タトゥー、入れ墨(Tattoo)は皮膚に絵や文字、模様などを描きいれる手法、およびその手法により描かれたものを指す。額や手など特定の個所にタトゥーを描くこともあれば、全身に模様を彫るケースもあった。ザブラクやパントラン、ミリアランをはじめ、銀河系にはタトゥーの文化を持つ種族や民族が複数存在した。また民族的文化のほかに、タトゥーは軍隊や犯罪ファミリーといった所属組織への忠誠心を示す手段として用いられることもあった。[1]
タトゥーを彫ることを専門とする職業はタトゥー・アーティストと呼ばれた。[2] タトゥーを彫る際には、インクなどの着色料が用いられた。ハット種族のメンバーはカジディクの紋章をタトゥーにする際、クオレン工芸インクを使用した。[3] またダソミアのナイトシスターやナイトブラザーが使用したマッシュリングのように、植物由来の顔料が使われることもあった。[4] エレクトロ=タトゥーと呼ばれる、刺青にデータを組み込むテクノロジーも存在した。[2]
主なタトゥー文化[]
ダソミリアン[]
ダソミリアンのタトゥーは、彼らの部族の伝統を象徴していた。ナイトブラザーと呼ばれる男性のダソミリアン・ザブラクたちは、生まれ持つ縞模様をタトゥーで強調し、美しく装飾していた。また女性のナイトシスターたちは一般的に男性よりも繊細な模様の、青白い肌に映えるモノクロームのタトゥーを入れていた。[1] ナイトシスターやナイトブラザーは、惑星ダソミアの植物マッシュリングをタトゥーの染料として活用していた。彼らはマッシュリングのさやをどろっとした黄色のペーストになるまで煮詰め、そこに粘土や灰といった他の顔料を混ぜることで、さまざまな色を作り出した。[4]
ダソミリアン・ザブラクのシス卿、ダース・モールは顔面と体に戦士部族ナイトブラザー出身であることを示す赤と黒の模様を刺青していた。[5] 同じ部族でも使用する色が異なる場合があり、サヴァージ・オプレスは黄色と黒、フェラルは金色と茶色、ブラザー・ヴィスカスはオレンジと黒のタトゥーだった。[6]
ハット[]
ハットの文化には犯罪行為が根付いており、彼らのタトゥーは犯罪ファミリーや犯罪組織、悪評高いギャング集団への忠誠心を示すものであることが多かった。例えばズィロ・デシリジク・ティウレは犯罪組織ブラック・サンの指導者のひとりとしてシンジケートのシンボルマークを体に入れ墨し[1]、さらに惑星スレヘイロンとの繋がりを示すカラフルなタトゥーも入れていた。[7] またジャバ・デシリジク・ティウレもデシリジク・カジディクの紋章を[1]、アロクはベサディ・カジディクの紋章をそれぞれ腕に刺青していた。[7] ハットはカジディクの紋章をタトゥーにする際、クオレン工芸インクを着色料として用いた。このインクは極めて貴重で、密輸業者にとって1キログラムあたりの単価が最も高い貨物のひとつだった。[3]
イリドニアン・ザブラク[]
ジェダイ・マスターのイース・コスや賞金稼ぎのスーギといった[1] イリドニアンの[8] ザブラクは、しばしばモノクロの細い線で描かれたタトゥーを入れていた。その模様は彼らの育った環境を思わせる、ひび割れた土のような見た目だった。彼らのタトゥーの模様はさまざまで、人生における重要なできごとや家系を象徴している場合もあった。[1]
ミリアラン[]
ミリアランはスピリチュアルな文化が盛んな種族であり、緑や黄色のトーンの肌に、幾何学模様のタトゥーを入れていた。このタトゥーは彼らが身に着けたスキルや、やり遂げた仕事など、個人的な成果を象徴していた。[1] ミリアランのジェダイ・マスター・ルミナーラ・アンドゥリは顎に青いタトゥーを入れていた。またアンドゥリのパダワンであるバリス・オフィーは頬と鼻、そして手の甲にタトゥーを入れていた。[5]
人間とミリアランのハーフであるメイズ・レインシは当初、種族の伝統であるタトゥーに興味を持っておらず、ただのステイタス・シンボルだと考えていた。しかし母親のアナイア・レインシは極めて伝統的な家系に生まれたためミリアランの習慣について厳格な意見を持っており、メイズを悩ませていた。幼い頃、メイズはタトゥーをひとつも入れず、もし入れることになったとしても自分はハーフなのでタトゥーも顔半分だけにするつもりだと語るなど、伝統に対して消極的だった。しかし彼女はカー・ナク・シンと一緒に銀河系を旅した際に考え方を改めた。[9]
パントラン[]
芸術的な社会と洗練された文化を持つパントラン種族にとって、タトゥーは良く仕立てられた衣服や上品な宝石と同様、彼らの社会的地位を象徴するものだった。彼らの青い肌に彫られた黄金のタトゥーの模様は、古代のパントランのテキストを想起させるシンプルなラインで形作られていた。[1]
主なタトゥーの例[]
クローン・トルーパー[]
共和国グランド・アーミーに仕えたクローン・トルーパーたちは遺伝子的にはみな同じだったが、それぞれ異なる個性を持ち、髪形やタトゥーなどで独自性を表現していた。[1] また彼らはしばしば顔のタトゥーと同じ模様を、クローン・トルーパー・アーマーにもペイントしていた。[10][11]
- CC-8826、“ネーオ”は左目の下にオーラベッシュのアルファベットで自分の識別番号を入れ墨していた。[12]
- CT-782、“ヘヴィー”は首から顎にかけて黒いタトゥーを入れていた。[13]
- CT-5385、“タップ”は右目の下に涙のような模様を入れ墨していた。また彼のヘルメットにも同じ模様がペイントされていた。[11]
- CT-5555、“ファイヴス”は額の右側に数字の「5」のタトゥーを入れていた。[13]
- CT-5597、“ジェシー”は大きな共和国の紋章を顔面に入れ墨しており、ヘルメットにも同じ模様がペイントされていた。[10]
- CT-6116、“キックス”は側頭部にオーラベッシュで「良いドロイドは死んだやつだけ(A good droid is a dead one)」という文章を入れ墨していた。[1]
- エッジは左の眉の上にオーラベッシュの文字「センス」を入れ墨していた。[14]
- サイスは額に獣の牙を模した入れ墨をしていた。[14]
- ジェックは首の後ろに円形や直線からなる模様を入れ墨していた。[1][15]
- ドグマはV字型の幾何学的な模様を顔に入れていた。また彼のヘルメットにもV字型のペイントが施されていた。[11]
- ハードケースは顔の右側と顎の下にストライプ模様を入れており、アーマーとヘルメットにも同じ模様が入っていた。[10]
- リースは頬に黒い模様を入れ墨していた。[15]
軍人[]
- ケイジ・ウォーリアのクリズモー・ソーディは額に濃灰色の鉤型のタトゥーをしていた。[16] また同じくケイジの戦士で、独立星系連合に仕えたキャプテン・ラカム・シアーも同様の入れ墨をしていた。[17]
- 元新共和国ショック・トルーパーのキャラシンシア・デューンは、左目の下に小さな反乱同盟スターバードの入れ墨を入れていた。まるで涙のようなこの模様は、彼女がオルデラニアンの生存者であることを示していた。[18]
犯罪者[]
- 刑務所に入れられていた過去を持つアーヴェル・スキーンは、体にクレイト・ヘッドやバイ・ザ・ハンドの紋章に加え 72742647 や 783836766 という囚人番号を示す数字やバーコードを入れ墨していた。[19]
- 考古学者で盗賊のドクター・チェリ・ローナ・アフラは右腕にエレクトロ=タトゥーを入れていた。[20]
- ナレイ・フリファはアウトロー・テック兼タトゥー・アーティストで、首回りや腕にハイパースペースのシミュレーション・トンネルを様式化した模様を入れていた。彼女はアーティストとしてギャングのシンボルを入れ墨したり、エレクトロ=タトゥーを入れることもあった。[2]
- レッタ・ターモンドは目の周りや肩に入れ墨をしていた。[21]
フォース感応者[]
- キファーのジェダイ・マスター、クインラン・ヴォスは顔と左腕に黄色の入れ墨をしていた。[22]
- パウアンの大尋問官は額と目の下にダークサイドのタトゥーを入れていた。[23]
- ミキアン種族の双子のジェダイ、ティプラーとティプリーは額に同じ紋章を入れ墨していた。[24]
登場作品[]
参考資料[]
- スター・ウォーズ 反乱者たち:ビジュアル・ガイド
- スター・ウォーズ フォースの覚醒 レイのサバイバル日記
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック
- スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック 増補改訂版
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド
- スター・ウォーズ:銀河系の女性たち
- スター・ウォーズ:スマグラーズ・ガイド
- スター・ウォーズ:スカム・アンド・ヴィラニー
- スター・ウォーズ:イウォークに食べられない方法、銀河サバイバル・スキル