人であるパダワン・アナキン・スカイウォーカー、アミダラ議員が処刑される予定だった、ペトラナキ・アリーナの観客席へと潜入したジェダイの一員だった。ウィンドゥの合図のもと、コーラーと仲間のジェダイたちはその姿を現したが、分離主義勢力の指導者であり、かつてはジェダイ・マスターだったドゥークー伯爵は、ジェダイに対してバトル・ドロイドの軍隊を放った。コーラーとユースターは激しい戦いを繰り広げ、処刑アリーナの上で活路を見出していったが、多数のジェダイがバトル・ドロイドのレーザーの集中砲火によって倒れていった。コーラーとユースターはアリーナでジェダイの生存者の輪に加わるが、ユースターは、戦いの中で命を落とす。生き残った数少ないジェダイをドゥークーのバトル・ドロイドが包囲した時、状況は最悪に思われたが、グランド・マスターのヨーダが、新しく認可されたばかりの共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーを率いて増援に駆け付ける。コーラーは救出され、処刑アリーナの外の惑星表面で繰り広げられた分離主義勢力との戦いに加わった。彼は、わずかなジェダイの生存者の1人となる。
ジェダイの将軍
コーラーはパダワンを失ったことを悲しんだが、執着を持たないというジェダイの原理には従い続け、ユースターの死を受け入れて前を向いた。クローン戦争が勃発し、コーラーは共和国グランド・アーミーのジェダイ将軍となった。ジェダイ評議会の意思の支持者であり、共和国に対するジェダイの義務を強く信じていたコーラーは、戦争で大きな役割を引き受けるという評議会の決定に反対するジェダイを軽蔑していた。高い評価を得ていたライトセーバー・インストラクターのソーラ・バルクがダークサイドに転向し、分離主義勢力に与するドゥークーのダーク・アコライトに加わったことを知ったメイス・ウィンドゥは、コーラーに、バルクの裏切りとヴァーパッドの歴史について警告した。
開戦から5ヶ月後、コーラーは主要なハイパースペース通過ポイントに位置するコア・ワールドの惑星、ブレンタールIVを、地元の氏族の指導者ショガー・トク率いる反抗勢力から奪回する任務に派遣された。コーラーは、ジェダイ評議会のメンバー、プロ・クーンやシャアク・ティの指揮の下、部下のクローン・トルーパーたちを惑星へと着陸させる。しかし、共和国が把握していた情報は不完全だった。トクのイオン砲は既に使用可能であり、シールドも起動され、共和国の着陸部隊をばらばらにしてしまった。ジェダイの将軍ション・コン・レイを含む軍全体の4分の1が、ほとんどあっという間に失われてしまう。コーラーは苦境に立たされたが、多くの兵士を維持していた。
ティは刑務所を発見し、施設の間をつなぐ下水道を利用してトクの要塞に潜入するため、何人かの囚人を徴兵した。ティはこの作業を達成するため、コーラーにトクの要塞の北側への攻撃を指揮するよう指示した。彼女が内部に入ると、ブレンタールIV軌道の共和国艦隊を指揮していたクーンは、一時退却しティが防衛網を破壊工作で破るか、トクを確保するつもりだった4時間後に戻ってくることになる。地上では、コーラーは降伏するか退却するかの選択肢を与えられていた。
4時間がたつと、コーラーは部下の兵士たちとともに降伏した。彼はトクとドゥークーのホログラムの前へと連れて行かれ、ティがどこにいるかを尋ねられた。コーラーは初めて移行したが、トクに殴られると、フォースを通して彼女の戦死を感じたと嘘の証言した。トクの軍隊がティの死体を探す間、コーラーは収監されることになった。ティが作戦に成功するまでコーラーはそこに残り、やがて彼と部下の兵士たちは、古い仲間のクインラン・ヴォスと傭兵のサゴロ・オーテムによって救出された。ティはある囚人の裏切りによって重傷を負っていたため、ティがバクタ・タンクで回復する間、コーラーが地上で指揮を執ることになった。
クインラン・ヴォス追跡
その1か月後、ウィンドゥ、キ=アディ=ムンディ、ヨーダ、ソルメらジェダイ・マスターたちは、ある策略のためにコーラーを利用することにした。彼らはヴォスを二重スパイとしてドゥークーの陣営に送り込むつもりでいた(既に、ヴォスはブレンタールIVの戦いにおいて間違った情報を共和国に故意に流したという疑惑をもたれていた)。しかし、彼らはヴォスがオーダーを裏切ったと、相手が納得する証拠を必要としていた。評議会は、分離主義勢力に売り込むための価値ある軍用コードをヴォスに与え、コーラーにはヴォスの本当の役割を教えず、ヴォスを追跡するよう命じた。計画の全貌を知っていたのは、小規模な派閥だけであり、ヴォス殺害という手段を避けるため最大限のことをしてくれるだろうという見込みから、評議会に絶対服従の精神を持つコーラーが追跡者として選び出されたのである。
コーラーは一般人の服装で、3人のクローン・トルーパーとともにハットの月、ナー・シャッダへと赴いた。ナー・シャッダはハット・スペースに位置するため、共和国は法的にヴォスを逮捕することが出来なかったが、コーラーは素早く密かに行動することで、ハットが最期まで共和国の存在に気づかないまま立ち去ろうと思っていた。コーラーの兵士たちはヴォスを襲撃するが、彼は建物に逃れて反撃した。コーラーはヴォスを壁へとフォース=プッシュし、ライトセーバーを振るって彼を捕まえた。ヴォスは手錠をかけられ、エアスピーダーにコーラーの隣に乗せられた。急いでその場を離れようとしていたコーラーは、ヴォスのエージェント、カリーン・ヘンツの逃亡を許してしまう。ヴォスは無実を主張し、分離主義勢力に誤情報を流そうとしていたのだと語った。しかしコーラーは、ヴォスの持つ軍用コードが本物であると確認した。ふたりは分離主義勢力が目的を持っているかどうかについて短い議論を交わし、コーラーは、評議会は彼らに敵対するため選ばれたのだから、ジェダイは連合を手助けするビジネスはしないと主張した。
彼らの会話は、ヘンツが彼女のエアスピーダーに乗って現れたことで中断される。ヴォスはそれに飛び乗り、コーラーと兵士たちが追跡した。飛行中、ヴォスはコーラーの注意を避けるためヘンツのスピーダーから跳躍したが、コーラーは騙されず、スピーダーから飛び降りて兵士にはヘンツのスピーダーを追跡し続けるよう命じた。コーラーはヴォスと対峙し、戦闘を繰り広げ、素早く彼を武装解除した。コーラーはコルサントに帰り、ライトサイドに復帰する道を見つけるようヴォスに嘆願した。ヴォスは無慈悲に攻撃したため、コーラーは反撃し、ヴォスのショルダー・アーマーを切り裂いて、ヴォスが彼より弱く、降参しなければならないと警告する。ヴォスは両生類が入った檻を開いて、コーラーがクリーチャーに対処する間に逃げ去った。
コーラーはカンティーナを通過し、外へ続く歩道へとヴォスの追跡を続けた。しかし酒場の客たちはヴォスのことを知っており、ヴォスを守るために動いた。コーラーは単純なフォース=プルを使い、暴徒を武装解除した。暴徒たちは怒ったが、コーラーはライトセーバーを収め、立ち去るか、傷つくという結果を受け入れるか、彼らに迫った。彼らが迫りくると、コーラーは武器を使わずに戦い、何人かを倒していった。この戦いは、カンティーナの所有者であるアラクの出現によって中断する。このベサディ・カジディクの支配者はどうしてコーラーが彼の客を攻撃しているかを教えるよう要求し、コーラーは彼が共和国のビジネスに活動していると答えた。しかし、そうこうしているうちにヴォスは逃げてしまう。アラクは、コーラーに立ち去るよう脅した。ヴォスを捕まえるためにハットを分離主義勢力の陣営に回してしまうことは割に合わないと判断し、コーラーはしぶしぶベサディの護衛たちに宇宙船へと連れられて行った。任務における唯一の明るい点は、軍用コードが売り飛ばされる前に、クローン・トルーパーたちがヘンツを捕えたことだった。
評議会に報告を求められたコーラーは、新しく再供給された軍隊を送り返した。彼はヘンツをコルサントへ移すが、さらにヴォスを追跡しても成果は上がらないと語った。コーラーがいつも最前線で戦っていたというわけではない。ジオノーシスの戦いの16か月後、彼は最高評議会のメンバーに任命され、かつては無条件に従っていた組織の意思を決定する立場になったのである。彼は他のマスターたちとともに、コルサントで頻繁に戦争の進展に関する報告を受け、行動を決定した。
クリムゾン・ノヴァ
戦争勃発から17ヶ月後、新しい脅威が出現した。賞金稼ぎギルドの支部のひとつ、クリムゾン・ノヴァがジェダイの首にかかっていた賞金を狙い始めていたのである。ウィンドゥは彼らにフォースの力を誇示し、ジェダイを狙うという行動を大目に見ることはないというメッセージを送るため、数人のジェダイを選び出した。ウィンドゥはコーラーと、評議会のメンバーであるサシー・ティン、キット・フィストーとともに、クリムゾン・ノヴァの活動を解体するため、彼らの本拠地である宇宙ステーション、リグへと発った。
ウィンドゥは訪問することを自ら相手に知らせ、1人で到着したように見せた。彼はクリムゾン・ノヴァの指導者であるミカに賞金をあきらめて降伏するよう迫り、賞金稼ぎたちの注意を自身に集めた。一方、その他の3人のジェダイたちも密かにリグに到着する。コーラーは「アージェント・コール」という偽名を使って賞金稼ぎに扮装し、フィストーは賞金首に扮した。当然のことながらリグの記録には「コール」という賞金稼ぎは登録されておらず、コーラーはギルドの記録が不完全であると文句を言い、早く賞金をくれるよう要求した。リデンプション・センターの管理者だったルーイーは、フィストーを処理しようとしたときたっぷりと脅された。
フィストーは偽物の手錠を外し、他の賞金首たちも自由にして刑務所内に暴動を起こす。囚人たちを再び捕まえるまで、コーラーと他のハンターたちには賞金が与えられなかった。コーラーは賞金稼ぎたちの怒りを煽り、ハンターたちにも暴動を起こさせ、リグを混乱状態に導いた。ティンが引き起こした爆発は、リグの物資とハンガーを破壊し、ミカはウィンドゥを殺すと誓った。交渉は行われそうになかったので、ウィンドゥはリグの指導者と戦うために、他のジェダイと落ち合った。
司令センター・ネストで、ミカは降伏する最後のチャンスを拒否した。ウィンドゥとフィストーはミカや彼女の仲間と戦い、コーラーとティンはコントロール・ルームを乗っ取ろうと試みた。ふたりは道を切り開き、コーラーはステーションのブラスト・ドアを守って敵の援軍を倒し、脱出ポッドを不能にする。彼らはまた、ジェダイに賞金を懸けた人物を知るためにファイルを探し出すつもりだった。
任務を達成したふたりは、ウィンドゥとフィストーを手助けしようとする。ふたりがウィンドゥのもとに到着する直前、ミカは副官のストロスによってスタン(麻痺)させられていた。ストロスは、ジェダイに対するミカの復讐心は、クリムゾン・ノヴァの利益に反すると考えていた。ストロスはジェダイに賞金を懸けていたトワイレックの反抗勢力の指導者、カリス・フェンの存在を明かす。コーラーと3人のジェダイは、ストロスの言葉に従って惑星ライロスに赴き、フェンが死んでいることを知った。フェンを殺したのはクインラン・ヴォスだった。ドゥークーからの警告として、ヴォスはフェンの暗殺を記録したホログラムを残していた。それを見た4人のジェダイは、二重スパイだったはずのヴォスが、本当にダークサイドに転向してしまったと結論付けた。コーラーは、ナー・シャッダでヴォスを捕まえなかったことで彼自身を責めた。
大戦でのその後の活躍
- 「となると残された試練はあとひとつ」
「心の試練よ」 - ―評議会でアナキン・スカイウォーカーのナイト昇格について議論する、コーラーとシャアク・ティ[出典]
コーラーはジェダイ評議会での役割を継続し、コルサントで評議会の審議に時間を費やした。20 BBY、パダワン・フリン・カイボが、悪名高いジェダイ=キラーである分離主義勢力ドロイド軍最高司令官、グリーヴァス将軍の暗殺任務を承認するよう、最高評議会に求めた。この時、コーラーはカイボの計画に反対したジェダイの1人であり、たった1人の人物に対して大量の資源を使うべきでないと述べた。その後、カイボは彼の計画は攻撃でなく暗殺であると明言する以外何も語らなかった。カイボはのちに、評議会の認可を得ないまま任務を遂行するが、不成功に終わった。コーラーはまた、ケノービのパダワン、アナキン・スカイウォーカーをナイトに昇格させるかどうかの議論にも参加し、この若きジェダイがまだ心の試練に直面していないことを示唆した。アナキンの昇格が決定した後、コーラーと最高評議会のメンバーは、スカイウォーカーの騎士昇格の儀式に参加した。
コーラーはまた、戦争の任務に参加することで、その気性を発揮することが出来た。そうした任務の1つにおいて、コーラーは仲間のジェダイ・マスターであるアイラ・セキュラやヴールヴィフ・モンとともに、氷の惑星での戦いに加わった。ここで、彼ら3人はクラブ・ドロイドと戦い、バブル・ワート・プロエクターの罠にかかってしまった。しかしスカイウォーカーが駆け付け、ドロイドを破壊してコーラーたちを救った。このとき、コーラーはそれまで使っていた緑色のものでなく、赤い焦点クリスタルのライトセーバーを使っていた。また、数か月後に今度は青いライトセーバーを使い始めている。
他にも、コーラーはボズ・ピティの戦いに参加している。クローン戦争開始から約30ヶ月が経過いた後、オビ=ワンが分離主義勢力の重要人物が惑星ボズ・ピティにいるという手がかりを発見し、ヴェネター級スター・デストロイヤー<インターヴェンション>がコーラーを含む極めて強力なジェダイを載せて派遣された。スカイウォーカーもまた乗組員の1人であり、<インターヴェンション>を操縦して分離主義勢力による惑星の封鎖を通過するも、このデストロイヤーの惑星への不時着は回避できなかった。惑星において、コーラーと他の者たちは主要な分離主義勢力基地へ向けて進んだ。そこで彼らは、ドゥークー、グリーヴァス、ダーク・アコライトのアサージ・ヴェントレスという、敵の重要人物たちを発見した。コーラーは要塞を取り囲むバトル・ドロイドの多くの中隊と戦うが、ライトセーバー・デュエルに持ち込む機会を与えられなかった。ドゥークーはウィンドゥと戦った後逃げ去り、グリーヴァスはジェダイ・マスターのスーン・バイツとアディ・ガリアを殺害する。その後、グリーヴァスはウィンドゥに重傷を負わされ、退却を余儀なくされた。ドゥークーはヴェントレスを見捨て、グリーヴァスと共に去っていった。
最後の戦い
- 「アナキンはシスと戦って生き延びるチャンスのあるジェダイだ。ですから彼を使ってわなを仕掛けてはどうでしょう」
- ―評議会で意見するエージェン・コーラー[出典]
戦争勃発から3年後、グリーヴァス将軍は首都コルサントを攻撃した。コーラーは宇宙空間で、スターファイターに乗って連合宇宙軍と戦った。彼が戦闘に専念している間、グリーヴァスは惑星内部に潜入し、最高議長パルパティーンを彼のスイートから誘拐した。コーラーとティン、マスター・パブロ=ジルはグリーヴァスのシャトルの脱出を阻止するため、戦闘から呼び戻された。彼らは再三にわたって戦ったが、グリーヴァスが作り出す破片によって阻まれてしまった。グリーヴァスはコーラーたちがエンジンを狙える位置に近づくことを許したが、シールドでビームを跳ね返し、視界に入った宇宙船を片っ端から破壊することで、コーラーたちに退却を余儀なくさせた。コーラーたちの活躍もむなしく、グリーヴァスは旗艦である<インヴィジブル・ハンド>に逃げ去った。[5] しかしその後、スカイウォーカーとケノービが最高議長救出のために駆け付け、ドゥークー伯爵を殺し、グリーヴァスに退却を余儀なくさせた。[1]
コーラーはコルサントに残り、最高評議会に仕えた。彼はスカイウォーカーを使って最高議長のオフィスをスパイするという考えを支持した。ジェダイは、シス卿のダース・シディアスが、パルパティーンを、事によると戦争全体を捜査しているのではないかという疑惑を募らせていたのである。コーラーはスカイウォーカーの能力を信頼しており、スカイウォーカーが信用するケノービが、彼にスパイ行為をするよう頼むべきだと発言した。彼はまた、パルパティーンに対するスカイウォーカーの報告の中で、評議会がグリーヴァス捜索を進めていることを強調させるよう提案した。そうすれば、シディアスが何らかの反応を示すと考えたのである。シディアスの行動を誘うため、ヨーダかウィンドゥが戦いの指揮に赴くことになった時、コーラーはヨーダが首都を離れるべきだと発言した。ヨーダは惑星キャッシークの防衛戦線を指揮することになり、オビ=ワンはグリーヴァス討伐のため派遣された。そしてコーラーは、シディアスに対抗するためウィンドゥなどの腕の立つマスターたちと共にコルサントに残った。[6]
オビ=ワンがグリーヴァスを倒したという知らせが評議会に届くと、彼らは最高議長に非常時大権を破棄させるべく動き出した。議長は長期に渡り大権を保持し、その権力を大きなものにしており、評議会はそれがシディアスに利用されることを危惧していた。ウィンドゥは、コーラー、ティン、フィストーという、リグの時と同じチームを組んで議長のオフィスに向かう準備をした。彼らが出発しようとしていた時、スカイウォーカーが衝撃的な知らせをもたらした。パルパティーンがスカイウォーカーに、彼自身がダース・シディアスであることを明かしたというのである。共和国はシスの暗黒卿に統治されていたということになる。ウィンドゥはスカイウォーカーにテンプルに残るよう指示し、3人のマスターに出発を命じた。フィストーは不安を口にし、コーラーはスカイウォーカーを同行させない理由を知りたがった。ウィンドゥとティンは2人を落ち着かせ、一行はパルパティーンを逮捕すべくLAAT/iガンシップに乗り込んだ。[1][6]
4人のジェダイ評議会メンバーは、パルパティーンのオフィスに大股で歩み入り、コーラーはそのしんがりを務めた。ウィンドゥがパルパティーンを逮捕すると宣言すると、マスターたちはライトセーバーを起動した。短い会話の後、パルパティーンはライトセーバーを振りかざしてデスクから飛び出し、着地と共にコーラーを突き刺した。コーラーは彼のライトセーバーで応戦することが出来ず、胸を貫かれて命を落とし、床へと崩れ落ちた。[1][6]
直後にティン、フィストーも続けて殺された。スカイウォーカーが駆け付けた時、ウィンドゥとパルパティーンの決闘は終結しており、シス卿は追いつめられていた。コーラーの信頼に違反し、スカイウォーカーはシス卿を救った。ウィンドゥもパルパティーンに殺され、スカイウォーカーはシス・アプレンティスとなる。共和国は銀河帝国へと再編され、コーラーも携わった議長逮捕の試みから、ジェダイは国家の敵と宣言された。以降、ジェダイの大粛清は数十年続くことになるが、コーラーは結果的に、その最初の犠牲者だった。[1]
人物
ジェダイ・マスターのエージェン・コーラーは、ジェダイのあいだで、粗削りな外交活動をすることで良く知られていた。彼はたいていは無遠慮であり、まず相手と戦って、後から質問するという直接的な行動を頻繁にとった。コーラーは自身の戦闘能力に関して自信を持っていたため、外交についての彼の考え方は、敵に身を引くよう命令するか、成行きに任せるというものになったのだった。コーラーは、厳し戦士として知られていた。
こうした性格だったにもかかわらず、コーラーは一般的に、ジェダイ最高評議会の席を獲得できるほど十分に優れたジェダイであると考えられていた。コーラーは評議会の命令にきわめて忠実であり、彼らの知識を疑うことはなかった。そして彼らの決定は無条件に信用した。それにも拘わらず、彼は評議会に対して無口に賛同していたわけではない。頻繁に意見や提案、異議を口にしていた。ジェダイの大きな義務は共和国に対するものであるというのがコーラーの信念であり、そのため彼はジェダイがクローン戦争に関わることを支持していた。
コーラーは仲間のジェダイたちの良いところを強く信用していた。そのため、クインラン・ヴォスなどのジェダイがフォースのダークサイドに転向したことを、受け入れがたく感じていた。ヴォスと対峙した時も、何度もヴォスと戦ってきたにも関わらず、コーラーは彼に重傷を負わせることに不本意だった。コーラーは「ジェダイの兄弟」に対し、攻撃的な性格を前面に出すよりも、思いやりのある対処をしようと望んでいたのだ。
力と能力
エージェン・コーラーは戦闘においてフォース・プッシュを使うことを好み、この技術を相手に対して突然使うことで知られていた。しかし、むしろ彼は熟練したライトセーバーのデュエリストとして良く知られていた。ジェダイ・オーダーの歴史上もっとも偉大なデュエリストとして知られるメイス・ウィンドゥも、コーラーの能力がかなりのものであると考えていた。ジェダイ評議会は、姿を現したシス卿にしっかりと対抗できるのは、ウィンドゥとコーラーだけだと感じていた。
コーラーはただライトセーバーの才能を享受していただけではなく、武器を使わない戦闘にも長けていた。実際彼は、ナー・シャッダのカンティーナで、怒った客の集団とライトセーバーなしで危なげなく戦っていた。コーラーは、相手を殺したり再起不能にすることなく、戦いによって問題を解決することができた。コーラーは身体的な戦闘技術を、ライトセーバー戦闘の中に織り交ぜて戦った。特に、愛艇に対してハイ・キックを加えることを好んでいた(もっとも、彼はこの攻撃を武器を使わない戦闘でも好んで使用した)。戦闘技術に加え、コーラーは熟練したライトセーバー職人であると考えられていた。
制作の舞台裏
エージェン・コーラーはもともと、ジェダイ・マスター・イース・コス(1999年の映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』に登場)として登場したキャラクターだった。本来コスを演じていたハサニ・シャピーが撮影に参加できなかったため、タクス・アキンドイエーニが役を演じることになったのだが、アキンドイエーニの顔の特徴、肌の色、メイクアップ、ヘアスタイルは、ハサニ・シャピーのものと顕著に異なっていた。特に、シャピーの演じたコスは顔に目立つタトゥーを入れられていたのに、アキンドイエーニにはそれがなかった。そのため、アキンドイエーニが演じたキャラクターは、イース・コスとは別人の、エージェン・コーラーとみなされるようになったのである。新しく誕生したコーラーは、新3部作の作品、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』に登場し続けることになった。後者においては、このキャラクターの死が描かれている。
このキャラクター変更によって、その後の何年かコーラーとコスを混同するという複数のミスが生まれることになった。『Power of the Jedi Sourcebook』(未邦訳)の記事の中で、コーラーの画像がコスとして紹介されているのも、そうした間違いの1つである。また、『Episode III Revenge of the Sith: Illustrated Screenplay』(未邦訳)では、アナキン・スカイウォーカーが初めて最高評議会に出席した時、同じく会議に参加していたコーラーを、イース・コスと呼んでいる。その後の登場場面においては、正しくエージェン・コーラーと呼ばれている。『メイキング・オブ スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』もまた、いくつかの写真でコーラーを誤って紹介している。
ザブラクのジェダイ最高評議会メンバーが、テレビ・シリーズ『スター・ウォーズ クローン戦争』ボリューム2のチャプター21、22に登場した時、外見は紛れもなくイース・コスだが、エージェン・コーラーとしてクレジットされるという大きく明確な間違いが起きた。コスはもともとジオノーシスの戦いで死んだという設定だったが、最近になって設定が変更されている。StarWars.comのデータバンクによると、コスのキャラクター・デザインがクローン戦争シリーズで使用されたということであり、のちにコス自身は『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』テレビシリーズに登場している。
『クローンの攻撃』やその他の作品において、コーラーのライトセーバーの色は緑色だったが、『シスの復讐』では青色になっている。映画の小説版ではライトセーバーの色がそれまでと同様緑と言及されており、コミック版でも緑であるため、映画製作の比較的ぎりぎりのところで、青色に偏向されたのだと思われる。『シスの復讐』以外で、コーラーのライトセーバーが緑色でないのは、『クローン戦争チャプター22』である。この話に登場したコーラーは、イース・コスと似た外見で、赤いライトセーバーを持っていた。
『シスの復讐』の小説版において、パルパティーンとの戦いで最初に殺されたのはコーラーではない。小説版では、彼とティンが最高議長を逮捕するためその机に近づき、ウィンドゥとフィストーはドアで待っていた。パルパティーンが不意打ちでティンの首を刎ね、直後にコーラーの頭部を(映画では胸だった)突き刺した。映画と矛盾するため、これは非正史であると思われる。『Star Wars: Head-to-Head Tag Teams』(未邦訳)においてコーラーの身長は1.9メートルとされているが、『Star Wars Character Encyclopedia』(未邦訳)では1.7メートルとしている。
コーラーは『Star Wars Tales 14』(未邦訳)の『The Lesson』に少しだけ登場している。このコミックでは、彼がジオノーシスのペトラナキ・アリーナで戦っている場面を描いている。このコミック中のいくつかの要素は、リーランド・チーのブログで正史と認められているが、コミック全体としての設定の正当性は不確かである。
スター・ウォーズ・インサイダー『エピソード3』特集号の日本オフィシャル『スター・ウォーズ』アイテム・カタログでは、エージェン・コーラとされている。また、『フォース・アンリーシュド ダース・ヴェイダーの弟子』ではエイジェン・コーラーとされている。
登場作品
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参考資料
- スター・ウォーズ 全史
- 週刊スター・ウォーズ ファクトファイル
- スター・ウォーズ キャラクター&クリーチャー完全保存版
- スター・ウォーズ・インサイダーEX
- スター・ウォーズ・インサイダーEX クローン大戦スペシャル・イシュー(画像のみ)
- スター・ウォーズ・インサイダー『エピソード3』特集号
- スター・ウォーズ キャラクター事典
- Agen Kolar - 旧データバンク (リンク無効; バックアップ)
- Agen_Kolar ‐ Wookieepedia