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ネタバレの予感がする…

※ネタバレ注意:このページは『スター・ウォーズ 反乱者たち』日本未公開エピソードからの大きなネタバレ情報を含みます。

「かつて俺は銀河一強い力の主の弟子だった。そしてそれを越える存在になるはずだった」
―ダース・モール[出典]

ダース・モール(Darth Maul)は男性ダソミリアンザブラクで、銀河共和国の衰退期を生きたシス卿である。帝国時代ダースの称号を捨て、単にモールと名乗った。モールは惑星ダソミアの魔女マザータルジンの息子として生まれ、ナイトブラザーの部族で育ったが、シスの暗黒卿ダース・シディアスの目に留まり、彼のシス・アプレンティスに選ばれた。ライトセーバーの戦闘技術を学んだモールは、自ら組み立てたダブル=ブレード・ライトセーバーを使いこなす無慈悲なシスの暗殺者へ成長する。

32 BBY、シディアスの策略のもとトレード・フェデレーションによる惑星ナブー侵略が始まった際、モールはフェデレーション占領下のナブーから逃げ出したパドメ・アミダラ女王の捜索任務に派遣された。彼は女王を追って砂漠の惑星タトゥイーンにたどり着いたが、女王を護衛していたジェダイ・マスタークワイ=ガン・ジンとの対決は引き分けに終わり、逃走を許してしまった(ジェダイがシスと遭遇したのは、過去千年の歴史の中でこれが最初のことだった)。女王がジェダイを連れて再び故郷へ戻ると、シディアスはモールをナブーへ派遣した。モールはナブーの戦いでジンを殺害したが、その弟子であるオビ=ワン・ケノービに敗北する。モールは体を真っ二つに切り裂かれ、反応炉のシャフトの底へ落下していった。

ジェダイとシスの双方がダース・モールはナブーで死んだと思い込んだ。しかし、彼は腰から下を失った状態でなんとか生き残り、アウター・リム・テリトリーへ流れ着く。モールは機械でできたクモのような脚を手に入れ、惑星ロソ・マイナーの廃棄場の山の中でかろうじて生き延びたが、敗北の苦しみと強い復讐心によってほとんど正気を失っていた。20 BBY、モールの弟サヴァージ・オプレスがロソ・マイナーにやってきた。モールがまだ生きていることを知っていたタルジンが、オプレスに兄の捜索を命じたのである。ダソミアへ連れて行かれたモールは、タルジンの魔術で正気を取り戻した。ケノービに対する復讐を目標に、モールとオプレスは第三勢力としてクローン戦争に参加した。

復讐計画の一環として、モールは闇社会の勢力をひとまとめにしたシャドウ・コレクティヴを組織する。惑星マンダロアから追放された戦士団、デス・ウォッチもモールと同盟関係を結んだ。マンダロアの占領に力を貸した後、モールはデス・ウォッチの首領プレ・ヴィズラを一対一の決闘で破り、ダークセーバーと首領の座を奪った。彼はケノービに復讐を果たすため、ジェダイの古い友人で、マンダロアの統治者だったサティーン・クライズ女公爵をダークセーバーで殺めた。モールはマンダロアの影の統治者となったが、彼の計画は弟子の生存を知ったダース・シディアスによって挫かれた。シディアスはオプレスを殺し、タルジンを誘き寄せる餌にするためモールを生け捕りにした。

スパイア刑務所から脱獄したモールは、惑星ザンバーでシャドウ・コレクティヴを再集結させ、分離主義勢力に戦いを挑んだ。タルジンの命令に従い、モールはシディアスの弟子ドゥークー伯爵グリーヴァス将軍オード・マンテルに誘い出した。タルジンの作戦は成功し、伯爵と将軍はシャドウ・コレクティヴの捕虜になった。共和国軍による襲撃が行われた際、将軍は混乱に乗じて逃亡したが、伯爵はモールと一時的に手を組んだ。モールはドゥークーが仲間になったふりをしているだけだと気付いていたが、彼をタルジンの儀式の生け贄にするため、ダソミアへ連れて行った。タルジンはドゥークーの肉体を乗っ取り、モールと共にシディアス、グリーヴァスと決闘を繰り広げた。敗北を悟ったタルジンは、モールを逃がすため自らを犠牲にした。シャドウ・コレクティヴは分離主義勢力の攻撃で崩壊し、モールの権力基盤は失われた。

クローン戦争終結後、モールは銀河帝国皇帝となったシディアスや、彼の新しい弟子ダース・ヴェイダー、皇帝の手下尋問官たちと敵対した。帝国時代、モールはシス・テンプルに眠る力を求めて惑星マラコアへ旅し、エズラ・ブリッジャーと出会う。マラコアの事件の後、モールはエズラを利用してジェダイ・ホロクロンシス・ホロクロンの力を結合することに成功し、強力なフォース・ヴィジョンによって、仇敵オビ=ワン・ケノービがオーダー66を生き延びていたことを突き止める。その後、彼は故郷ダソミアで魔法の儀式を行い、ケノービの居場所のヒントを得た。モールは砂漠の惑星タトゥイーンでケノービを見つけ出し、長年にわたる復讐の旅に終止符を打った。対決は一瞬で片が付き、敗れたモールはケノービの腕の中で息を引き取った。

経歴

生い立ち

YoungDarthMaulSidious

シディアスと出会った若きモール

モールはマザータルジンの息子としてアウター・リム・テリトリーの惑星ダソミアに生まれた。[8] ダソミリアンザブラクのモールはナイトブラザー部族の一員として育ち、サヴァージ・オプレスという名の血を分けた弟と、フェラルという名の弟(血縁関係は不明)がいた。[9][10] タルジンはモールとオプレスがまだ1歳にならないうちに最初のタトゥーを入れた。[11] モールが幼い頃、マザー・タルジンはシスの暗黒卿ダース・シディアスと手を組み、それぞれ知恵と力を提供し合った。しかし、シディアスはタルジンの幼い息子に可能性を見出し、タルジンをシス・アプレンティスにするという約束を破ってモールを連れ去った。[8] モールはシス・マスターのもとで一対一の訓練を受け、強力な戦士へと成長した。[3]

フォースダークサイドの力を身につけたモールは、シスの歴史上もっとも効果的に訓練されたシス卿となった。無慈悲な暗殺者へと鍛え上げられたモールは、かつてシスを敗北に追いやったジェダイ・オーダーに対して復讐心を燃やすようになった。モールは数年間にわたる厳しい特訓を積み、自ら作成したダブル=ブレードライトセーバーを使いこなすようになる。マスターのために任務を遂行する際、モールはリパブリック・サイナー・システムズ社が製造したスター・クーリエの改造型、<シミター>を個人用宇宙船として使用した。[3]

シディアスの弟子

ジェダイとの接触

Darth Maul vs Rathtar

ラスターを狩るダース・モール

ジェダイ・オーダーを倒すため緻密な計画を練っていたシディアスは、適切な時期が来るまでジェダイと接触することを弟子に禁じていた。32 BBY以前、モールは猛獣ラスターを狩るためジャングルの惑星トウォン・ケティーを訪れる。ラスター狩りに失敗したビッグ・ゲーム・ハンターのチームが全滅するのを見守った後、モールは1本だけを手にラスターに挑みかかった。モールはラスターの強靭な触手を斧で切り裂き、胴体部分を真っ二つにして撃退した。すると同じ群れに属す別の2匹がジャングルの中から姿を現したが、彼はそのうち1匹を斧で殺し、もう1匹は木の下敷きにして退治した。その後、銀河共和国首都惑星コルサントに戻ったモールは、アンダーワールドジェダイの師弟(カト・キインとそのパダワン)を発見する。彼はしばらく路地裏から2人を見守ったが、ジェダイと接触してはならないというシディアスの言いつけを守り、闇に姿を消した。[12]

ナブーの侵略

「ついにジェダイの前に姿を見せる時が。復讐の時が来ました」
―ダース・モール[出典]

32 BBY、長いあいだジェダイへの復讐を待ち望んでいたダース・モールは、ついに共和国の支配とジェダイ打倒を目標とした計画の実行を任された。シディアスは惑星ナブー代表のシーヴ・パルパティーン元老院議員として銀河元老院に地位を築き上げており、トレード・フェデレーションを影から利用してナブー危機を引き起こした。暗黒卿の指示のもと、フェデレーションは共和国による貿易ルートへの課税に抗議し、ナブーの軌道を包囲する。フィニス・ヴァローラム最高議長は事件を平和的に解決するためジェダイ・マスタークワイ=ガン・ジンとその弟子オビ=ワン・ケノービを現地に派遣した。フェデレーションのヴァイスロイを務めるニモーディアンヌート・ガンレイはジェダイの暗殺を試みたが失敗し、ナブーのパドメ・アミダラ女王はジェダイの協力を得て惑星から脱出した。[4]

JedivsSith

タトゥイーンの対決

ナブー侵略を合法化するには協定書にアミダラのサインが必要だったため、シディアスはモールに女王の捜索任務を与えた。ナブー・ロイヤル・スターシップに送信されたシオ・ビブル総督のメッセージを逆探知することで、モールは女王がアウター・リム・テリトリーの惑星タトゥイーンにいることを突き止める。マスターの指示のもと砂漠の惑星へ旅したモールは、DRK-1プローブドロイドを使ってアミダラを捜索した。モールが船の場所を特定した時、女王とジェダイはタトゥイーンを立ち去る直前だった。モールはスピーダー・バイクブラッドフィン>で砂漠を駆け抜け、女王の宇宙船に乗り込もうとしていたクワイ=ガン・ジンとアナキン・スカイウォーカー少年を襲撃した。ジンはスカイウォーカーを宇宙船へ走らせ、すぐに離陸に取りかからせるよう命じる。シス卿とジェダイ・マスターは激しいライトセーバー戦を繰り広げたが、決着はつかず引き分けに終わった。ジンは離陸したロイヤル・スターシップのタラップに乗り込み、砂漠にシス卿をひとり残して逃げ去っていった。ダース・モールによる襲撃は、ジェダイにとって千年ぶりとなるシスの暗黒卿との遭遇だった(ただしジェダイ最高評議会はシスの復活に懐疑的だった)。この時点でモールは知らなかったが、ジンがタトゥイーンから連れ出したスカイウォーカー少年は、フォースにバランスをもたらす存在として予言された“選ばれし者”だった。[4]

タトゥイーンの対決の後、共和国の首都コルサントに到着したアミダラは、陰謀の黒幕とは知らずパルパティーン議員と対面した。シディアスの計画通り、アミダラはヴァローラム議長に不信任案を提出し、新議長の座を巡る選挙が始まった。選挙中、元老院に愛想を尽かしたアミダラがジェダイを引き連れてナブーへ戻ると、シディアスはモールに彼女たちの後を追わせた。モールがナブーの首都シードでヌート・ガンレイと合流した後、シディアスは彼らに連絡を取り、女王たちに先手を打たせるよう命令した。その後、ナブー人は原住民のグンガンと組んでフェデレーションに挑み、シードから離れた大草原戦いを起こした。しかし、女王率いる小規模なチームは、この戦いを陽動に利用してシード宮殿に潜り込んでいた。[4]

Kenobi Maul clash

オビ=ワン・ケノービと戦うモール

首都でも戦いが始まると、モールはシード・ハンガーでクワイ=ガン・ジンとケノービを待ち受けた。彼はジェダイの師弟を同時に相手にし、剣を交えながら戦場を格納庫から動力発生施設へと移した。戦闘中、モールはケノービを階下の通路へ蹴り落とし、ジンと一対一の勝負に持ち込んだ。モールとジンがレーザーの隔壁で仕切られた区画へ移動したため、ケノービは師匠に助太刀することができなくなった。ケノービが見守る前で、モールはジンの腹部にライトセーバーを突き刺し、致命傷を与える。残る敵はパダワンひとりとなったが、ケノービはシス卿の猛攻をなんとか耐え凌ぎ、ダブル=ブレード・ライトセーバーの柄を両断することに成功した。機能する片方の刃だけで戦い続けたモールは、切り合いの合間にフォースを放ち、ケノービを原子炉シャフトに突き落としたが、パダワンは穴の中のノズルに掴まることでかろうじて落下を免れた。モールはライトセーバーでシャフトの縁を切り、火花を散らして敵を苦しめたが、若きパダワンはこの間も反撃の機会を窺っていた。ケノービはフォースを使って不意に跳躍し、シャフトに落とした自分の武器の代わりにジンのライトセーバーを手許に引き寄せ、一瞬でモールを切り裂いた。胴から真っ二つになったモールの体は、シャフトの深奥へと落下していった。[4]

復活のシス卿

「お前が見つけてくれた時の俺は、醜い野獣の姿で、この世から見捨てられ、忘れ去られていた」
サヴァージ・オプレスに対し、ダース・モール[出典]
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ロソ・マイナーで生き延びていた頃のモール

ジェダイ・オーダーとダース・シディアスはモールが惑星ナブーで死んだと思い込んだが、彼は腰から下を失う重傷を負いつつもなんとか生き延びていた。オビ=ワン・ケノービに敗れて原子炉シャフトに転がり落ちた後、モールはフォースを使って空気の通り道を確保した。彼は憎しみと意志の力によって生きながらえ、廃棄物処理用コンテナの中に入り込む。ぼろぼろになったモールの肉体はアウター・リム・テリトリーへ運ばれ、ごみ処理場の惑星ロソ・マイナーに投棄された。モールは大量のゴミによってできた洞窟の中で生活し、失った下半身の代わりに、廃棄物を組み合わせたクモのような6本脚を手に入れる。この頃、モールはヘビに似たアナコンダン種族のモーレイと取り引きし、食料となる獲物を自分の穴倉の中へ誘い込ませる代わりに、見返りとして分け前を与えていた。ロソ・マイナーにおける過酷かつ悲惨な生活は10年以上続き、モールはその間に怒りと絶望、ケノービに対する復讐心によってほとんど正気を失ってしまった。

ナブーで弟子を失ったシディアスは、元ジェダイ・マスターでセレノー伯爵であるドゥークーを新しいシス・アプレンティスに選び、“ダース・ティラナス”という名前を与えた。一方、当初クワイ=ガン・ジンの報告に懐疑的だったジェダイ評議会は、ナブー危機終結後、彼の考えが正しかったことを認めた。シスの“2人の掟”を知っていたジェダイのグランド・マスターヨーダメイス・ウィンドゥは、モールの他にもう1人シス卿が生き残っているはずだと考えたが、その正体を突き止めることはできなかった。モールがロソ・マイナーでみじめな生活を送る間、銀河共和国はシディアスとドゥークーの陰謀によって分離主義危機に直面し、22 BBYには独立星系連合とのあいだにクローン戦争勃発する。

DarthMaulTCW-SWE

新しい脚を手に入れたモール

シスやジェダイから忘れ去られたモールだったが、マザー・タルジンだけは息子がまだ生きていることを知っていた。クローン戦争まっただ中の20 BBY、タルジンはモールの弟であるサヴァージ・オプレスに魔法の力を持つネックレスを与え、アウター・リムに行けば兄が見つかると教えた。オプレスはネックレスを頼りにモールを捜索し、廃棄場の惑星でモーレイと遭遇した後、兄のもとへたどり着く。オプレスはモーレイを殺し、狂気に陥っている兄をタートル・タンカーに乗せ、故郷のダソミアへ連れて行った。モールは断片的に過去の記憶を覚えてはいたものの、オプレスが誰であるかも分からずにいた。タルジンは魔術を使ってモールの正気を取り戻し、下半身の醜い機械を取り除いた。クモのような6本脚は、スーパー・バトル・ドロイドの部品(ダソミアの戦いの戦場跡地に転がっていた)を利用したヒューマノイド型の2本脚と取り換えられた。治療を終えたタルジンは、モールが完全に意識を取り戻す前に姿を消した。

目を覚ましたモールは、オプレスからクローン戦争の始まりを知らされた。彼は銀河規模の戦争が自分抜きで行われていることや、かつて暗黒卿の弟子だった自分がこれほどまでに落ちぶれてしまったことを嘆いた。モールが仇敵オビ=ワン・ケノービ(いまやマスターに昇格し、ジェダイ最高評議会のメンバーとなっていた)への憎しみを口にすると、オプレスはナブーから回収されたモールのライトセーバーを差し出し、ジェダイへの復讐を果たすときが来たのだと告げる。モールは弟に同意し、ジェダイ・マスターへの復讐を手始めとする大規模な計画に着手した。

クローン戦争

復讐の始まり

「スタートは復讐からだ」
―ダース・モール[出典]
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レイドニアの村でオビ=ワン・ケノービを待ち受けるダース・モール

惑星レイドニアへ赴いたモールとオプレスは、ケノービの注意を引くため罪のない村人たちを虐殺した。モールはジェダイ最高評議会にホログラム・メッセージを送り、村人たちを殺す場面を見せつけ、これ以上犠牲者を出したくなければケノービをひとりで寄こすよう要求した。マスター・ヨーダメイス・ウィンドゥの同意のもと、ケノービは仇敵と対決するため単身レイドニアに向かった。

モールは炎上した村でケノービを待ち受けた。ケノービは目の前に現れた敵がかつて戦ったシス卿と本当に同一人物なのかどうか少し懐疑的だったが、モールはナブーでの出来事を語り、ジェダイに対して恨みを抱き続けてきたのだと語った。その後、モールはオプレスとふたりでジェダイ・マスターを圧倒した。モールはフォースを使ってジェダイのライトセーバーを奪い、オプレスはケノービを気絶させた。

モールとオプレスはケノービをすぐには殺さず、タートル・タンカーの中で痛めつけた。モールはケノービの軟弱さをなじり、彼にジェダイ・マスターの称号は相応しくないと語った。自分が味わったのと同じ苦しみを与えるため、モールはケノービをライトセーバーで切り刻もうとしたが、アサージ・ヴェントレスの出現によって拷問は中断された。分離主義勢力の幹部から賞金稼ぎに転身したヴェントレスは、オプレスの首に懸かった賞金を追っていた。かつて敵同士だったケノービとヴェントレスは、ダソミアの兄弟を倒すため、思いもよらぬタッグを組んで戦うことになった。

MaulVsKenobi-Revenge

タートル・タンカーにおける対決

ケノービはヴェントレスのライトセーバーを借り、タートル・タンカーの狭い船倉で2対2のライトセーバー戦が始まった。戦闘中、ケノービはモールから自身のライトセーバーを取り戻した。ケノービとヴェントレスは形勢が自分たちに不利だと判断し、船のコックピットへと退却した。モールとオプレスはコックピットのドアを光刃で切り開こうとしたが、ケノービは間一髪のタイミングで船首部分の脱出ポッドを切り離して発進させた。しかし、モールは仇敵に逃げられても冷静さを失わなかった。彼は弟に、長いあいだ復讐を待ち続けてきた自分にとって、少し先延ばしになることくらい問題ではないと告げた。オプレスはジェダイに追われる立場になってしまったことを心配したが、モールは敵の方からやって来るなら望むところだと答えた。

勢力拡大

「戦い抜くには意志の統一が肝要だ。俺に従え」
「兄弟、力を合わせればいいだろ。俺たちの間で主従関係なんていらない」
「サヴァージ、シスは常にふたりで動く。マスターと弟子がな。当然、弟子はお前だ」
―ダース・モールとサヴァージ・オプレス[出典]
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モールとオプレスは惑星フローラムでジェダイのケノービ、アディ・ガリアと対決した

モールとオプレスはサイブロック星系インターギャラクティック銀行グループが所有する宇宙ステーションを略奪した。ステーションに配置されていたドロイドの警備兵を倒した後、兄弟はクレジットが詰まった金庫を発見した。その後、モールはオプレスに意志の統一の重要性を説き、今後は自分の命令通りに行動するよう指示した。モールは主従関係など必要ないのではないかと主張する弟を力で圧倒し、シスの伝統である2人の掟に従い、自分はオプレスのマスターだと宣言した。

宇宙ステーションの資金を盗み出した後、兄弟はウィークウェイ海賊が活動する惑星フローラムに赴いた。海賊の一部は彼らの部下になることに同意したが、海賊の首領ホンドー・オナカーはモールへの敵対心をあらわにした。モール側に寝返った海賊とオナカーの部下の間に銃撃戦が始まった時、ケノービとマスター・アディ・ガリアがフローラムに到着した。オプレスはライトセーバーの対決でガリアを殺したが、ケノービの反撃で片腕を失った。モールは劣勢を悟って退却を始めたが、オナカーの軍勢から激しい追撃を受けた。逃走中、モールは片方の義肢を破損したが、テレキネシスで崖の上のジェダイ・シャトルを落下させ、逃げ切るための時間を稼いだ。兄弟は船を離陸させたが、海賊のロケット・ランチャーエンジンを撃ち抜かれたため脱出ポッドの使用を余儀なくされた。海賊たちは兄弟が船の墜落時に死んだに違いないと考えたが、ケノービはその見通しに懐疑的だった。

その後コルサントでは、パルパティーン最高議長とジェダイの間でシスの兄弟に関する話し合いが行われた。パルパティーンは銀河共和国にとってダース・モールは直接的な脅威ではないと主張し、ドゥークー伯爵の追跡を優先するよう指示した。この話し合いを受け、ヨーダは再びモールが出現した際に危機に対処すればよいと結論した。

シャドウ・コレクティヴの誕生

「シスはふたり一組と聞いた。マスターとその弟子だ」
「俺たちは兄弟。真のシスの暗黒卿だ」
プレ・ヴィズラとダース・モール[出典]

モールとオプレスはフローラムからの脱出に成功したが、ふたりのポッドは酸欠状態に陥った。彼らは意識を失い、深宇宙をあてもなく浮遊したが、偶然にもプレ・ヴィズラ総督率いるマンダロリアンによって発見された。死にかけた兄弟とライトセーバーを見つけたヴィズラは、もしこのふたりがジェダイの敵ならば自分たちにとっては友だと判断し、部下のボ=カターン・クライズに命じてコムルク級ファイター/トランスポートに運ばせた。モールとオプレスは惑星ザンバーにあるデス・ウォッチのキャンプに連れて行かれることになった。

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ボ=カターンの首を絞め、デス・ウォッチに力を見せつけるダース・モール

ザンバーで医療ドロイドの治療を受けたモールは、タルジンから与えられた脚に代わり、よりヒューマノイドの外見に近い機械の脚を移植された。手術が終わった後、ヴィズラとボ=カターンが彼のもとを訪れた。彼らは意識を取り戻していないオプレスにブラスターを向けてモールをけん制し、さまざまな質問を投げかけた。モールは自分たちがシス卿で、ドゥークー伯爵に仕えているわけではないこと、ジェダイのオビ=ワン・ケノービに恨みがあることをマンダロリアンに教えた。モールの答えに満足したヴィズラは、ドロイドに兄弟の治療を続けるよう命じた。

その後、ヴィズラはキャンプでモールにカシウス・ティーを振る舞った。ヴィズラはデス・ウォッチが平和主義的な新マンダロリアンによって故郷マンダロアから追放されてしまった経緯を説明し、自分たちこそ真の戦士だと主張した。デス・ウォッチは惑星マンダロアを治めるサティーン・クライズ女公爵に復讐心を抱いており、モールと同様、オビ=ワン・ケノービに恨みがあった。互いに共通の敵対者がいることを理解したモールは、この出会いはフォースの意志によるものだと語り、デス・ウォッチへの協力を申し出た。しかし、ボ=カターンはシスなど信用にならないと主張し、ジェダイに負けて死にかけていたモールを嘲った。モールはフォースを使って彼女の首を絞め、銃を向けるマンダロリアンたちを前に、自分の仲間になればマンダロアを奪回しケノービやドゥークーを倒すことも夢では無くなると語った。モールがボ=カターンの首を放し、治療中のオプレスのもとへ戻ると、マンダロリアンたちは今後の方針について話し合った。

モールは目を覚まして興奮状態の弟を落ち着かせ、海賊よりも名誉を重んじる味方が手に入ったと伝えた。モールは名誉を利用することでマンダロリアンを操り、惑星マンダロアを征服した暁には、デス・ウォッチと惑星の資源を自分たちの目的のために使うつもりだった。間もなくヴィズラがモールのいるキャンプに戻り、デス・ウォッチが兄弟との同盟関係を受け入れたと告げた。

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シャドウ・コレクティヴを率いるモール、オプレス、プレ・ヴィズラ

強大な軍隊“シャドウ・コレクティヴ”を築き上げるため、モールは犯罪組織ブラック・サンを味方につけるようプレ・ヴィズラを説得した。モール、オプレス、ヴィズラはデス・ウォッチの部隊を率いて惑星ムスタファーのブラック・サン基地を訪れた。ブラック・サンを治めるファリーンたちは訪問者の無謀な提案を笑い飛ばしたが、オプレスがゾミット・グランセイトを始めとする統治評議会メンバーを一瞬で皆殺しにすると、ブラック・サン護衛隊の隊長を務めるジットン・モジがモールへの忠誠を誓った。モールたちがザンバーに戻った後、パイク犯罪組織もシスの兄弟の傘下に加わった。

ハット・クランを同盟者にするため、モールたちは次にナル・ハッタハット大評議会を訪れた。ハットはモールたちの申し出を拒否し、賞金稼ぎに彼らを始末させようとした。モールたちは一度退却して賞金稼ぎのスギエンボラッツ・ラジィデンガーらを撃退し、再び評議室へと攻め入った。ハットの評議員の大半は既に逃げ出していたが、ボ=カターンの部隊はオルバ・ザ・ハットを捕まえた。モールに脅されたオルバは、惑星タトゥイーンジャバの宮殿へ行けば他のハットが見つかると明かした。モールはオルバを殺して宮殿を襲撃し、ジャバを無理やり味方に付けた。

マンダロア占領

「言ったとおりだ。最も強い者が支配者となる」
―ダース・モールに敗れたプレ・ヴィズラの最期の言葉[出典]

強大な軍隊を手に入れたモールとシャドウ・コレクティヴは、惑星マンダロアの女公爵の政府を転覆させるため作戦を練った。クライズ政権の信頼を失墜させるため、モールは茶番を仕組んでデス・ウォッチをマンダロアの救世主に仕立て上げることに決めた。表向きはモールの提案に従いつつ、プレ・ヴィズラとボ=カターンはマンダロア征服後にシスの兄弟を殺すつもりでいた。しかし、モールも彼らの思惑に感づいていた。モールの作戦に従い、シャドウ・コレクティヴの犯罪者たちは首都サンダーリ攻撃した。

ファイル:Pre vs Maul-SOR.PNG

マンダロアの座をかけて決闘を繰り広げるヴィズラとモール

デス・ウォッチがマンダロアを脅かす犯罪者の脅威に終止符を打った後、市民の支持を得たヴィズラは首尾よく政府を乗っ取った。彼はモールとオプレスを裏切って牢屋に閉じ込めたが、この展開を予想していたふたりは焦らなかった。彼らは刑務所で仲間を探し、かつてクライズによって首相の座を追われたアルメクと知り合った。アルメクはモールとオプレスだけでヴィズラの勢力に立ち向かえるのかと疑問に思ったが、モールは戦士の名誉を逆手に取れば可能だと答えた。

モールはオプレスとアルメクを引き連れて刑務所から脱獄し、プレ・ヴィズラとデス・ウォッチのメンバーがいる謁見室へと攻め入った。モールはヴィズラに、戦士団を率いる“マンダロア”の座を賭けた一対一の決闘を申し込んだ。モールの予想通り、名誉を重んじるヴィズラは決闘を引き受け、勝負の公平性を期すためライトセーバーを返した。モールはさまざまな武器を使ったヴィズラの猛攻撃を凌ぎ、ダークセーバー(古代のマンダロリアンがジェダイから盗んだ武器)を奪って敵の首を刎ねた。決闘を制したモールはマンダロリアンの指導者となったが、ボ=カターンを含む一部のデス・ウォッチは彼を正統なマンダロアとして認めなかった。反体制派が逃げ去った後、モールはアルメクを首相に復帰させ、マンダロアの政治を影から操った。

復讐の達成

「何年ものあいだ貴様のことだけを考えて生きてきた。貴様に会えるその時だけをな。その甲斐があった。ようやく今、完璧な復讐のお膳立てが整った。お前を殺すつもりなど無い。お前に俺の味わった苦痛を味わってもらうぞ、ケノービ」
―ダース・モール[出典]

クーデターの直後、逃走を試みたクライズ女公爵が再逮捕されたが、彼女は捕まる直前にジェダイにメッセージを送っていた。クライズがオビ=ワン・ケノービの古い知り合いであることを知ったモールは、彼女をジェダイ・マスターに対する復讐の道具として利用することに決めた。モールは仇敵を殺すだけで満足とは考えず、自分が味わった苦しみを理解させるため、ケノービの大切なものを奪う必要があると考えていたのである。惑星マンダロアがクローン戦争で中立を宣言していたため、ケノービはジェダイ評議会からクライズ救出作戦の支援を得ることができなかった。ケノービはマンダロアの事件の裏にモールがいることを知らないまま、ひとりで惑星にやってきた。

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ケノービへの復讐の道具となり、モールの手にかかって命を落としたサティーン・クライズ

ケノービは宮殿からクライズを解放し、G9リガー貨物船トワイライト>が停泊している離着陸場へ急いだ。モールの指示のもと、マンダロリアンの兵士はロケット・ランチャーで<トワイライト>を撃墜し、ケノービの逃走を阻止した。墜落する貨物船から脱出したケノービとクライズは、モールとオプレスによって武器を奪われ、再び宮殿へと連れ戻された。

モールは謁見室でクライズの首を絞め、ケノービの怒りを煽った。ケノービはダークサイドに屈することを拒否し、本来モールも自分の意志でダークサイドに加わったわけではなく、ナイトシスターから押し付けられたに過ぎなかったはずだと指摘した(ケノービはモールの生まれ故郷であるダソミアの村を訪れたことがあった)。ケノービの態度はモールの怒りをさらに煽った。モールは10年にも及ぶ苦しみの元凶をつくったのはケノービだと語り、彼もその苦しみを経験するときが来たのだと告げた。次の瞬間、モールはダークセーバーを使ってクライズを殺害した。悲しみに暮れる時間を与えるため、モールはケノービを刑務所へ連行させた。しかし、ケノービはクライズ女公爵の妹ボ=カターンの助けを借りて逃げ出した。

古き師との対決

「シスは常にふたり。そしてそなたは、もはや我が弟子ではない。我には代わりの弟子ができた」
―ダース・シディアス[出典]

ボ=カターンはモール率いるデス・ウォッチに抵抗し、マンダロアで内戦が始まった。そんな中、ケノービやスカイウォーカーの報告でモールの生存を知ったダース・シディアスがサンダーリに到着する。モールが古き師の存在をフォースで感知した直後、シディアスが宮殿の謁見室にやってきた。モールはシディアスに頭を下げ、マンダロアを征服したのも、大規模な軍隊を組織したのも、すべてかつての師匠のもとに戻るためにしたことだと語った。しかし、シディアスはモールの態度に騙されず、ダソミアの兄弟をシスの敵対者とみなしフォースで攻撃した。

SidiousVsNightbrothers-TL

暗黒卿と戦うモールとオプレス

モールとオプレスはライトセーバーを起動し、ふたりがかりでシディアスと戦った。暗黒卿は2本のライトセーバーを使って兄弟を軽くあしらい、フォースを使ってモールを壁に打ち付けた。しばらく気を失っていたモールが再び目を覚ました時、オプレスはシディアスのライトセーバーに胸を貫かれ、建物から突き落とされた。モールは弟のもとへ駆け寄ったが、オプレスは自分のふがいなさを謝って息絶えた。シディアスはモールを挑発し、彼は既に用済みの存在だと言い放った。

モールはライトセーバーとダークセーバーの2刀でシディアスに挑みかかったが、激しい戦闘の結果、武器を失って敗北する。シディアスは無力なモールを壁や床にたたきつけ、完全に屈服させた。モールはかつての師匠に命乞いしたが、フォース・ライトニングによって無慈悲に痛めつけられた。しかしシディアスはモールを殺すのではなく、生け捕りにして別の目的のために利用するつもりだった。シディアスはモールをマザー・タルジンを誘き寄せるための餌に使いたいと考えていたのである。

捕囚と脱獄

マンダロアにおける対決の後、シディアスはモールを惑星スティジョン・プライムへ連れて行き、独立星系連合が運営する刑務所要塞“スパイア”に閉じ込めた。しかし、シディアスの船はデス・ウォッチの部隊によって追跡されていた。囚われたリーダーを救出するため、アルメク首相が忠実な部下を派遣していたのである。独房内で、モールは自分を殺した方が賢明だとシディアスに告げたが、シディアスはかつての弟子を生かしたままさらに利用するつもりだった。2人の会話を遮ってドゥークー伯爵が刑務所に姿を現すと、モールは自分の代わりにシディアスの新しい弟子となった男に怒りのまなざしを向けた。

シディアスとふたりで相談した後、ドゥークーは再びモールのもとに戻ってきた。伯爵はシディアスから、シャドウ・コレクティヴやモールの仲間の情報を聞き出すよう指示を受けていた。ドゥークーは口を割らせるため電撃を与えたが、モールはあらゆる拷問に抵抗し、一切の情報を漏らさなかった。ドゥークーが去っていった後、マンダロリアン・スーパー・コマンドーローク・カストガー・サクソンが刑務所を襲撃し、リーダーの救出作戦を開始した。マンダロリアンの戦士は独房に穴をあけてモールを脱獄させ、デス・ウォッチの宇宙船でスティジョン・プライムから逃げ去った。

DarthMaulGrievousDuel

グリーヴァスとの対決

モールとデス・ウォッチは惑星ザンバーで再集結した。モールから連絡を受けたアルメク首相は、かつて脱獄させてもらったお礼として、彼をスパイア刑務所から救ったのだと語った。再びデス・ウォッチの指揮権を握ったモールは、ダークセーバーを取り戻し、マンダロリアンが長年切望してきた戦いは目前に迫っていると宣言した。その直後、独立星系連合のグリーヴァス将軍率いる軍隊がザンバーにやってきた。グリーヴァスはバトル・ドロイド軍にデス・ウォッチ掃討を命じ、両軍ともに大量の犠牲者を出した。戦闘中、モールはグリーヴァス将軍のマグナガード・ドロイドを4体破壊し、自ら将軍に挑みかかった。しかし彼はサイボーグの将軍を破ることができず、蹴りを食らって後退を強いられた。多くの仲間を失ったモールは、戦士たちに撤退を命じた。モールが助けを求めてマザー・タルジンのもとへ向かうことを期待していたグリーヴァスは、敵の逃亡を許した。

オード・マンテルの罠

Maul Speaks to Talzin Smoke

タルジンと会話するモール

グリーヴァスの予測通り、ザンバーを離れたモールはフォースの導きを頼りにマザー・タルジンと接触をとった。タルジンが緑色のもやの中に姿を現すと、モールはスパイアからの脱獄とザンバーにおける敗北を伝えた。シディアスが自分を罠にかけようとしていることを知っていたタルジンは、モールにブラック・サンの作戦基地がある惑星オード・マンテルへ向かうよう告げた。タルジンはドゥークーとグリーヴァスを捕まえるという、シディアスですら予期していないであろう計画を練っていた。計画を達成するためには、オード・マンテルで軍隊を再集結させ、再び分離主義勢力に戦いを挑む必要があったのである。しかし、シス卿に狙われているタルジンは自らオード・マンテルに出向こうとはしなかった。

オード・マンテルに到着したモールは、ブラック・サンのジットン・モジやパイク・シンジケートのファイフといったシャドウ・コレクティヴの幹部たちと会談した。モールは自分を餌に分離主義勢力をオード・マンテルにおびき寄せるつもりだと説明した。ためらいを見せる仲間たちとは対照的に、モールは分離主義勢力の指導者を捕まえる作戦に自信を持っていた。モールたちはすぐに戦いの準備を始め、シャドウ・コレクティヴによる待ち伏せを行うため、分離主義勢力のドロイド軍団をブラック・サンの支配領域へと誘い込んだ。

戦いに備えるモールたちのもとに、マザー・タルジンによってダソミアから派遣されたブラザー・ヴィスカス率いるナイトブラザーの戦士団も加わった。モールがナイトブラザーの援軍を歓迎していた時、分離主義勢力が軌道上に姿を現し、オード・マンテルへの爆撃を開始した。モールもすぐに攻撃開始を命じ、ナイトブラザーたちは司令センターで次の指示を待った。デス・ウォッチと共に上空の分離主義勢力と戦うため、モールはマンダロリアンの軍艦へと急いだ。

Maul Tackles Grievous

分離主義勢力の司令船に乗り込み、グリーヴァスに襲い掛かるモール

ドゥークー率いる分離主義勢力の軍隊はオード・マンテルに着陸し、シャドウ・コレクティヴの軍勢をあっという間に劣勢に追い込んだ。一方、モールの宇宙船は軌道でグリーヴァス将軍の司令船を攻撃し、船内へ直接乗り込むためドッキングを行った。モールとデス・ウォッチは司令船のブリッジに攻め込み、サイボーグの将軍を警護するバトル・ドロイドを一掃した。モールはグリーヴァスとの対決を制し、地上で戦うバトル・ドロイドの機能を停止させるか、さもなくばここで死ぬかという2択を迫った。グリーヴァスは止むを得ずドロイドの停止信号を送り、モールの捕虜になった。地上でナイトブラザーたちを倒したドゥークーも、機能を失ったバトル・ドロイドが全滅した際、シャドウ・コレクティヴによって捕えられた。

伯爵を味方に

戦いの後、モールは再びタルジンに連絡を取り、オード・マンテルの作戦の成功を伝えた。タルジンはモールに、ドゥークーやグリーヴァスを捕虜にした今、彼らの指導者であるシディアスを捕まえることも夢ではないと語り、復讐の実現を約束した。モールの軍隊は戦いの痕跡をほとんど残さずにオード・マンテルを離れ、マンダロリアン小惑星前哨基地へ向かった。

Maul Dooku Allies or Death

ドゥークーを仲間に引き込もうとするモール

補給基地に到着後、モールはダース・シディアスにメッセージを送り、ドゥークーとグリーヴァスを捕まえたことを報せた。シディアスは敵に捕らえられた部下にもはや価値は無いと語り、モールがふたりを殺す気なら、好きにすればいいと答えた。しかしモールには別の計画があった。ドゥークーを味方に引き入れるため、モールはシディアスが彼を見捨てたことを伝えた。しかし、ドゥークーはシディアスに挑戦するなど無謀だと考え、かつて自分を殺そうとしたことのあるマザー・タルジンと手を結ぶことなど不可能だと答えた。その時、タルジンがナイトシスターの魔法を使って姿を現した。彼女はシディアスと手を組んでいた頃の過去をドゥークーに明かした。タルジンはシディアスの裏切りによって幼いモールを失った経緯を説明し、伯爵もいまにシディアスの裏切りに遭うに違いないと脅した。しかし、タルジンもモールもドゥークーを心の底から味方にしたいと願っていたわけではなく、伯爵を利用するためダソミアへ連れて行きたいと考えていただけだった。

会話中、ジェダイによって率いられた共和国の軍隊がマンダロリアン小惑星前哨基地への攻撃を開始した。ケノービやメイス・ウィンドゥを含むジェダイのチームは、オード・マンテルからシャドウ・コレクティヴを追跡してきたのだった。ドゥークーは生き延びるためモールに味方したが、グリーヴァスは混乱に乗じて脱出ポッドに乗り込み、逃げ去った。ジェダイとのライトセーバー戦を切り抜けたモールとドゥークーは、ローク・カストが放った小型爆弾の爆発を利用して脱出した。

シャドウ・コレクティヴの陥落

モールたちは補給基地を離れてダソミアへ向かった。道中、モールはモジとパイクから連絡を受けた。彼らはモールの復讐計画がシャドウ・コレクティヴの作戦を失敗に導いているのではないかと懸念していたが、モールは計画がうまくいくことを保証し、シディアスを殺してシャドウ・コレクティヴによる銀河征服を実現すると約束した。幹部たちの忠誠心を確保するため、モールはパイクやブラック・サンに目を光らせておくようサクソンに命じた。その後モールはドゥークーと会話し、伯爵が仲間になった演技をしていることなどお見通しだと語り、おそらくシディアスがそうするように命じたのだろうと推測した。

ダソミアに到着したモールは、オード・マンテルの戦いを生きのびたブラザー・ヴィスカスに迎え入れられた。ヴィスカスは計画の準備は既に整っていると語り、ドゥークーをマザー・タルジンのもとへ連れて行った。緑の煙の中で存在を保っていたタルジンは、ドゥークーに向けて魔術を使い、シス卿の命の力を引き出そうとした。タルジンは実体を伴った姿に戻るために生け贄を必要としており、ドゥークーを儀式の犠牲にしようと企んでいたのである。しかし、タルジンの儀式はグリーヴァスとシディアスの到着によって中断された。

ファイル:Second Battle of Dathomir.png

グリーヴァスと戦うモールと、伯爵の体を使ってシディアスと戦うタルジン

暗黒卿やグリーヴァスとの間にライトセーバーの対決が始まると、タルジンはドゥークー伯爵の体を乗っ取ってモールに加勢した。モールがサイボーグと戦う間、タルジンはシディアスと対峙したが、すぐに暗黒卿に圧倒された。シディアスのフォース・ライトニングを食らったタルジンは、ドゥークーの体を捨て、肉体を伴った姿で再出現した。一方、モールはフォース・プッシュでグリーヴァス将軍を押し飛ばした。シディアスのライトニングに苦しむタルジンに、モールは自分を生け贄にして強大な力を手に入れるよう頼んだ。しかし、ダソミアの魔女はモールが逃げる時間を稼ぐためひとりで暗黒卿の攻撃を食い止めることに決めた。タルジンは魔力を使ってモールを戦場から遠ざけた。ローク・カストらと共に逃げる途中、モールはタルジンがグリーヴァス将軍に殺される瞬間を目にした。

モールは分離主義勢力の攻撃にさらされたダソミアから逃げ去った。シャドウ・コレクティヴは分離主義者の攻撃で壊滅する。シディアスにとってダース・モールはもはや落伍者となり、シスが統治する銀河を脅かす存在ではなくなった。

マンダロアを失う

シャドウ・コレクティヴ陥落後、モールと彼に忠実な部下たちはマンダロアへ戻り、しばらくのあいだ身を潜めた。しかし、マンダロアはクローン戦争の終盤にクローン・キャプテンレックスや元ジェダイ・パダワン・アソーカ・タノ率いるクローン・トルーパー大隊によって包囲される。包囲戦のさなか、モールはタノとライトセーバーの対決を繰り広げた。タノは仲間たちと協力してモールをレイ・シールドの罠にかけたが、レックスを救うためにモールを殺すチャンスを捨てることになる。同時期に発生したオーダー66の混乱の中、モール、タノ、レックスはそれぞれマンダロアからの脱出を果たした。[13]

帝国時代

マラコアの寺院

「噂は本当だったのね。ダース・モールは生きてる」
「ダースは無用だ。今はただのモール」
セヴンス・シスターとモール[出典]

クローン戦争終結時、ダース・シディアスは共和国を銀河帝国再編し、自らその皇帝となった。シディアスは戦争中にドゥークー伯爵を失ったが、ドゥークーよりも若く強力な新しい弟子、ダース・ヴェイダーを手に入れた。[14] 一方、シャドウ・コレクティヴを失ったモールは、シス・テンプルにある古代シスの超兵器を求めて惑星マラコアへ旅した。この頃、彼は新しいライトセーバーを手に入れていた。モールは宇宙船の墜落でマラコアに立ち往生することになり、何年ものあいだ銀河社会から隔絶されて生きた。帝国はダース・モールがまだ生きていると信じ、尋問官エイス・ブラザーに元シス卿の捜索を命じていた。[15]

Maul Rebels

マラコアにて、モール

3 BBY、ジェダイの生き残りケイナン・ジャラス、そのパダワンのエズラ・ブリッジャー、元ジェダイのアソーカ・タノがマラコアにやってきた。初期反乱軍の一員として帝国と戦っていた3人は、ヴェイダーや尋問官を倒すための知識を求めていた。古代シスの遺跡を探索中、彼らは尋問官エイス・ブラザーの襲撃に遭い、エズラだけが他の仲間と離れ離れになる。シス・テンプルの近くで若きパダワンと遭遇したモールは、シスのホロクロンを手に入れるため、言葉巧みに彼を操った。また、モールはエズラの熱しやすい性格を利用し、彼をダークサイドへ引き込もうとした。フォースの使い手が2人協力しなければ開かない仕かけ扉を通過した後、モールとエズラは超兵器を起動するためのカギとなるホロクロンを入手した。モールはテンプルに大量破壊兵器が隠されていることを黙っていたが、エズラはモールのことを味方として認めるようになった。テンプルの外に出た直後、モールとエズラはケイナンとアソーカが3人の尋問官と戦っている現場に出くわした。マラコアにジェダイがいることを知ったエイス・ブラザーが、仲間のフィフス・ブラザーセヴンス・シスターに助けを求めたのである。[15]

Maul Ezra Malachor

シス・ホロクロンを手に入れるため、若きエズラ・ブリッジャーを説得するモール

アソーカはモールがまだ生きていたことに驚いたが、3人の尋問官を倒すため、一時的に同じ側で戦うことになった。尋問官が撤退した後、モールはジェダイの求める知識がテンプルの頂上部に保管されていると主張し、彼らと一緒にピラミッド状の建築物を登り始めた。ケイナンとアソーカは元シス卿を信用していなかったが、エズラの強い主張を受け、止むを得ず行動を共にした。頂上部へ向かう途中、モールとジェダイは再び尋問官の襲撃を受けた。モールはセヴンス・シスターの首をフォースで掴み上げ、無防備になった尋問官に止めを刺すようエズラに命じた。しかし若きパダワンが躊躇したため、モールは自ら女尋問官に最後の一撃を加えた。彼はエズラを叱りつけ、心に迷いがあれば自分や仲間の命を危険にさらすことになると警告した。その後、フォースを通してダース・ヴェイダーの到着を感知したモールは、エズラを独りでテンプル頂上部へ向かわせ、残りの尋問官との戦いを引き受けた。アソーカと協力してフィフス・ブラザーを仕留め、最後に残ったエイス・ブラザーが自滅した後、モールはそれまでの協力的な演技を捨て、ケイナンとアソーカに牙をむいた。[15]

モールはケイナンを不意打ちして顔面をライトセーバーで切り裂き、彼の視力を奪った。モールとアソーカが一対一の対決を繰り広げていたとき、頂上部に辿り着いたエズラがホロクロンをオベリスクに設置し、テンプルに秘められた力を解き放った。モールは計画がうまくいったことを喜び、若きエズラを自分の弟子にするつもりだと宣言する。すると、ケイナンが古戦場跡に落ちていたテンプル・ガードのマスクを装着して立ち上がり、モールに対決を挑んだ。モールは失明したジェダイを過小評価し、すぐに戦いを終わらせると断言したが、ケイナンはフォースで感覚を研ぎ澄ませ、元シス卿の攻撃を読み切った。モールは腕を掴まれて体勢を崩し、シス・テンプルのピラミッドから転落していった。[15]

モールが戦いから脱落した後、シス・ホロクロンはエズラとケイナンによって超兵器から取り外され、テンプルはパワーの暴走によって崩壊してしまった。アソーカはヴェイダーとの対決で行方不明となったが、エズラとケイナンはホロクロンを手にマラコアから脱出する。一方、墜落を生き延びたモールは尋問官のTIEアドバンストv1でマラコアを後にした。[15]

ホロクロンの導き

Maul Ghost

<ゴースト>のクルーを人質にとったモール

2 BBY、モールはホロクロンを利用して未来への展望を得るために行動を起こす。マラコアでエズラと会話した際、ケイナンがジェダイ・ホロクロンを所有していることを知ったモールは、2種類のホロクロンを結合させて強力なフォース・ヴィジョンを発生させようと思い至ったのである。モールは反乱軍のハンマーヘッド・コルベットを襲撃して乗組員を尋問し、エズラの仲間たちの拠点であるVCX-100軽貨物船ゴースト>の座標を聞き出した。その後、彼は<ゴースト>を制圧し、トワイレックキャプテンヘラ・シンドゥーララサットの戦士ガラゼブ・オレリオスマンダロリアンの少女サビーヌ・レンC1シリーズ・アストロメク・ドロイドチョッパーを人質に取った。エズラとケイナンから通信が入ると、モールは拘束したクルーたちをホログラムに映し出し、人質を解放して欲しければシス・ホロクロンとジェダイ・ホロクロンを差し出すよう要求した。エズラとケイナンは仕方なく要求をのみ、ベンドゥに預けてあるシス・ホロクロンを回収するため惑星アトロンへ向かった。[16]

<ゴースト>にて、モールはヘラに命じて船を案内させた。船室を見てまわるあいだ、彼は再プログラムしたマンダロア・ツアー・ガイド・ドロイドに他の囚人の見張りを任せた。モールはフォースを使ってヘラの心を覗き込み、エズラがジェダイの訓練を始めることになったきっかけや、ケイナンのホロクロンが船内に保管されていることを知った。モールがケイナンの部屋からホロクロンを見つけ出し、中の情報を見ようと躍起になっていたとき、<ゴースト>のクルーはツアー・ガイド・ドロイドを破壊して脱出を試みた。彼らは貨物室でモールを待ち伏せし、彼の脚が義足であることを利用して磁気ロックで身動きを封じようとした。しかし、モールは天井に脚をとられながらもライトセーバーでブラスターの攻撃を防ぎ、制御装置を破壊してマグネットを解除する。彼は再びクルーを取り押さえ、命が惜しければ大人しくしているよう命じた。[16]

The Holocrons of Fate Episode Guide

ホロクロンを結合したモールとエズラ

モールは<ゴースト>のクルーをフェルボスにある旧マンダロリアン基地、ヴィズラ・キープ09へ連れて行き、司令センターに監禁した。エズラとケイナンの乗る2人乗りAウイングが到着すると、モールはドロイドにエズラの案内を命じ、ケイナンと一対一になるチャンスを掴んだ。今度こそ邪魔者を始末するため、モールは目の見えないケイナンをエアロックへ連れて行き、宇宙空間へ放り出した。その後、モールはドロイドに<ゴースト>のクルーの抹殺を命じ、何も知らないエズラが1人で待っている部屋へ向かう。モールはまたしてもエズラを巧みに説得し、2人で力を合わせてホロクロンを結合させた。一方、ケイナンはフォースを使って宇宙空間から舞い戻り、仲間たちをドロイドから救出した。[16]

モールとエズラはホロクロンが発するまばゆい光に包まれ、フォースのヴィジョンを経験する。シスを倒すためのカギを求めていたエズラは、ヴィジョンの中で「双子の太陽」の映像を垣間見た。モールが何のヒントも得られないことに焦り始めていたとき、ケイナンが<ゴースト>のクルーとともに部屋に駆け付け、ヴィジョンを断ち切るようエズラに命じた。エズラはマスターに言われた通り光から目を逸らし、ホロクロンの結合を終了させたが、モールはその寸前にヴィジョンから衝撃的な真実を受け取った。ナブー危機以来の仇敵、オビ=ワン・ケノービジェダイの粛清を生き延びていたのである。ホロクロンのエネルギーが炸裂した混乱に乗じ、モールは基地の格納庫へ逃げ出した。モールは「彼は生きていた」としきりに呟きながら<ナイトブラザー>を操縦し、ヴィズラ・キープ09から去っていった。[16]

再びダソミアへ

Visions and Voices thumb

エズラにダークセーバーを見せるモール

ホロクロンの儀式を一緒に行ったことにより、モールとエズラの間には精神的な絆が形成された。モールはこの繋がりを利用し、アトロンに設けられたフェニックス戦隊の拠点、チョッパー基地を見つけ出す。モールはダークサイドの技術を使ってエズラに自分の幻影を見せ、この若きパダワンを悩ませた。ある日、エズラは基地の隊員をモールと見間違え、危うくライトセーバーで殺しかけた。その後エズラとケイナンは基地を離れ、中立的なフォース可能者であるベンドゥに今回の件を相談した。どうすれば幻影を見ずに済むかと尋ねられたベンドゥは、後ろを振り向てはならないと彼らに警告する。ベンドゥの言いつけを破って後ろを振り返った2人のジェダイは、幻影ではなく実物のモールが近くの丘に立っていることに気づいた。[17]

モールはアトロンに来たのは“弟子”のエズラと平和的に話し合うためだと告げ、反乱軍基地を見つけた方法を明かした。前回の儀式が中途半端に終了したことが原因で、モールはエズラのヴィジョンや情報を断片的に垣間見れるようになっていたのである。モールはエズラに、前回見ることができなかった残りのヴィジョンを突き止めるべく、再度彼の協力が必要だと告げた。ケイナンが反対すると、モールはもし自分に協力しなければホーミング・ビーコンを起動し、反乱軍基地の座標を帝国に知らせると脅迫した。また、モールはエズラを誘惑するためにシスを倒す方法を教えると申し出た。ケイナンが不承不承ながら許可を出すと、エズラはモールに同伴して<ナイトブラザー>に乗り込み、彼の故郷であるダソミアへ向かった。2人は知らなかったが、ケイナンとサビーヌ・レンはエズラのリスト・コムに追跡装置を仕込んでいた。[17]

Ezra and Maul Dathomir magic

ナイトシスターの儀式を行うエズラとモール

モールはエズラをナイトシスターの廃墟へ連れて行き、自分はダソミリアンの部族の最後の生き残りだと説明した。モールのねぐらに案内されたエズラは、ダークセーバーをはじめ、元シス卿の過去に関連したコレクションの品々を目にする。モールは、ヴィジョンの情報を完成させるにはダソミアの魔法によって2人の精神をひとつにする必要があると告げ、若き“弟子”を祭壇の前へ連れて行った。モールとエズラが祭壇で水薬の入った盃を酌み交わし、ナイトシスターの儀式を開始すると、両者の目から放たれた緑色の光がヴィジョンを結んだ。この儀式により、モールとエズラはオビ=ワン・ケノービが双子の太陽に照り付けられた砂漠の惑星に今も住んでいることを突き止めた。[17]

儀式が終わると、部外者が魔法の力を使ったことへの代償を求め、ナイトシスターたちの亡霊が祭壇の中から姿を現した。しかし、亡霊の標的となったのはモールやエズラではなく、彼らを追って来たケイナンとサビーヌだった。モールとエズラは亡霊に憑依された2人と戦いながら、亡霊の力の源である祭壇から離れていった。魔力の有効範囲の外に出て追跡をしのいだ後、モールは友人のことは諦めて自分と一緒に来るようエズラに誘いかけた。しかし、エズラは友を残していくことはできないと語り、元シス卿を失望させる。モールはエズラが同情心を捨てきれないことに腹を立て、1人で<ナイトブラザー>に乗り込み、ダソミアを去った。その後、エズラは自力で仲間たちを亡霊から解放し、ナイトシスターの祭壇を破壊する。またこの事件以降、ダークセーバーはサビーヌの所有物となった。[17]

最後の対決

Maul on Tatooine

タトゥイーンを彷徨うモール

ダソミアの事件の後、モールは仇敵オビ=ワン・ケノービとの決着をつけるため惑星タトゥイーンを訪れた。しかし、彼は老ジェダイ・マスターを見つけることができずに砂漠の荒野で迷い込んでしまう。彼はケノービの名を絶叫して膝から崩れ落ち、自分の惨めな有り様を嘆いたが、すぐに解決策を思いついた。自らの手でケノービを探し出すことは不可能だと判断したモールは、今回も“弟子”のエズラ・ブリッジャーを利用し、ケノービの居場所まで導いてもらおうと考えたのである。彼はあらかじめ回収しておいたシス・ホロクロンの断片を使い、遠く離れた場所にいるエズラに自分の感情を訴えかけた。<ゴースト>に乗っていたエズラは、シス・ホロクロンの本体からモールの叫び声を聞き、ケノービの身に危険が迫っていることに気づく。モールがケノービを見つけるために仕組んだ罠とは知らず、エズラは仲間たちの制止を振り切ってタトゥイーンへ向かった。彼は今回の任務でケノービを救うと同時に、このジェダイ・マスターが反乱運動に参加してくれることを期待していた。[2]

モールはエズラを誘い込む餌として、タトゥイーンの峡谷にシス・ホロクロンの断片を残しておいた。その夜、エズラは勝手に任務についてきたチョッパーと共に、Aウイングで峡谷に着地する。ホロクロンの別の断片を道しるべにしていたエズラは、モールの思惑通り、餌の隠し場所に辿り着く。モールの罠に気づいた瞬間、エズラとチョッパーはタトゥイーンの原住民であるタスケン・レイダーの部族に襲撃された。Aウイングを破壊された衝撃でエズラとチョッパーが倒れ込んだとき、モールは2人に気づかれないようにタスケンを始末し、再び闇夜に姿を消す。エズラは船の爆発でタスケンも散り散りになったのだと思い込んだ。船を失ってしまったエズラとチョッパーは、地形に沿って歩いて近くの入植地を探すか、目の前に広がる広大な砂漠を横断すべきか話し合った。議論の途中、エズラはモールの幻影を砂漠の彼方に見つけ、危険を承知で砂漠を横断する道を選んだ。道中、彼らは砂嵐の中で遭難したが、デューバックに乗ったケノービによって救出される。[2]

Duel in the desert

最後の対決

再び夜が訪れると、ケノービは砂漠で焚きを起こし、チョッパーを再充電して、エズラの回復を待った。目を覚ましたエズラはジェダイ・マスターの身に迫る危険を警告したが、ケノービはこの少年がモールに利用されていることに気づいていた。ケノービがエズラに、真実とは人の願望によって歪められる不確かなものだと説明していたとき、モールは彼らの前に姿を現した。ケノービは“古傷”に対処するのは自分の役目だと告げ、エズラとチョッパーをデューバックで立ち去らせた。“弟子”の背中に別れを告げた後、モールは年老いたケノービが置かれている惨めな境遇を嘲った。これに対しケノービは、権力や支配力に人生を捧げたモールもまた、今や全てを失った身だと反論する。老ジェダイの言葉に怒ったモールはライトセーバーを起動し、切り裂いた地面の砂で焚き火を消した。しかし今一度冷静さを取り戻したモールは、ケノービがタトゥイーンを隠遁先に選んだ理由に思い至る。タトゥイーンに来たのは身を隠すためだけではなく、“誰か”、すなわちルーク・スカイウォーカーを守るためではないかと指摘されたケノービは、ルークを脅かす危険を排除するためライトセーバーを起動した。[2]

Maul dies but for real this time

ケノービの腕の中で息絶えるモール

モールとケノービは構えを変えながらライトセーバーを交えるタイミングを慎重に見計らった。[2] ケノービの構えが、かつて彼の師匠クワイ=ガン・ジンナブーの戦いで見せた構えと同じであることに気づいたモールは、クワイ=ガンを殺したときと同じ動きで攻撃に転じた。切り合いはナブーの対決をなぞる形で進んだが、モールがダブル=ブレード・ライトセーバーの柄で敵の両肘を突き上げようとしたとき、この動きを予想していたケノービは、柄を素早く真っ二つに両断してクワイ=ガンの過ちを回避し、モールに致命傷を与えた。[18] 対決が一瞬にして終わり、モールがその場に倒れ込むと、ケノービは彼の体を支えて最期の言葉に耳を傾けた。息も絶え絶えのモールは、ケノービがタトゥイーンで守っているのは選ばれし者なのかと尋ねた。ケノービがそうだと答えると、モールは「彼が我々の無念を晴らしてくれる」と言い残して息を引き取る。ケノービは大きく見開かれたモールのまぶたを閉じ、長年の仇敵の死を悲しんだ。[2]

その後、エズラとチョッパーはモールの<ナイトブラザー>に乗ってアトロンのチョッパー基地へ戻った。また、モールとの対決を終えたケノービはラーズ農場に立ち寄り、何も知らないルーク・スカイウォーカーの姿を遠くから見守った。[2]

その後

「えっ…何なの? これは…冷たい」
レイア・オーガナ[出典]
Remnants of Maul - SW Shattered Empire III

ナブーでモールの気配を感じるレイア

クローン戦争の終結から23年が過ぎた4 ABY反乱同盟軍エンドアの戦いで銀河帝国に勝利し、ダース・シディアスはダークサイドから帰還したアナキンと、その息子ルーク・スカイウォーカーによって破られた。[19] エンドアの戦いの直後、ルークの双子の妹、プリンセスレイア・オーガナは外交任務でナブーに赴き、かつてダース・モールがクワイ=ガン・ジンやオビ=ワン・ケノービと対決した格納庫を訪れた。その際、彼女は格納庫の扉の前でモールのダークサイド・パワーを実感し、寒気を覚えた。[20]

登場作品

参考資料

脚注

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