- 「この星は内側から腐っている」
- ―アナキン・スカイウォーカー[出典]
ジオノーシス(Geonosis)、別名ジオノーシア(Geonosia)はアウター・リム・テリトリーのアケニス宙域に属した砂漠の惑星である。月と彗星の衝突によってできた巨大な小惑星帯のリングに囲まれ、地表には岩石の荒野と砂漠が広がっていた。ジオノーシスはバトル・ドロイド製造技術の高さで有名な昆虫型知覚種族ジオノージアンの母星で、他にも過酷な環境に適応したさまざまな動物が生息していた。
銀河共和国末期、ポグル・ザ・レッサー大公率いるジオノージアンがドゥークー伯爵の独立星系連合に加盟すると、ジオノーシスのスタルガシン・ハイヴは分離主義勢力の最初の首都となった。ポグル大公はシスの暗黒卿ダース・シディアスの後押しを受けてドロイド工場を管理・運営し、何百万というバトル・ドロイドを分離主義勢力ドロイド軍に提供した。分離主義危機の末期、ジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービがドロイド軍団の存在を突き止めると、クローン戦争の初戦であるジオノーシスの戦いが発生した。この戦いでは大勢のジェダイが命を落としたが、共和国グランド・アーミーのクローン・トルーパーが初めて実戦で活躍し、分離主義者とジオノージアンは敗北を喫した。戦争中、ジオノージアンは共和国が手綱を緩めた隙を狙って再び蜂起したが、共和国はポグル大公を逮捕して第二次ジオノーシスの戦いにも勝利を収めた。
ジオノーシスは惑星破壊超兵器デス・スターの建造地に選ばれた。シディアスはクローン戦争が終わらないうちからデス・スター建造計画を開始し、銀河帝国を創設して皇帝となった後も、最先端の技術と大量の労働力をジオノーシスへ送り込んだ。移動可能になったデス・スターがジオノーシスを離れた後、帝国はこの惑星を“浄化”し、昆虫種族の住民をほとんど皆殺しにした。
特徴[]
- 「見て。ここからだとジオノーシスは1パーセクもかからないわ」
- ―パドメ・アミダラ[出典]
概要[]
惑星ジオノーシスはアウター・リム・テリトリーのアケニス宙域、ジオノーシス星系に属し[1]、ギャラクティック・コアから43,000光年離れていた。ジオノーシスの直径は1万1,370キロメートルで、エアという名前の太陽を好転し、1年の長さは256標準日だった。ジオノーシスには15の衛星があり、そのうち4つは大型で、他は小さかった。[2] 衛星の1つはバーリンという名前で、氷原が広がる極寒の月だった。[3] ジオノーシスは惑星タトゥイーンから1パーセク未満の距離にあった。この惑星は昆虫型知覚種族ジオノージアンの母星で、人間でも呼吸可能な大気を有していたが、気候は乾燥していた。[1][5]
ジオノーシスの地表は岩の多い苛酷な砂漠に覆われ、メサや切り立った丘、山脈が点在した。[1][5] 地表に占める水域の割合はわずか5%しかなかったが、危険な洪水が頻繁に発生した。[2] ジオノーシスは地面も空も赤みがかった色で、時おり前も見えなくなるくらい激しい砂嵐が吹き荒れた。[8]
ジオノーシスの軌道には、衛星と彗星が衝突した際にできた巨大な小惑星帯のリングが浮かんでいた。砕け散った彗星のかけらは何千という小惑星になり、しばしば隕石となって地表へ降り注いだ。[2]
住民[]
惑星ジオノーシス出身の昆虫型知覚種族ジオノージアンは、バトル・ドロイド製造技術の高さで銀河に知られていた。[1] ごく少数の女王から大勢の個体が生み出されるジオノージアンは、女王、翼を持つ貴族、空を飛べないドローンの3階層に分かれ、ハイヴ(“群れ”や“巣”の意)単位で生活を送った。女王とハイヴは一蓮托生で、女王が死ねば、そのハイヴも見捨てられた。各ハイヴはそれぞれ尖った塔のような巣を築き、地下に巨大な地下墓地のトンネル網をつくっていた。[2] 銀河帝国による大規模な虐殺が行われる以前[9]、ジオノーシスには1,000億人ものジオノージアンが居住していた。[2] ジオノージアンの娯楽はペトラナキ・アリーナにおける残酷な見世物で、無力な犠牲者が獰猛なクリーチャーに殺される姿を見るために大勢の観衆が円形闘技場に押しかけた。[1]
生態系[]
ジオノーシスで進化を遂げたクリーチャーは、厳しい環境を生き抜くための強い生命力を備えていた。[6] 捕食動物のマーデスは知的生物を襲撃して食い殺してしまうことがあった。敏捷なオーレイはジオノージアン・ピカドールの騎乗用クリーチャーとして飼いならされ、闘技場のアリーナで活躍した。寄生生物フィドナの糞は、ジオノージアンが尖塔をつくる際の建材として利用された。[2] ブレイン・ワームは宿主をマインドコントロールすることができる寄生虫で、鼻や耳から知的生物の体内に侵入した。ジオノージアンの女王は、ブレイン・ワームを通して死者すら思いのままに操ることができた。[8] その他、ジオノージアンは闘技場アリーナの娯楽のために外部からさまざまなクリーチャーを持ち込んでいた。銀河共和国時代末期、ペトラナキ・アリーナではアクレイ、ネクスー、リーク、モングワーストといった猛獣が飼育されていた。[2]
歴史[]
古代[]
古代、彗星がジオノーシスの月に衝突し、惑星の周囲に小惑星帯のリングが形成された。
クローン戦争[]
ジオノーシスの戦い[]
銀河共和国末期、ポグル・ザ・レッサー大公に率いられたジオノージアンはドゥークー伯爵の独立星系連合に加盟した。ジオノーシスのドロイド工場を管理していたポグル大公は、シスの暗黒卿ダース・シディアスに後押しされ、何百万というバトル・ドロイドをトレード・フェデレーションや分離主義勢力ドロイド軍に提供した。[1] ドロイド工場のあるスタルガシン・ハイヴは分離主義勢力の最初の首都となり[2]、分離主義危機のさなかにドゥークー伯爵と独立星系連合の幹部たちによる会合が開かれた。トレード・フェデレーションのヴァイスロイ・ヌート・ガンレイ、インターギャラクティック銀行グループのサン・ヒル会長、コマース・ギルドのシュ・マーイ会頭、テクノ・ユニオンのワット・タンバー監督者、コーポレート・アライアンスのパッセル・アージェンテ監督官、アクアリッシュのポ・ヌードー元老院議員らがスタルガシン・ハイヴの尖塔に集まり、大規模なドロイド軍創設に関する話し合いを行った。[5]
同じ頃、パドメ・アミダラ議員の暗殺未遂事件を調査していたジェダイ・ナイトのオビ=ワン・ケノービが、賞金稼ぎジャンゴ・フェットを追ってカミーノからジオノーシスへやって来た。惑星上空の小惑星帯でフェットとドッグファイトを繰り広げた後、ケノービはジオノージアンの建物に忍び込んで分離主義者たちの会議を盗み聞きし、彼らが戦争の準備をしていることを知った。ジェダイ最高評議会に警告を発した後、ケノービはバトル・ドロイドに拘束された。ケノービを助けに来たパダワン・アナキン・スカイウォーカーとアミダラ議員もジオノージアンに捕まり、ポグル大公から死刑を宣告された。一方、共和国元老院ではジオノーシスからの報告を受けて正規軍の創設が決議された。ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥはケノービを救出するため200名のジェダイを率いてジオノーシスへ向かい、グランド・マスター・ヨーダは共和国のために創られたクローン・トルーパーを受領するためカミーノへ発った。[5][13]
ポグル大公はケノービ、スカイウォーカー、アミダラを見世物にしてペトラナキ・アリーナに大観衆を集め、処刑場に獰猛なクリーチャーを放った。処刑のさなか、ウィンドゥ率いるジェダイの攻撃チームがアリーナになだれ込んだが、ドゥークー伯爵はバトル・ドロイドの大軍を投入して応戦し、戦場は大混乱になった。戦闘中、ジャンゴ・フェットはウィンドゥとの対決に敗れて命を落とした。多勢に無勢のジェダイは劣勢を強いられ、最後まで戦い抜いた数十名も処刑場の中央でバトル・ドロイドに包囲された。[5]
ドゥークー伯爵がバトル・ドロイドに生存者の抹殺を命じようとした時、ヨーダ率いるLAAT/iガンシップ部隊がアリーナの上空に姿を現した。クローン兵士はアリーナから生存者を救い出し、バトル・ドロイドを次々と破壊した。戦場はアリーナの外の荒野に移り、ジェダイは実戦配備されたばかりのクローン・トルーパーを指揮して分離主義勢力と戦った。連合の幹部たちはジオノーシスから引き上げ、ポグル大公はシディアスのために作成していた究極兵器の設計図をドゥークーに預けた。その後、ドゥークーはケノービやスカイウォーカーをライトセーバーの対決で破り、かつての師匠であるヨーダの攻撃を凌いでジオノーシスから逃げ去った。ジオノーシスの戦いは共和国の勝利に終わったが、この戦いをきっかけにクローン戦争の火ぶたが切られ、戦火は銀河系各地へと広まった。[5]
共和国による再征服[]
戦争中、ラッシュ・クローヴィス議員と銀行グループの出資により、ジオノーシスで新しいドロイド工場の建造が進められた。アミダラ議員の調査でその事実を突き止めた共和国は[14]、ジオノーシスの再征服作戦を開始する。ウルフ・ユラーレン提督、ジェダイ将軍キ=アディ=ムンディ、ケノービ、スカイウォーカー率いる共和国軍がジオノーシスへ派遣されたが、彼らは大気圏突入直後にナンテックス級領域防衛スターファイターや対空砲の激しい抵抗に遭い、着陸するまでに大勢の犠牲者を出した。ユラーレンが上空で航空戦を繰り広げる間、地上部隊はキ=アディとクローン・コマンダー・ジェット、ケノービとコマンダー・コーディ、スカイウォーカーとキャプテン・レックスおよびパダワン・アソーカ・タノの3隊に別れ、ドロイド工場のレイ・シールド発生装置付近にある再集結地点を目指した。キ=アディとケノービはこの戦いで負傷したが、ユラーレンが派遣したBTL-B Yウイング・スターファイター/ボマーの爆撃チームに窮地を救われた。攻撃目標のレイ・シールド発生装置を撃破した後、キ=アディとケノービは治療のためヴェネター級スター・デストロイヤーに戻った。[15]
スカイウォーカーとタノは遅れてやって来たジェダイ・マスター・ルミナーラ・アンドゥリ、パダワンのバリス・オフィー、コマンダー・グリーの第41精鋭兵団と合流し、ドロイド工場攻略を開始した。マスターたちがドロイド工場に正面攻撃を仕掛け、TX-21が送り出した新型兵器スーパー・タンクを引きつけている隙に、2人のパダワンは地下墓地を通って工場施設の内部に潜入した。2人は命を捨てる覚悟で反応炉を直接攻撃し、粉々に吹き飛んだドロイド工場の下敷きになったが、スカイウォーカーの懸命の捜索によって救出された。[16]
その後、アンドゥリは工場から逃亡したポグル・ザ・レッサー大公を捜索し、プロゲイト寺院にたどり着いた。寺院は共和国の爆撃で破壊されていたが、建物の地下にはカリーナ・ザ・グレート女王の率いる秘密のハイヴが存在した。カリーナはジオノーシスのブレイン・ワームを使って死者を操り、ゾンビの軍団をつくり上げていた。女王はワームをジェダイに寄生させて戦力に加えようと企んでいたが、寺院に駆け付けたケノービ、スカイウォーカー、第212突撃大隊がアンドゥリを救出した。カリーナの帝国は地盤の崩落によって滅び、ポグル・ザ・レッサー大公は共和国軍に逮捕された。[8]
戦いが終わった後、ポグル大公はスター・デストロイヤーでコルサントへ護送された。一方、2人のパダワンとタンゴ中隊の乗るペルタ級フリゲートTB-73は、オード・セスタス医療ステーションを経由して惑星ダントゥインの戦場へ医薬品を届けるよう命じられた。航行中、ジオノーシスでクローン兵士に寄生していたブレイン・ワームが他の乗組員を洗脳し始めたが、スカイウォーカーがポグル大公から聞き出したワームの弱点をタノに伝え、最悪の事態は免れた。[17] ポグル大公はコルサントの共和国軍事作戦センターに収監されたが[18]、のちに自由の身となった。[19]
帝国時代[]
デス・スター建造[]
クローン戦争終結時、銀河共和国はシスの暗黒卿ダース・シディアスが支配する専制主義国家、銀河帝国へ生まれ変わった。独立星系連合は戦争に敗北し、ジオノーシスのポグル・ザ・レッサー大公を含む分離主義勢力の幹部たちは惑星ムスタファーでシディアスの弟子ダース・ヴェイダーに暗殺された。
ポグル大公を失ったことでジオノージアンの立場は不安定なものとなった。ハイヴの女王は大公の後継者を指名したが、実質的に帝国に従属する形に過ぎなかった。[20] この頃、ジオノーシスの上空では既にデス・スターの建造が始まっていた。[19] 帝国はジオノーシスの軌道に数基の建造モジュールを配備し[21]、さまざまな種族からなる奴隷をバトル・ステーション建造現場で働かせた。[12]
クローン戦争終結時にモフに昇格したウィルハフ・ターキンは、帝国の最高機密作戦に参加することになり、皇帝とともにジオノーシスを訪れた。この時点で、デス・スターの球状シェルとレーザーフォーカス盤は完成間近の状態だった。また、帝国はジオノーシス上空に浮かぶ小惑星で採掘活動を試みたが不可能だと判明し、デス・スター建造に必要な物資は護衛船団によって現場へ届けられることになった。ジオノーシスへの補給には、惑星ピーにある帝国コンテナ・ステーションやランパート・ステーション、センチネル基地といった軍事施設が利用された。戦争終結から2年後、モフ・ターキンはドッド・ランシット中将の後釜としてセンチネル基地の司令官に任命され、ジオノーシス周辺にある補給地や前哨地の指揮権を与えられた。それから3年の間、ターキンの監視の目を逃れてジオノーシス周辺領域の通過に成功したグループは1つもなかった。また、宇宙軍情報部や帝国保安局もジオノーシス計画の情報漏えい防止に努めた。[11]
クローン戦争終結から5年後、センチネル基地がバーチ・テラー率いる反乱分子によって襲撃された。帝国の基地が海賊や反体制派の攻撃を受けることは珍しくなかったが、厳戒態勢が敷かれたジオノーシスにこれほど近い場所が攻撃を受けるのは初めてのことだった。ターキンは反乱分子を撃退したが、皇帝によって首都惑星コルサントへ呼び戻され、帝国統治評議会や統合本部の会合に出席した。その後、ダース・ヴェイダーと共に事件を調査したターキンは、宇宙軍情報部のランシット中将が反乱分子に内通していたことを突き止める(反乱分子はジオノーシスで何が製造されているのか正確に把握していなかったが、帝国の活動を妨害し続けることで、銀河市民に警鐘を鳴らそうとしていた)。ランシットはヴェイダーに処刑され、反乱分子はガルフ・オブ・タトゥイーンでジオノーシスへ向かう補給戦を襲撃していたところを、ターキンの艦隊に打ち破られた。[11]
センチネル基地襲撃に端を発する一連の事件が終わった後、ターキンはオーバーセクター・アウターを統治する初代グランドモフに任命され、デス・スター計画全体を統括する監督者となった。彼はジオノーシスへの物資輸送体制を強化し、あらゆる通信手段を厳しく監視した。建造現場の作業員は、請負業者、雇用人、奴隷の別を問わず、外部との接触を制限された。ジオノーシス近隣星系には、パトロール用の小型艦隊が配備された。[11]
ジオノーシスの浄化[]
バーチ・テラーの反乱以降、デス・スターはジオノーシスから移動した。[21] 銀河帝国はこの惑星でジオノージアン種族の“浄化”を行い、人口の大部分を虐殺した。[9]
ヤヴィンの戦いの3年前、反乱ネットワークはジオノーシス上空に浮かぶ建造モジュールに関する情報を入手し、<ゴースト>の反乱者たちを現地へ派遣した。ジオノーシスに到着した直後、反乱者のアストロメク・ドロイドC1-10Pはジオノーシスをスキャンし、惑星上に生命が存在していないことを突き止めた。反乱者たちは調査のためモジュールに乗り込んだが、そこで保安局エージェント・アレクザンダー・カラスによる待ち伏せに遭う。<ゴースト>のクルーはストームトルーパーやAT-DPウォーカーを倒してモジュールから脱出したが、カラスと戦っていたガラゼブ・オレリオスは逃げ遅れてしまった。オレリオスとカラスは揉み合いの末同じ脱出ポッドに乗り込み、氷の月バーリンに不時着する。2人は助けを待つあいだ一時休戦し、寒さや猛獣ボンザミから生き残るため力を合わせた。翌日、2人はそれぞれの仲間によって救出された。[21]
ヤヴィンの戦いの直後、皇帝に不信感を抱いていたダース・ヴェイダーは、盗賊考古学者のドクター・チェリ・ローナ・アフラやアサシン・ドロイドBT-1と0-0-0を味方につけ、自分だけに忠実なバトル・ドロイド軍団をつくるためジオノーシスを訪れた。ジオノージアンは浄化によってほぼ全滅していたが、1人の女王が虐殺を生き延び、個体数を回復させるためドロイド製造装置の“子宮”を使って機械の子供を生み続けていたのである。ヴェイダーたちは工場がある地下洞窟へ攻め入り、機械の兵士を蹴散らして女王の子宮を強奪した。ヴェイダーが製造装置を確保した後、アフラの<アーク・エンジェル>が洞窟の天井に穴を空け、ヴェイダーのJタイプ327ヌビアンが巨大なクレーンを使って装置を運び出した。その後、ドロイド製造装置はヴェイダーのためにBXシリーズ・ドロイド・コマンドーの軍隊を生産した。[9]
登場作品[]
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