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登録
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Soontir Felhead
スーンティア・フェル
人物の情報
出身

コレリア

誕生

28 BBY (7)、コレリア

身体の情報
種族

人間

性別

男性

身長

1.83メートル

髪の色

目の色

茶色

肌の色

白色人種

年代と政治的な情報
時代
所属
「フェルとはカリダの士官学校でしばらく一緒だったが、おれはあまり彼とは付き合いがなかった。彼は名誉を重んじる清廉潔白な優等生ってタイプで、ときにはそれが鼻につくこともあったからな。だが、操縦の腕はピカ一だった」
―ハン・ソロ[出典]

スーンティア・フェル[1](Soontir Fel)は銀河系屈指のスターファイターパイロットに数えられていた人間男性である。彼は銀河帝国の英雄となったが、その高みに至るまでの人生は決して楽なものではなかった。コレリア農家出身のフェルは、帝国アカデミーに入学してTIEファイターパイロットとなる以前に、農地で操縦技術を磨いていた。彼は帝国に忠実に仕え、部下には強い責任感を示していた。キャリアを曇らせてしまう一連の出来事の後、フェルは冴えない第181帝国ファイター・ウイングへと左遷されるが、彼はこの部隊を再興させその指揮権を獲得し、帝国の男爵となった。フェルは帝国の最も優秀なパイロットと評価され、第181部隊は最も優秀なエリート・スターファイター隊として評判になった。この頃、フェルは有名な女優ウィンサ・スターフレアと知り合い、結婚する。フェルは彼女が反乱同盟軍エースウェッジ・アンティリーズの妹だということを知った。

ヤヴィンの戦いの約5年後、スーンティアとその部隊は帝国情報部部長イセイン・アイサードの政治的利権のためにブレンタールIVへと送り込まれる。彼は必死に戦ったが、新共和国に捕まってしまう。しかし、銀河皇帝パルパティーンの死後、帝国を取り巻いていた不正行為にうんざりしていた彼は、そのまま新共和国側に亡命することを選んだ。彼はしばらく義兄弟のウェッジが属すローグ中隊で活躍したが、やがて未知領域に姿を消した。彼はアイサードに再び捕まり、惑星ニラーンスローン大提督の秘密基地に送り込まれていたのだ。そこでフェルは、スローンから未知の領域に潜む脅威の話を聞き、彼に説得され、文明から離れてハンド帝国に力を貸すことに同意した。

結局スローンがハンド帝国に帰還することはなく、次に再び銀河系と接触するまで、フェルは逆境の中で家族と生活を共にした。ユージャン・ヴォング戦争が勃発すると、フェルは新共和国を援助させるため息子のジャグドや少数のハンド帝国軍を派遣した。戦争中、ハンド帝国は分解され、フェルはチス・アセンダンシーに加わってチス拡張防衛艦隊の上級将校になる。ダーク・ネスト危機の中、ジャグドの行動がフェル家の名を汚してしまうが、彼らの苦難はそれほど長続きしなかった。彼の息子は家族の名誉を回復してインペリアル・ナイトの支配権を握り、帝国を復興させその初代皇帝に収まったのである。

経歴[]

生い立ち[]

「フェルにはひとつだけ、個人的な栄光や銀河の安定よりも大切なものがあった。彼は土を愛していた」
ケイリブ・デヴィスト[出典]

28 BBY、スーンティア・フェルは惑星コレリアアストリルド・ボトムランド地方で、団結の強い地元コレリアン一家の長男として生まれた。フェル家は穀物及び飼料連合(AGR)が所有するアグロ=コンバインで生活しており、フェルの父親は企業のトランスポート・パイロットとして働き、母親と彼の大家族の多くが同様にAGRに雇われていた。フェルには少なくとも弟がひとり(トドル・フェル)がいて、他にも兄弟や姉妹がいた可能性がある。

フェル家の一員として、彼は厳格な忠誠心、美徳、お互いに頼りにしあうことなど、家族の価値観を教えられた。フェルは彼の家族を優先し、常に彼らに気を配ることを学んだ。また、仲間の農民の中で、フェルは植物を育てる技術を伸ばしていき、何かを育てることを愛する気持ちは、その後も常に彼の中に残り続けた。しかし彼がアグロ=コンバインで磨いたもっとも優れた技術は、操縦の腕だった。フェルはAGRの農地をスカイホッパーで飛翔し行き来することで、熟練したパイロットになっていた。11 BBY10 BBY、フェルはAGRの収穫祭のエアスピーダー・レースで2連続で優勝している。

Fel with dad

2年連続でエアスピーダーのレースに優勝したフェルとその父親

フェルの父親が偶然毒物に触ってしまい、企業のために働けなくなった時、フェルは彼の代わりに操縦し、父親の仕事が無くならないよう役目を繋いだ。しばらくの間父の代わりに仕事しているうち、フェルが未成年であるにもかかわらず操縦を行っていることは、公然の秘密になった。10 BBYにフェルが18歳になった後、収穫祭が行われる時期、彼の父親はデパートでの仕事を引き受け、息子スーンティアに操縦の仕事を引き継がせる手配をした。フェルは1かの間、必需品や部品を配達する仕事とともに、本来の畑の手入れの仕事も行い、一家に新しい収入源を加えた。

収穫祭の夜、フェルは女性の友人パマルが、イリア・ポストやAGRのマネージャーの息子である2人の若い男にレイプされそうになっている現場に出くわした。フェルは彼女を守り、3人の男たちを殴って従わせた。しか地元の警察はAGRに忠実であり、フェルは警察が企業マネージャーの子供たち(ポストの場合は取締役の息子だった)を起訴しないことを理解していた。そこでフェルはコレリア保安局に訴え、彼の主張を聞き入れたハル・ホーン警部がポストを逮捕した。

AGRにとってこれは好ましい事態ではなく、彼らは潜在的な困惑の種に直面することになった。AGRのディレクター、イヴル・ドロップは、1か月間フェルを自身のオフィスに雇い入れた。彼はフェルに、カリダ帝国アカデミー入学のために必要な議会の指名を、フェルのために取り付けたと語った。しかし入学のためには、フェルは翌に開かれるイリア・ポストの裁判で証言を欠席しなければならなかった。フェルにとって入学は極めて大きなチャンスだった。ドロップはフェルの父親にまで手をまわし、フェルが家族のもとを離れた後も、フェル家の面倒をしっかりと見ることを約束した。しかしフェルがもし断った場合について、ドロップは、企業の私有地で未成年に操縦を行わせていたことを理由にフェルの父親を脅した。フェルは裁判で正義を無視することに気が進まなかったが、家族のために他の選択肢はないことを理解していた。彼は指名を受け入れ、ポストの裁判を欠席することにした。フェルがカリダに発つ前、ホーン警部は彼と会い、彼が最高の決断をしたことを保証した。ホーンはポストを見張り、彼が再び法を犯した場合は確実に訴えると語った。

銀河帝国[]

帝国アカデミー[]

Fel-zoneball

グラヴ=ボールでチームを勝利に導くフェル

「典型的なコレリア人だった。いや、典型的とは言えんな。彼は農場の子せがれだったからな。そもそもアカデミーに入れたのは、でかい連合農場を経営してる役人のおかげだったんだ」
―フェルの経歴を語るハン・ソロ[出典]

まもなくアカデミーに到着したフェルだったが、環境に順応する時間の余裕はほとんどなかった。彼の長いポニーテールは入学時に剃り落され、農場生活は厳格な服従や規律を重んじる軍隊式の生活へと様変わりした。フェルは宇宙飛行学のような知的な学問をあまり好んでいなかったにも関わらず、成績は優れており、銀河帝国一番のエリート・アカデミーから与えられる教育機会を存分に活用していた。彼は戦闘トレーニングやメカニックの授業、グラヴ=ボールといった身体的な趣味をより好んでいた。彼はカリダのグラヴ=ボール・チーム、インター=アカデミー・リーグでナンバー7のユニフォームを着、何度もチームを勝利に導いていた。

ただし、フェルがアカデミー生活でもっとも好んでいたのは、宇宙船操縦だった。彼はTIE/Lnスターファイターやシミュレーション訓練で鍛えられ、候補生として最高の成績を出していた。同期の士官候補生の中では、ハン・ソロだけが彼の技術に張り合うことが出来た。フェルはスターファイターの技術的システムを研究し、それらを飛ばすことだけでなく修理方法も学んだ。フェルはアカデミーのエリートの中でも有能な候補生であるという評判を得る。類似点が多かったにもかかわらず、同期生のコレリアン、ソロはフェルと仲良くしようとは考えなかった。ソロはフェルを、あまりに田舎者で、悪戯好きの友人と折り合うには厳格すぎる人物だと考えていた。しかし、彼らはお互いに尊敬しあっており、フェルはソロが自分よりも輝かしい未来を持った英雄的将校になるだと考えていた。フェルにはダーヴ・エルドンという親しい友人がひとりいた。エルドンはアカデミー入学以前の、コレリア時代からの友人だった。

フェルはコックピット内で見せる優秀さを学問においても発揮し、帝国軍のアカデミーをソロに次ぐ成績で卒業した。ダース・ヴェイダーグランドモフウィルハフ・ターキンも卒業式典に姿を見せ、ターキンはフェルの成果について祝辞を送った。帝国に仕えることの栄誉と比べれば自分の成果など大したことではないとフェルが答えると、ターキンはフェルの経歴を見守らせてもらうと語った。

初期のキャリア[]

Fel-37th

ロータン・ファナティクスとの戦いの前に部下と共に分析をするフェル

フェルは大尉の階級を得て7 BBYに卒業し、帝国宇宙軍のパイロット部隊に入隊した。フェルはラン・テスラ大佐のもとで第37帝国ファイター・ウイング6番目の中隊を指揮する役目を与えられた。これは将来有望な将校にとって最高の配属先だと考えられていた。ドレッドノート級重クルーザーアブロゲーター>において、フェルはサロック²の戦闘任務で早々にキャリアを開始する。フェルたちはロータン・ファナティクスの残党を制圧し、地元のタンロスを救った。

フェルの第6/37隊はレスリアン粛清を実行しようとするロータン・ファナティクスの残党との戦いをつづけ、フェルは部下を多くの戦いで指揮し、彼らに特別の配慮を払った。テスラ大佐がテンプ=フルとして知られる風邪に悩まされたときには、フェルはより強力な指導者となった。テスラはTIEファイターで戦う1年の服務期間が残り数週間だったにも関わらず尻込みしてしまい、部下を無視し、リスクを侵さずにTIE勤務を生き延びようと考えていた。このとき、フェルは部下を守り、中隊にとってふさわしい指導者となるよう取り組んでいた。テスラの勤務期間が終了した後、フェルは中隊の指揮権を獲得し、隊を訓練させて秩序と学習の習慣を教え込み、戦いにおける分析の重要さを強調した。フェルの指導のもと、第6/37隊は帝国で最高の評価を得た、強力で効果的な活躍で知られる中隊となった。

ロータンと戦った1年間の後、フェルは大佐に昇格し、軍の慣習として中隊から艦隊指揮へと移された。しかし、ロータンの最後の生き残りが発見され、彼らの攻撃によって血なまぐさい戦いを引き起こされるであろうことが発覚すると、フェルは部下のもとに留まるのが彼の義務だと考えた。昇格を選ぶことでフェルを責めるものは少なかったが、艦隊での服務期間は彼にとって苦難だった。フェルは第6/37隊の新しい遠征に自ら志願し、そこが彼の才能を最も生かせる場所だと主張した。志願は受け入れられ、フェルは中隊と共に1年間仕えることになった。フェルは戦いを生き残る事で本当のエリート・パイロットであることを証明した。テスラは異動後の活躍が冴えなかったため、フェルの昇格後に再び中隊の指揮をする予定になっていた。フェルが中隊への残留を決めた後、フェルとテスラのどちらが指揮を執ることになったかは知られていない。その並外れたパフォーマンスで傑出したパイロットとして知られるようになったフェルの功績は、スターファイターの部隊中で有名になった。

帝国宇宙軍[]

2度目の勤務期間を終えたフェルは、ようやく帝国宇宙軍の艦隊指揮官として認められた。彼は24、5歳で宇宙軍大佐の階級に昇格したが、この名誉を得た帝国軍人の中で最も若い人物のひとりだった。フェルは帝国税関機関へとパトロール船を指揮する任務に就き、その密輸業者に対する手腕を認められ、好意的な尊敬を獲得するようになった。しかし、艦隊活動における彼の大部分の時間は、ドレッドノート級重クルーザープライド・オブ・ザ・セネト>の指揮のために費やされた。フェルは2年間<プライド>を指揮したが、この艦は時代遅れであり、活躍する余地のないことが明らかとなった。彼はスター・デストロイヤーを指揮することを切望する。それは無理だとしても、彼はドレッドノートでキャリアを築くよりも、むしろコックピットに戻りたいと願うようになった。ただし、彼は艦隊指揮においても可能な限り最高な仕事をする決心だった。副司令官トニヴ中佐や、航宙士であるロスク中佐たちを含むフェルの部下は、フェルの過去の功績と部下を気遣う指揮のスタイルから、彼のことを称賛し、尊敬していた。フェルの過去に感動していた艦のTIEパイロットたちは、フェルと強い関係を築いていた。2 BBY、フェルはウィンステル・グリーランクス提督のもと、ハット・スペース宙域艦隊に配属されていた。彼とレルド・ダヴリス大佐、グリーランクス提督は、モフサーン・シルドの指揮下から配給された3隻のドレッドノートを指揮した。フェルは宙域艦隊の上級将校となる。キャラック級軽クルーザーヴィジランス>を指揮するのは、フェルの旧友で当時も親しかったダーヴ・エルドンだった。

BattleNarShaddaa

フェルが指揮する<プライド・オブ・ザ・セネト>

2 BBY、ハットから利益を得ていたモフ・シルドは、帝国の精密な調査に対し、密輸に強硬路線で対応すると明言した。彼はハットの惑星ナル・ハッタを封鎖し、都市で覆われた衛星ナー・シャッダベース・デルタ・ゼロ攻撃で破壊するために、艦隊を派遣した。ハットたちは惑星とビジネスを守るために団結する。シルドを買収する試みが失敗に終わると、ハットは撤退する機会を得るため、グリーランクスに賄賂を使って戦闘計画を入手した。この試みは成功したが、対して意味のある取引ではなかった。なぜなら、高レベルの帝国の通信によって、野心的なシルドの評判を落とすため、戦いを放棄するようグリーランクスに指示が下っていたからである。フェルはベース・デルタ・ゼロを実行せよという命令に気分を悪くしていた。フェルは帝国で一般的に行われていた大虐殺に関与することをそれまで避けていた。しかし、彼は個人的に不快でも、嫌々ながら指示を実行することを受け入れる。フェルはまた、ハットが抵抗しないという仮定に頼るグリーランクスの単純な戦闘計画に反対した。当然、フェルは作戦が意図的に粗悪につくられていたことを知らなかった。作戦が愚かで自信過剰だと考えたフェルは、グリーランクスのリーダーシップをほとんど信用していなかったようである。グリーランクス自身は、フェルが彼の指示を疑っているらしいことや、その疑いによって、敗北の結果自分が無能さを責められることは回避不能だと理解していた。

戦いが始まると、フェルはナー・シャッダの密輸業者が組織化して効率的に惑星を防衛していることに気づいた。フェルは、密輸業者がかつてのクラスメートであるマコ・スピンスとハン・ソロによって指揮されていることは知らなかった(ソロは帝国に仕えて8か月後、ウーキー奴隷を助けたため軍法会議にかけられていた。フェルはこのことを知り驚き、失望した)。密輸業者の連合軍は前哨船として使われていた<ヴィジランス>を待ち伏せした。<ヴィジランス>はナー・シャッダの残骸フィールドで罠にかけられて大量の小型密輸船に攻撃され、フェルの旧友エルドンは戦死した。ひどく悲しんだフェルは、密輸業者を滅ぼすという決意を固くした。彼はグリーランクスに、攻撃を調整して戦う密輸業者たちを、より大きな脅威として扱うべきだと提案したが、戦いに負けるよう指示されていたグリーランクスは、その意見を退けた。

NarShaddaaBattle

ナー・シャッダの戦いで攻撃を受ける<プライド・オブ・ザ・セネト>

グリーランクスが主力艦の3隻のドレッドノートとバルク・クルーザーを楔形に配置するより先に、密輸業者たちは散らばった艦隊と戦い、勝利した。フェルの<プライド・オブ・ザ・セネト>は側面に配置されていた。ナー・シャッダに接近した帝国軍は、より大規模な艦隊が彼らを待ち受けていたことに驚いた(実際は、大部分の宇宙船がマジシャン・ザヴェリによってつくり出されたホログラムの偽物だった)。フェルのドレッドノートはドレア・レンサルの海賊艦隊と戦い、Yウイングからのプロトン魚雷の攻撃を受けたが、大きなダメージは負わなかった。レンサルの艦隊はドヴリスのドレッドノート、<ピースキーパー>を代わりの標的に選ぶ。この艦は制御不能になり、ナー・シャッダの重力に屈して堕ちていった。この状況を撤退の正当な理由にし、グリーランクスは全艦隊に退却を命じた。フェルはまだ帝国に勝ち目があると考え、グリーランクスに勇気が欠けていると感じた。

グリーランクスの副官、ジェロン中佐が退却の命令をフェルに中継した時、フェルは戦場にまだTIEファイターが残っており、彼らを捨てることはできないと反対した。ジェロンとグリーランクスはそんなことを気にかけず、フェルも命令を無視する気はなかった。しかし、フェルは命令に従いつつも、撤退に時間をかけることでTIEをできる限り回収した。彼は<プライド>への緊急撤退の放送をTIEに流し、わずか4分の1の速度でグリーランクスの宇宙船に続いていった。ドッキング・ベイには戦闘機12機分の余裕しかなかったが、戦場には15機が残っていた。フェルは3機を彼のシャトル・ベイに押し込み、出来る限り全員を救出したことに納得し、撤退する軍に追いついた。グリーランクスは怒ってフェルに連絡し、命令に従わなかったことを責めた。フェルは戦闘機とパイロットの回収は重要だと主張して反論する。グリーランクスはフェルのキャリアを終わりにすると脅したが、フェルはグリーランクスが臆病で役立たずだと報告書に書いておくと言い返した。グリーランクスは引き下がったようだが、フェルは彼の決定で階級が下がるのではないかと懸念した。しかし、フェルはベース・デルタ・ゼロを実行しなくて済んだという、戦いのわずかな明るい面に安心していた。

軍の教官[]

Fel-Darklighter

ダークライター候補生の教育を監督するフェル

数日後グリーランクスはダース・ヴェイダーに殺されるが、戦いにおける失敗はフェルにもまた悪い評判を残していた。フェルは将来スター・デストロイヤーの司令部へ移籍されることを望んでいたが、戦いの直後、彼はプレフスベルトIV帝国宇宙軍アカデミーに移され、パイロット部隊に戻ることになった。宇宙軍の大佐の階級に劣る、パイロットとしての大佐の階級に降格させられたことになる。

プレフスベルトIVで、フェルはパイロットの訓練教官として仕え、全ての科目において士官候補生を厳しく訓練し、帝国のために最高のパイロットを生み出すよう努めた。フェルのクラスには、タイコ・ソークービッグズ・ダークライターデレク・クリヴィアンレインレンス、やがてDS-181-3となる男などがいた。ソークーとダークライター、クリヴィアンはみな伝説的なパイロットへと成長したが、彼らのうち、シミュレーション訓練でフェルを破ることが出来たのはひとりもいなかった。フェルは候補生たちに気を配り、生徒たちと彼自身の間の信用を育み、彼らとの間に相互の尊敬のきずなを築いた。候補生レインがソークーのオルデラニアンとしての境遇を侮辱した時、ソークーはレインを殴った。フェルはソークーに規律を守らせるよりは、むしろ彼をかばい、レインが同僚を侮辱したことが間違いだと彼らに考えさせた。同時にフェルは、ソークーに彼の忠誠はオルデランでなく帝国にあることを思い出させた。フェルの在職期間、反乱同盟軍の一派が士官候補生の中で見つかった。フェルはこのとき反乱軍が危険で無秩序であると学生たちに教えた。銀河系市民が帝国のやり方が厳しすぎると感じているのではないかと何人かが意見したとき、フェルは、帝国は自分たちを守ることが出来ない者たちの保護と秩序を代表しているが、反乱軍はその秩序を破り、銀河系市民に混沌と脅威を生み出していると主張した。

フェルの理論は学生たちを奮起させ、彼らの特別な能力は高い地位にある人々の間で注目されるようになった。ナー・シャッダの事件はフェルの評判に傷をつけてはいたが、評判が台無しになっていたわけではなかった。グランドモフ・ターキンはフェルに興味を持ち続けており、フェルはターキンのボディガード部隊、すなわち彼をキャリアの頂点に持ち上げるであろう部隊に加わることを望んでいた。プレフスベルトでの2年間の後、フェルの精鋭クラスは卒業を迎えた。卒業式のパーティーの後、ターキンはフェルを彼の護衛部隊に勧誘した。フェルは有頂天になったが、彼の教え子の中でも最も優秀だったダークライターとクリヴィアンが最初の配属地で暴動を起こし、フリゲート艦<ランド・エクリプティック>を盗み出してしまったため、フェルのチャンスは突然ふいになってしまった。ターキンの護衛に配属されることはなく、フェルは罰として評判の悪い第181帝国ファイター・ウイングに移されることになった。彼のキャリアをやり直す可能性は破壊されてしまった。

エースに返り咲く[]

Second Battle of Ord Biniir

フェルの大きな功績となる第二次オード・ビニアの戦い

「ワン=エイティ=ワースト」のニックネームで知られた第181部隊は、粗末な部隊として悪名高く、隊員たちのキャリアはどん底だった。エヴィール・デリコート准将のほとんど存在しないに等しいリーダーシップのもと、大した腕のないパイロットと、中隊の指揮より庭いじりに興味を持つ平凡な将校が属する第181部隊には規律がほぼ存在せず、自発性に欠け、殺害を命じられた政敵が現れるまでただ日々を送っているだけだった。これはフェルにとって、とても容認できるものではなかった。第2中隊を指揮し、フェルは部下を規律と訓練の両方で満足な状態にするためデリコートの許可を求めた。デリコートは何気なく同意し、フェルは厳しい訓練を行って、彼の考える厳格な標準状態まで部下たちを引き上げた。

0 BBY、異動からさほど時間が経過していないが、フェルによって部下たちが駆り立てられた後、第2/181部隊は惑星オード・ビニアの奪回任務を割り当てられた。この惑星は反乱軍のYウイングによって帝国第223部隊から奪われていた。フェルは勝利の可能性の低さに狼狽えたものの、彼の中隊は素晴らしい活躍を見せ、多くの敵戦闘機を破壊して反乱軍をオード・ビニアから追い出した。フェルの活躍は単独でも注目を集めるのに十分だったが、この第二次オード・ビニアの戦いは帝国が破滅的な損失を出したヤヴィンの戦いとたまたま同じ日に発生していた。皮肉にも、もし彼がターキンの護衛部隊に加わりデス・スターに乗っていたら、彼のキャリアはこの日に終わっていたことになる。

帝国はフェルの勝利を宣伝し、ヤヴィン4でデス・スターを失ったニュースを矮小化しようと急いだ。フェルはインペリアル・センターで開かれたイベントで少佐に昇格し、英雄として祝福された。そこで、2人の年配の元老院議員がフェルから戦争の話を聞きたがったが、突然現れた美しい女性が介入し、フェルを別の場所へ引っ張っていった。フェルは彼女が有名な女優ウィンサ・スターフレアと名乗った時衝撃を受けた。彼女もコレリアンであり、フェルのしゃべり方のアクセントは彼女にノスタルジアを引き起こさせた。スターフレアもフェルを魅力的に思い、彼を祭から連れ出しパレス地区に向かい、2人で穏やかに時を過ごした。

フェルとスターフレアはコルサントの景色を見ながら付き合い始めた。ふたりの交際は第181部隊が帝国の首都に移動したことでより簡単になった。部隊はここで小型化され、精鋭部隊に作り直されたのである。フェルは多くの時間を割いてタール・フェナー大尉のようなエリート・パイロットの新兵を集めた。彼は真の特殊技術と帝国への強い献身だけを求め、政治的な地位への任命や栄光を受け入れなかった。公式にはデリコート准将の指揮が続いたが、フェルは宇宙軍副長として第181部隊を指揮し、それを帝国で最も恐れられる部隊のひとつに仕立て上げた。

ヤヴィンの戦い後のある時、フェルは少なくとも1名の反乱軍パイロットとの小規模な戦闘に、TIE/INインターセプターに乗って参加した。フェルは戦いに敗北し、故障したスターファイターで何とか戦場を脱出し、ハイパースペースへと逃げた。この頃、フェルはコレリアン星系ナブー星系タトゥ星系で行われた戦いに参加し、TIEインターセクターで飛行した。

Fel Syal

ウィンサ・スターフレアにプロポーズするフェル

スターフレアとの恋に深く落ちたフェルは、付き合い始めて1年近く経った後、彼女にプロポーズした。彼女はそれを受け入れたいという気持ちと同時に、ウィンサ・スターフレアが芸名であるという大きな秘密を明かすことを恐れていた。本名をシャル・アンティリーズという彼女は、反乱軍のエースウェッジ・アンティリーズの妹だったのである。彼女は秘密が知れ渡り経歴が台無しになってしまうこと、結婚によって彼女とフェルが堕落することを恐れていた。彼女はまた、兄とフェルが敵同士となって戦うことになり、どちらかが一方を殺す事態になることも恐れていた。フェルも同様に心配したが、そんなことは起こりそうにないことだと彼女を安心させ、結婚しようが付き合おうが、彼女が感じる苦しみに違いはないと語った。彼はまた、彼女の兄と結婚するわけではないと語り、彼女の経歴に関する疑念を退けた。フェルは彼女を安心させ、結婚を説得することが出来た。しかし常に慎重なフェルは、スターフレアの正体が知れ渡った時、2人の安全を守る計画を考案し始めていた。

1 ABYが始まったころ、フェルとスターフレアは結婚した。2人の結婚式はちょっとした公式のイベントとなり、帝国のプロパガンダ放送では男性アイドルの結婚として扱われた。スターフレアはフェルがどこの惑星を訪れるか知らないまま2人の新婚旅行を手配した。彼らは贅沢なリゾート地で2週間を過ごし、ここでフェルは自然に対する愛情を思い出した。結婚してから間もなくスターフレアは妊娠し、フェルの長男デイヴィン、二男チャックを出産した。おそらく義兄弟ウェッジの影響を懸念したため、デイヴィンとチャックの存在は秘密にされていた。彼らは家族のことを外で一切喋らず、家族はフェルの親戚によってコレリアで育てられた。

インペリアル・センターに戻った時、フェルはガーデニングを行った。植物学者だったこともあるデリコートが植物の世話のため彼を手伝った。フェルは第181部隊をエリート隊として訓練し続け、デリコートが部隊の指揮をフェルに完全に任せた後、部下たちを任務へと連れて行った。フェルはスターフレアとの結婚生活を楽しみ、帝国の有名人としての生活を送るが、アンティリーズと対峙しなければならないことを心配していた。フェルは義兄弟とパイロットとして対立することが回避不能だと、確信を深めるようになっていた。

デラIVと帝国への不信[]

Fel-barony

帝国の男爵となったフェル

3 ABY、フェルは彼の庭で帝国情報部部長イセイン・アイサードという特別な訪問者の接触を受けた。彼女は権力のオファーと性的な誘惑でフェルを唆そうとしたが、彼は彼女の提案を退けた。彼女はこの誘惑が皇帝パルパティーンから命じられた忠誠心のテストだったのだと説明し、フェルがそれをパスしたと語るが、フェルは申し出を拒否したことでアイサードが彼の敵になったと気づいた。アイサードはテストにパスした褒美として、フェルにデラIVで反乱軍と戦う機会を与えた。彼女が去った後も、フェルは彼女が自分を敵と判断したに違いないという考えに悩まされた。アイサードがフェルに対して行動を起こした場合に備え、妻が安全に姿を隠せるよう、フェルは妻に非常事態用の計画を進めるよう指示した。安全面を考慮し、フェルは妻の計画の内容を知らないままでいた。2人で別々に姿を隠した後、フェルは妻を探し出すつもりだった。

デラIVの戦いにおいて、フェルと第181部隊はダース・ヴェイダー本人から指示を与えられたが、フェルは戦闘中にあるエイリアンの提督に注意を払った。反エイリアン主義の帝国において、この提督が戦いに参加している理由は、戦闘計画の立案者が彼であるからに他ならないと、フェルは結論付けた。このことは帝国と人間至上主義政策に対するフェルの信頼を損なわせた。本来人間至上主義は、それ自身で自分たちを守ることが出来ない「下等種族」保護のため、人間の義務を推し進めるものだった。そのはずが、このエイリアンの提督は人間帝国の防衛者となっていたのである。

しかし、フェルはこの問題を無視して戦いで目覚ましい活躍を見せた。第181部隊は反乱軍の輸送船を狙い、反乱同盟軍に不可欠だった供給物を破壊した。フェルは戦闘機の援護も行い、レネゲード小隊アーハル・ナーラ司令官を殺害する。フェルはほとんど無力の反乱軍輸送船が破壊されたことを知らなかったが、部下たちが義務を十分に果たして反乱軍に大きな打撃を与えたことを知った。

戦いの後、部隊は絶え間なく報告を求められたが、フェルは常にエイリアンの提督から目を離さず、この提督が全く評価を得ていなかった点に着目した。戦いでの優れた活躍の結果として、インペリアル・センターで入念なセレモニーが開催された。ここで、デリコートは将軍に昇格してボーレイアス防衛軍の指揮権を与えられ、タール・フェナーは司令官に昇格し、フェルの中隊、第2/181部隊の指揮権を与えられた。フェル自身は大佐に昇格し、第181部隊の完全な指揮権を公式に与えられ、パルパティーン皇帝から直々に帝国の男爵の称号を与えられた。男爵の地位によってコレリアには巨大な住居が建てられた。彼は家族をそこへ引っ越しさせ、一家は静かで快適な生活を送ることが出来るようになった。本来活躍を果たしたはずのエイリアンの提督には何も与えられず、帝国の方針に対するフェルの意見は揺らいだ。提督が未知領域へ追放されたことをのちに知ったフェルは、帝国を純粋に信じることが出来なくなった。危険なアイサードの存在も考慮し、フェルは帝国のリーダーシップに不信を募らせるようになった。彼は帝国の秩序に従い続けるが、彼が抱く展望は理想的なものではなくなっていた。

第181部隊指揮官[]

第181部隊はダース・ヴェイダーのデス小艦隊に加わり、ホスの戦いでは、デラIVのときと同様、逃亡する反乱軍の輸送船を撃墜する任務を割り当てられた。ホス以降も、インペリアル・センター上空でヴェイダーがシゾールと対決したときなど、第181部隊は活躍を続けた。このときブラック・サンの指導者で、ヴェイダーのライバルであるシゾールは殺され、その宇宙軍は<エグゼクター>とその戦闘機に滅ぼされた。

ホスの戦いから間もなく、部隊は帝国の最新鋭機TIE/Inスターファイターにアップグレードされた。第181部隊のパイロットたちは赤のストライプで表現される10以上の撃墜マークを彼らのTIEインターセプターの翼に描きこみ、こうしたマーキングは第181帝国ファイター・ウイングの特徴的な目印になった。10機以上の敵戦闘機を撃墜するという条件を満たしていなかった隊員はごくわずかだった。バロン・フェル(フェル男爵)は指揮官として、セーバー1コールサインを使った。彼の副長はタール・フェナーであり、フェナーは1年も経たず少佐に昇格した。フェルのウイングマンは、「フェルの亡霊」の異名を持つプレフスベルト時代のかつての教え子だった。このウイングマンは、フェルに操縦させるためしばしば遠慮していた。

FelinROTJ

エンドアの戦いでのフェル

第181部隊はエンドアの戦いに参加し、ここでフェルは同盟軍艦隊全軍と交戦する。彼の戦闘機はスター・デストロイヤー<アヴェンジャー>や<キメラ>、バトルクルーザープライド・オブ・ターランディア>を守った。第181部隊のエリート・セーバー中隊の一員として、フェルは同盟軍のブルーグリーン中隊の多数の戦闘機を破壊した。しかし、あまりに多数の同盟軍の宇宙船と、上官から命じられる矛盾する命令のせいで、フェルは<ターランディア>が同盟軍に破壊されるのを防げなかった。彼はまた、第2デス・スターの破壊や皇帝パルパティーンを始めとする最上位の将校を失った帝国の惨憺たる敗北を阻止することもできなかった。戦いの後、フェルはモッデル宙域の惑星アナージへと退却した。

セイト・ペスタージュ大宰相が帝国の覇権を握った後も、フェルは新共和国となった反乱軍が組織的攻撃を展開する中、帝国に仕え続けた。TIEシリーズ・スターファイターの最新鋭機である改造型TIEディフェンダーを購入し、操縦に手を出してパイロット部隊に加わったアイラン・ライアド伯爵夫人と、フェルは敵対した。軍事政策のプレーヤーかつディフェンダーの支持者である彼女にフェルは怒り、厳しい批評を行った。ライアドと彼女のレッド・スター中隊は、出くわした宇宙船への無差別の攻撃を開始したため反逆罪の有罪判決を受け、フェルに追い詰められ殺害された。この頃、フェルは皇帝の手マーレック・スティールの技術を獲得した。スティールは第181部隊に新しく加わった伝説的パイロットのひとりだった。フェルと同様、スティールはエンドアの数か月後に帝国を疑うようになっていたが、フェルの個人的名誉や軍役への専念に対する強い感覚を見て刺激され、戦い続ける道を選んだ。

この時には、フェルは帝国軍の中で伝説的な地位を獲得していた。しかしフェル自身はTIEでの戦いの数年間を生き残ったのは、運が良かったためだと考えていた。帝国のプロパガンダにおける英雄として、彼の顔は新兵採用ポスターを飾り、アカデミーの教師たちは才能あるパイロットの究極的な例としてフェルの名を挙げた。訓練された人々がフェルの技術を直接見て強く感動する中、新しい士官候補生たちは彼のことを伝説と考えた。パイロット部隊の中には、有名なダース・ヴェイダーでさえ、コックピットにおけるフェルの才能を恐れているという根拠のない噂が飛び交っていた。ヴェイダーの死後、フェルは存命の帝国パイロットの中で一番の腕前だと広く考えられるようになり、義兄弟であるウェッジ・アンティリーズは、一般的に銀河一のパイロットの名を懸けたフェルのライバルだとみなされていた。フェルの名は帝国全土と反乱軍の上層部で有名だったが、若い反乱軍兵士の多くは彼の存在を知らなかった。彼らは第181部隊と戦った経験がなく、帝国の情報源にほとんどアクセスしていなかったからである。

ブレンタールIVの戦い[]

Fel-garden

ヴールティンの庭で、戦いの前のストレスを和らげるフェル

「たしかにバロン・フェルは帝国軍に忠実だった。少なくとも、アイザード[2] みたいな狂った人殺しが牛耳る前の帝国には忠実だった」
―ケイリブ・デヴィスト[出典]

エンドアの戦いの9か月後、第181部隊の中隊は、帝国政府の頂点に上り詰めたアイサードから、ブレンタールIVを新共和国から防衛する任務を与えられる。しかしアイサードはこの惑星を本当に占拠するつもりはなかった。彼女はペスタージュが失脚する状況を作り出すため、わざとこの戦いに負けるつもりだったのである。第181部隊から中隊が派遣されるが、ロン・アイソート提督が指揮する惑星防衛軍がまだ現地に残っていた。この軍は防衛任務よりも道楽にふける、まったくの役立たず軍隊だと広く知れ渡っていた。フェルのパイロット中隊がアンティリーズのエリート・ローグ中隊に破られ、ブレンタールIVの衛星基地が奪われた時、フェルはアイサードが隊員の命を政治ゲームのため弄んだことに怒りを燃やした。アイサードはフェルと第181部隊の生き残りにブレンタールへ行くよう命じ、ローグ中隊のアンティリーズを倒せる可能性について嘲った。この時、アイサードは明らかにフェルとアンティリーズの関係を知っていた。フェルはアイサードに作為を感じると怒って語るが、必要なら命令に従ってローグ中隊も倒してみせると告げた。

フェルはアイソートの本拠地ヴールティンに到着した。肉体的な楽しみを提供しようというアイソートの申し出を無視したフェルは、この提督が戦略的問題を気にしていないことを心配した。フェルは敵が大量の兵員を降下させるのに必要な宇宙港施設のある都市、オラディンを攻撃するだろうと考えたが、アイソートはその推測を却下し、敵が彼の本拠地を攻撃するだろうと仮定しそこを強化する。アイソートはオラディンに戦闘機を送ることを許可したが、本拠地防衛のためヴールティンにも何機か残しておくよう要求した。こうしてフェルはヴールティンに残り、新共和国情報部はヴールティンがフェルの軍隊の基地だと誤認することになった。

ローグ中隊がヴールティンでフェイントをかける中、アグレッサー・ウイングがオラディンを攻撃したが、実はフェルはこの都市に拠点を置いていた。攻撃の直前、副官フェナーがフェルに近づき、役立たずのアイソートの命令に背いて、アイサードとペスタージュの政治ゲームから身を置き、軍将として第181部隊でブレンタールIVを支配してはどうかと提案した。フェルはフェナーに同情的だったが、フェルの義務はアイサードでもペスタージュでもなく帝国市民にあり、命令に従ってブレンタールの帝国市民を防衛すると語り、副官の野心的な意見を却下した。

戦闘中、フェルは彼が作り上げた対Yウイング用攻撃パターンを使って複数のYウイングを撃墜するが、ローグ中隊の攻撃を受けていたアイソートの本部、ヴールティンへと呼び戻された。フェナーはフェルにアイソートを無視し、オラディンで新共和国の主要な攻撃に焦点を当てるよう迫ったが、フェルは命令に従ってヴールティンに戻った。彼はフェナーに、オラディンからの撤退中、新共和国が獲得する資源をできるだけ減らすように指示した。しかし、フェルが戻る前にローグ中隊はヴールティンから撤退していた。

Fel-disabled

ソームのYウイングが放つイオン砲で、フェルのTIEは機能停止した

ヴールティンに戻ると、アイソートは第181部隊の勝利を想定し、オラディンで共和国の攻撃部隊を破ったことを祝う祝賀会を開いていた。アイソートは、重大な損失を出したにもかかわらずオラディンが敵に奪われたことを無視していた。アイソートは「オラディン・ダイヤモンド」という賞をねつ造し、フェルのパイロットたち全員に贈った。フェルは無意味な装飾を拒否するが、アイソートは彼の謙遜を称賛し、男爵を記念する休日、フェルの日をつくることを宣言した。フェナーは「勝利」に高揚し祝賀会でフェルと会話したが、フェルはブレンタールIVは栄光など存在しない政治的な罠だったと彼に教え、間違った考えを解こうとした。フェルは実際、アイサードが政的権力を増大させるため、フェルたちの命を捨て駒に使うつもりであることにはっきりと気づいていた。フェルは妻とホログラムで会話し、この状況を生き残ってみせると語り妻を安心させた。

新共和国が避難と略奪を阻止するため部隊を展開したとき、フェルと部下たちは戦いを始めた。空中で始まった新共和国との戦いは、やがて宇宙に戦場を移し、フェルはホートン・ソーム大佐のYウイングを不能にした。このアグレッサー・ウイングのリーダーを倒そうとしたフェルだったが、アンティリーズの攻撃を受けて退却を余儀なくされ、ソーラー・パネルの端に軽いダメージを負った。フェルはアンティリーズとの大接戦をはじめ、敵の背後へと回った。フェルはアンティリーズを倒しかけたが、この新共和国パイロットが右側に逸れるとソームのYウイングが姿を現し、フェルのインターセプターにイオン砲を直撃させた。フェルのファイターは機能停止し、彼は新共和国に囚われてしまった。

新共和国[]

離反[]

Fel-Wedge

新共和国のドレス・ユニフォームを着込み、義兄弟のウェッジ・アンティリーズの隣に立つフェル

フェルが捕まったことを知ると、スターフレアは子供たちを連れてすぐに姿を隠した。フェルは<ホーム・ワン>の独房に収監され、ウェッジ・アンティリーズに呼び出された。義理の兄弟が到着すると、フェルは帝国の女優ウィンサ・スターフレアが、ウェッジの長期間行方不明だった妹、シャル・アンティリーズであることを明かした。フェルは共和国側に尋問される。あるインタビューの中で、フェルは彼の人生について語り、自分はルーク・スカイウォーカーであリ得たかもしれないし、逆にルーク・スカイウォーカーがフェルになっていた可能性もあったと語った。どちらも、飛行を愛する農場の息子だったからである。もしスカイウォーカーが帝国アカデミー入学の願望を叶え、フェルが叶えられなかった場合、ふたりの役割は容易く逆転していたと、彼は感じていた。インタビューの後、フェルは新共和国に離反したいという願望を表明した。彼はデラIV以来帝国に対する信頼を失い、帝国に彼が使えるべき理想が存在しないと長い間考えていたのである。新共和国が妻を見つける手助けをする条件で、彼は新共和国軍スターファイター隊に加わることに同意した。

フェルの申し出は受け入れられ、彼は新共和国で最もエリートのスターファイター隊、ローグ中隊に入隊することになった。もしフェルが裏切り者だった場合、新共和国側はパイロットたちを使って彼を包囲し、制御することが出来たのである。もっとも、アンティリーズはフェルの離反が嘘ではないと信じていた。フェルはローグ10のコールサインを割り当てられ、中隊の新規パイロットの1人、エイヴァン・ベルースのウイングメイトになった。フェルは大佐の肩書を保持し続けたが、中隊の指揮は大尉であるアンティリーズが執った。フェルの使った「大佐」の肩書は、いわゆる名誉職のようなものだったか、特別な取り決めの一部だった可能性がある。フェルはXウイング・シミュレーターとコックピットで精力的な訓練を開始し、新共和国の主要戦闘機での感覚を掴んで、早くもそれに適応した。彼は新共和国の戦闘機に付属してる、防衛力を高めるシールドの存在を楽しんでいた。

しかし仲間のパイロットたちはひどく疑り深く、フェルがスパイであると疑ったり、帝国軍人だったことから彼を嫌ったりした。ヌリン・ヴァキルイスプロールダカーサ・エスティロは特に、フェルの離反が真実だとしても、遅すぎたのではないかと批判的だった。しかし、フェルのかつての教え子、ソークーとクリヴィアンは、かつて彼ら自身帝国軍人で個人的に彼のことを知っていたため、フェルに2度目のチャンスが与えられることに肯定的だった。離反後2か月の間、フェルと仲間のパイロットの間には遠い距離感があり、多くの時間を1人で過ごし、妻と再会することを切望していた。しかし彼はこれが消極的なふるまいだと認識しており、部隊から孤立していると感じていた。アンティリーズやソークー、他の者たちは、フェルに近づいて彼を社会的活動に引っ張り込まなければならなかった。

フェルは彼が新共和国側に離反したことに、帝国の軍人たちはしばらく気づかないだろうと信じていた。アンティリーズはスターフレアの情報を探し、帝国がフェルの離反に気づき報復する前にフェル家の他のメンバーを新共和国に勧誘するため、エスティロとクリヴィアン、ウェス・ジャンセンをコレリアのフェルの邸宅に派遣した。3人のパイロットたちは、フェルの若き甥フィリックが、帝国情報部をバックに持つイリア・ポストに誘拐されていることを知った。彼らの目的はフェル家のメンバーからスターフレアの位置を聞き出すことだった。フェルの弟トドルと義理の妹エージェイは新共和国のパイロットを使ってポストを攻撃し、フィリックを取り戻した。3人はローグ中隊とともに逃げたが、彼らの話によれば、彼らはコレリアにいる唯一のフェルの親戚というわけではなかった。しかし彼らのうち、新共和国の申し出に応じたのは1人だけだった。スターフレアも結局見つからなかった。しかしフェルは、アイサードが単にスターフレアを疑っているだけで、フェルが裏切った事実をはっきり知らないだろうと考えていた。

新共和国軍パイロット[]

「おれが覚えているかぎりじゃ、彼は帝国軍とは縁を切り、ローグ中隊に加わったあと、再び帝国軍に捕まった」
ランド・カルリジアン[出典]
Fel-Han

イアトゥーの任務でかつてのクラスメート、ソロと再会するフェル

きちんと訓練を受けた後、フェルはローグ隊員と共に飛行を開始した。彼の離反から1か月後の訓練任務で、中隊が予期せずに海賊と遭遇した時、フェルは3機のTIEウイングアグリーからローグ6を救った。この任務の後、フェルはかつての教え子ソークーとともに、イアトゥー6国務大臣レイア・オーガナをエスコートする任務に配置されることを知った。イアトゥーは、中隊の仲間エスティロが統治する惑星だった。フェルの存在は、新共和国に加わることが最善の道だと敵を説得することが出来る、帝国の腐敗を現す強力な象徴となっていた。しかしフェルは、彼の存在を明かすことでアイサードが妻を拘留するのではなく、処刑してしまうのではないかと心配していた。しかし彼の離反は秘密事項で、新共和国の惑星は妻の避難所として安全だと、自分を納得させていた。

フェルとソークー、オーガナは<ミレニアム・ファルコン>に乗ってイアトゥーに運ばれた。その途中、フェルはかつてのクラスメート、ハン・ソロと再会する。2人は過去、特に帝国に仕えたフェルの過去について議論を交わした。惑星に着陸すると、フェルは古い帝国のユニフォームを着て外交レセプションに出席した。離反していたにもかかわらず、フェルは赤い縞模様の第181部隊のユニフォームやフライトスーツを好んでいた。レセプションで、彼はイアトゥーの貴族数人と会話し、貴族の家系をトップに置く社会の考え方を退けたことで、アリアン・ラーバン伯爵の怒りを買った。

サミットが始まって間もなく、オーガナとソークーは未知の一派によってさらわれた。誘拐実行に用いられた秘密の通路を知っていたものは少なく、過去に反共和国体制をとっていたラーバンがすぐに疑われた。エスティロとフェル、ソロとエスティロの配偶者リアル・パーノン伯爵はラーバンを取り調べる準備をし、必要に応じて拷問をするつもりだったが、フェルは他の者たちに、彼ひとりでラーバンに対処させるよう頼んだ。フェルはラーバンに、自分の離反は策略だと嘘をつき、帝国の高レベルの暗号、AY3ディレクティヴを提供できると話し、ラーバンに協力を求めた。ラーバンは、かつて宙域モフだった海賊ギャングのリーダー、レオニラ・タヴィラにオーガナの居場所を密告したことを明かした。

その後、ソロとフェル、チューバッカは誘拐の直後に不正な船籍で星系を離れたことが発覚した宇宙船を追跡するため、出発した。フェルとソロは再び彼らの経歴を議論し、帝国への幻滅と反乱軍に加盟した過去について話し合った。彼らはスターフォージ・ステーションへと宇宙船を追跡し、拉致被害者を運ぶレイトという小物の密輸業者と対峙した。レイトは何も語らず、フェルは彼に暴力を振るいかけたが、ソロが宇宙船の修理ログを盗み出し、船がアクシーラに停泊したことを掴んだ。フェルは<ミレニアム・ファルコン>の四連レーザー砲席に座り、アクシーラにおけるローグ中隊とタヴィラの海賊部隊との戦いに間に合うように到着した。ソークーとオーガナは、盗んだYウイングで脱出していた。海賊を破った後、フェルは「オーガナ」が本物ではないことを知る。本物のオーガナはアクシーラでペスタージュと和解について交渉する中、ウィンターが影武者を務めていたのだった。

デレク・クレンネル提督がスター・デストロイヤー<レコニング>で到着した時、彼らの脱出は完了した。フェルは<ファルコン>でTIEファイターを拿捕し、彼がそれに乗って帝国の共通システムを使いクレンネルと連絡を取り、再びスパイの振りをして、脱出を命じるAT3ディレクティヴを送信するという作戦を考案した。命令は<レコニング>のペスタージュの副官に確認され、帝国は撤退していった。1か月後、フェルとローグ中隊は新しい任務に就いた。ブロシック総督の管理下で、シウトリックにいるペスタージュは新共和国への離反を試みていた。ローグ中隊とアグレッサー・ウイングはカップ・デンドーの3つのコマンド・チームがペスタージュを回収する間、カバーに回ることになった。出発前、フェルはテルシジ・カイール中尉と対面した。Yウイング・パイロットである彼女は、ブレンタールIVでフェルに撃墜され、重傷を負った経験があった。フェルは彼女の怒りが爆発するだろうと予想したが、彼女はフェルの離反を祝福し、仲間の新共和国支持者を悪く思っていないと明言し、フェルと共に飛べることを誇りに思っていると語った。

Fel

Xウイングに乗るフェル

フェルは満足した気分で任務に出発した。クレンネルが再びアイサードの命令に従い、<レコニング>とインターディクター級スター・デストロイヤーバインダー>でやってくるまでは、任務はゆっくりと進んでいた。脱出を妨害されたローグ中隊は、アグレッサー・ウイングが逃げる間身を隠さなければならなかった。地上で野営しているとき、フェルは新共和国保護下のペスタージュに話しかけた。フェルは帝国がすでに崩壊しており、新共和国に入ったほうがいいとペスタージュを説得しようとする。ペスタージュは新共和国が役に立たない権力保持者だと一蹴し、帝国に大きな借りを持つフェルは本物の新共和国軍人にはなれないと主張した。ペスタージュが、帝国の派遣から追いやられたという彼自身の現状に対して盲目的でわがままなことに失望し、フェルはその場を離れていった。

再び戦闘に参加したフェルは、敵の数を削る作戦を実行し、クレンネル側のパトロール中のTIEを数機撃墜した。この戦いで、仲間のローグ中隊隊員イブティザムが命を落とした。彼女に思いを寄せていたヌリン・ヴァキルは悲しみに暮れてペスタージュを殺しかけたが、フェルが彼を止めた。そのせいでフェルの離反についてまた新しい議論が起こったが、フェルは所属組織を変えたのと同時に態度も改めたのだとヴァキルを説得した。その後ローグ中隊は宇宙空間に進み、ミラックス・テリックが星系の端に逃げていたアグレッサー・ウイングと共に到着するまでTIEファイター数機と戦っていた。クレンネルが投入したTIEの多くを倒したパイロットたちは、燃料を再補給し、<レコニング>のシールドを不能にし<バインダー>にダメージを与えるために出撃した。<バインダー>のインターディクション・フィールドが無くなると新共和国軍は脱出したが、ペスタージュは彼らのもとを抜け出してクレンネル提督と落ち合った。ペスタージュはクレンネルが彼と手を結んでくれると考えていたが、この提督はかつての帝国の権力者を殺害した。

フェルが離反したことが明るみになると、帝国はフェルを中傷するキャンペーンを開始し、彼のことをブレンタールの悪人と描写し、アイソートのことを英雄扱いした。フェルはルーク・スカイウォーカーと知り合うようになるほど長い期間、ローグ中隊隊員として新共和国に仕えた。フェルは、新共和国に保護され、帝国での芸名を捨て再びシャルを名乗るようになった妻と5ヶ月後に再会した時、彼自身の決断に対する信頼は正しかったのだと確信した。大喜びしたフェルはさらにその後数か月、新共和国に仕えたが、大きな戦いでアイサードの軍を破る重要な役割を果たすと、アイサードは彼に対する対処を始めた。既に何度も攻撃を逃れられていることに激怒していた彼女は、フェルの捜索を開始した。それとは別にスローン大提督も、フェルを誘拐する罠を計画していた。エンドアの戦いのおよそ1年と半年後、フェルは突然失踪する。新共和国は、フェルがアイサードの手にかかって殺されたのだと判断した。アンティリーズもフェルが死んだのだと信じ、6 ABY、新共和国によるコルサント奪回の直前、アンティリーズはフェルの人生に関する報告を記録した。この報告は、歴史家ヴォレン・ナルによる『新共和国口述歴史』にも載せられた。

ハンド帝国[]

スローンの帝国[]

「スローンはわたしをここに連れてきた。われわれが何に直面しているか、見せてくれた。そして、それを阻止するためには、どうすればいいかを。帝国と新共和国の全艦隊を合わせ、彼がその指揮を執ったとしても、勝利を手にできる保証はないことも、だ。 …(中略)… スローンの意図を理解したあとは―真に理解したあとは―彼に加わらないわけにはいかなかった」
―スローンについて語るスーンティア・フェル[出典]
Fel-uniform

第181部隊の制服を着るフェル。彼のハンド帝国の制服にも、袖と脚に赤いストライプ模様があった

実はフェルはアイサードに殺されておらず、拘束もされていなかった。アイサードはフェルをスローン大提督に引き渡していた。フェルがデラIVで目撃したエイリアンの提督こそ、このスローンだった。スローンはフェルを仲間にしようとするが、フェルは再び離反する必要があるのかと疑問を抱いた。未知領域に配置されていたスローンは、この孤立した領域に存在する、銀河系市民の文明にとって致命的な無数の脅威をフェルに示し、彼らと戦う必要があると納得させた。ハンド・オブ・スローンと呼ばれる惑星ニラーンにあるスローンの秘密基地で、フェルはスローンのハンド帝国に加わった。帝国の資産によってつくられたハンド帝国は、スローンの指揮と、“シンディック・ミスローニュルオドの国家防衛軍”として知られるチスの部隊の補助から成る組織だった(ミスローニュルオドとはスローンのフルネームである)。フェルはハンド帝国に仕えることを受け入れ、重要な仕事をこなした。フェルは、ハンド帝国はパルパティーンやアイサードの堕落した帝政とは異なる、偏見のない非圧政的な政府だと確信していた。

スローンとフェルは、シャルがニラーンで彼らと合流するよう手配した。彼女が数か月後に姿を消すと、他の者たちはアイサードがフェルと同様その妻も捕えたのだと勘違いした。その後の分析でアイサードによる拉致の確実性は低いことが判明したが、事実は明らかにならなかった。デイヴィンとチャック(フェルの子供の存在は、帝国や新共和国、アンティリーズでさえ知らなかった。彼らの秘密はシャルの個人情報よりも厳重に守られていた)もニラーンに移った。フェルは忠誠を尽くしてスローンの軍隊に仕え、将軍の階級を得た。フェルは過去に使用をやめていた男爵の称号を再び使い始めた(この称号が法的に復活したのか、単に尊敬の意味で使われていたのかは不明である)。フェルが再び帝国に仕え始めたことを知らない新共和国の者たちも、フェルを男爵の称号で呼んでいた。

7 ABYズンジ軍将は、スーンティア・フェルの替え玉を利用する計画に着手した。彼は俳優テトラン・コーワルを雇い、フェルの声と特徴を演じさせ、フェルの操縦技術を再現するドロイドが運転を援助するTIEインターセプターのコックピットに彼を乗せた。ズンジは計画を成功させるため、偽物の第181部隊もつくった。偽物によってズンジの軍の中に伝説的エース・パイロットが存命していることを匂わせ、ウェッジ・アンティリーズを罠に引き込んで殺す計画だったのだ。偽物のフェルは目撃されず、スターファイターだけが目撃されたが、この偽装によってアンティリーズや新共和国が騙された。アンティリーズはセラギスの戦いでコーワルを撃墜し、計画を暴いた。

ある時、フェルはグレイ中隊の指揮官になり、エイリアンの軍将ヌソ・エスヴァに対するハンド帝国の軍事活動に参加した。8 ABY、ハンド帝国はエスヴァを惑星クェソルドへと追跡するが、エスヴァはそこで惑星の住民クェソスのリーダー、クイーン・オブ・ザ・レッドと同盟を結んだ。クェソルドへの攻撃に備え、スローンはスター・デストロイヤー<アドモニター>に乗り、エスヴァの状況をフェルや上級将校のヴォス・パークストームトルーパー・コマンダーのバルキンストロマ評議会連絡員ニアマストロマから派遣された使節)たちと話し合った。映像が得られると、スローン、フェル、パーク、バルキン、ニアマは再び集まって記録を見た。彼らはクェソルドのレッド・シティでエスヴァを攻撃し、帝国ジャガーノート・ビークルがエスヴァとクェソスによる攻撃を引き受けている間に、フェルとグレイ中隊が都市のシールドの狭間を飛行し、シールド発生装置とレーザー砲台をいくつか破壊するという計画を立てた。

Soontir Fel by Drew Baker

スーンティア・フェル

まもなく戦いが始まり、フェルと3つのTIEファイター中隊は彼の指揮のもとレッド・シティの端に着陸する帝国軍を援護した。スローンは配置の進捗状況を知るためコムリンクを使ってフェルと連絡を取り、クェソスたちががクェソス・ソルジャー言語(クイーンがソルジャーと連絡を取るために使う言語)を使い始めたことに気づいたら報告するよう指示した。その後帝国のジャガーノートは計画通りレッド・シティへと進軍し、フェルはグレイ中隊に隊形をとって都市のシールドの抜け穴を探すよう命じた。しかし、間もなく彼はレーザー砲の攻撃を受け、被弾を避けるために回避行動をとらなければならなくなった。帝国側がソルジャー言語の連絡を行う音声装置の場所をすべて突き止めると、スローンはフェルに都市を襲撃する許可を与えた。フェルはエスヴォの砲術士に彼が被弾したと見せかけるため、戦闘機に偽のダメージを描き、チスのウイングメイト、クレステンタルシコア・ネームはステント)と共に都市のシールドへ向けて飛行した。ステントにレーザー砲で砲撃するため、一時的にシールドに隙間が生まれると、フェルはスターファイターに取り付けていた複数の爆発ボルトを同時に起動し、スターファイターの翼を自ら落とした。翼を無くした戦闘機は隙間を通れるほどスリムになり、フェルは抜け穴を通るとすぐに攻撃を行いクイーンの通信装置をひとつだけ残してすべて破壊した(残りのひとつは、スローンが敵のソルジャーに対して利用する予定だった)。その後、フェルは残った音声装置を守れる場所に戦闘機を移動させる。スローンは最後の装置を使って、あらかじめ記録していた、エスヴァとその仲間を守るようクェソス・ソルジャーに指示する命令を流した。最終的に帝国は戦いに勝ち、エスヴァとクイーン・オブ・ザ・レッドは殺された。

スローンが銀河帝国の軍を指揮するため未知領域を離れた時、フェルはハンド帝国のスターファイター隊の指揮官として居残り、スローン不在のハンド帝国の管理人に任命されたヴォス・パーク提督に、中尉として仕えた。フェルはスローンのタンティス山クローン施設に遺伝子情報を提供した。そこでは何百という彼のクローンが生み出され、スローンが危惧していた銀河系侵略が発生した場合に備え、スリーパー・セルに入れられ新共和国と銀河帝国の領域中へとばらまかれた。9 ABYにスローンが殺害されると、フェルはショックを受けたが、スローンの約束を信じて待ち続けた。生前、スローンは彼の死が報じられても、その10年後には復活すると約束していたのである。スローンが死んだため、パークがハンド帝国の指揮官になった。フェルのかつてのグレイ中隊のウイングメイトで、国家防衛軍のマスターであるクレステンタルシとともに、フェルとパークはハンド帝国の上級司令部を形作っていたようである。フェルはステントよりも高い地位にいた。

フェルは未知領域の厳しい環境で家族を養った。7 ABY、フェルにはデイヴィンとチャックに続く男の子が生まれ、シャルの父親に因んでジャグドと名付けた。女の子のチェリスウィンサも生まれた。四男のセムも生まれるが、家系を絶やさないためのチスの慣習に従い、彼を影の子どもとして育てた。チスの中で育ち、フェルの子供たちは厳しい自己管理能力を教わり早熟に育った。デイヴィンが十分な年齢に達すると、フェルはハンド帝国との繋がりを使って彼をチスの軍事アカデミーに送った。デイヴィンの入学はステントに保証され、フェルはアカデミーの位置を知る唯一の人間となった。先制攻撃を採用しているハンド帝国はチスの主流社会に受け入れられなかったため、フェルはアカデミー側からチス・アセンダンシーインペリアル・レムナントの橋渡し役と思われていた。やがてはジャグドもアカデミーに送られた。チャックはこうしたアカデミーに通っていなかったが、ハンド帝国で指揮官の階級を得て、クロークラフトの部隊を率いた。ジャグドは16歳の時に彼自身の中隊を指揮し、18歳の時には大佐となってクロークラフトの大隊スパイク隊を率いた。デイヴィンとチェリスもハンド帝国の軍部に仕えた。しかし25 ABY以前、デイヴィンはハンド帝国での軍事活動中に20歳で命を落とし、チェリスももっと若い年齢で死んでしまった。

フェルは指揮官としてだけでなく、未知領域の略奪者たちに対するハンド帝国の戦争において、この広大な領域中で最前線に立って戦った。ある軍将に対する最後の戦いの中で、フェルは右目を失った。ハンド帝国の医療資源は限られていたため、フェルは他の負傷者のためにクローンや人工の義眼を使うことを辞退し、代わりに眼帯を付けた。ただし、彼は隻眼になっても領域内の最高のパイロットであることには変わりないと冗談交じりに自慢していた。ある時点で、フェルは怪我によって足が少し不自由になった。

銀河系とのつながり[]

「われわれにはプライドにこだわっている余裕はないんだ、ジェイド」
―マラ・ジェイドに対し、スーンティア・フェル[出典]
Soontir Fel

スーンティア・フェル将軍

フェルとパークは、ハンド帝国を銀河帝国の主流派閥やその後継者インペリアル・レムナントに引き渡すことを拒否し、スローンの帰還を待ち続けた。スローンの死から10年後、スローンがまだレムナントの領域で生きているという噂を未知領域で耳にした時、2人は、それが本当ならスローンは最も忠実な部下である彼らに最初に連絡を取るはずだと考え、噂を疑った。しかし、噂を無視することが出来ないほど、タイミングは切迫していた。フェルはクロークラフト・ファイターに、マラ・ジェイドを捜索するよう命じた。パークは、帝国に属した過去を持ち、新共和国と繋がりがあり、銀河系で最も知識の深い情報ブローカー、タロン・カードの副官であるジェイドが、ハンド帝国と銀河系を結ぶ仲介者として最適だと考えたのである。

ジェイドは宇宙船の進行方向による三角測定法によってニラーンの位置を突き止め、彼らを追ってニラーンへやって来たが、撃墜された。救出任務のためにやってきたルーク・スカイウォーカーとともに、ジェイドは2人でハンド・オブ・スローンへと潜入した。ジェイドは捕えられ、フェルとパークの前へ連れられ、フェルの人生と、ハンド帝国の歴史の概要を教えられた。フェルたちは彼女にハンド帝国に加わり、インペリアル・レムナントや新共和国と交渉するよう勧誘したが、断られた。フェルとパークは、インペリアル・レムナントの首都バスティオンに特使を送り、銀河系にハンド帝国の存在を明かすことに決めた。ジェイドはその方針に強く反対したが、フェルはジェイドをチャリクで攻撃し、重傷を負わせて彼女が治癒能力を使わざるを得ない状況にしようとしたが、スカイウォーカーがそこに介入した。彼はフェルとの短い再会を楽しみ、ジェイドとともに逃げ去っていった。フェルとパークはバスティオンを偵察していたパイロット、ソーンに報告を求め、インペリアル・レムナントと連絡を取るため船を発進する準備をした。しかしその前に、ジェイドが彼女の船<ジェイズ・ファイア>をハンド・オブ・スローンのハンガー・ベイに向けて操縦し、フェルの全ての宇宙船を破壊、あるいは損傷を負わせ、バスティオンに特使を送れなくしてしまった。脱出中、ジェイドとスカイウォーカーは間もなく目覚めることになっていたスローンのクローンを仕方なく殺した。フェルたちは知らなかったが、ハンド・オブ・スローンの秘密の部屋で育成されていたクローンこそ、スローンが約束した“復活”の真相だった。一方、レムナントで噂になっていた別の「スローン」の正体は、堕落したモフ、ヴィリム・ディズラに仕える詐欺師であることが発覚した。

ジェイドの破壊工作によってもたらされたハンド・オブ・スローンの弱点が海賊の艦隊に発見されたため、ハンド帝国は退却を余儀なくされた。海賊たちはジャグドが通っていたチス・アカデミーも発見したが、フェルは攻撃を生き残り、基地を奪回した。海賊を退ける戦いでフェルの息子は大活躍し、勝利に大きな貢献を果たして教師から非常に信頼されるようになった。この出来事の後、フェルとパークはスローンの復活がもはやあり得ないことを知った(スカイウォーカーとジェイドも既にそのことを知っていたが)。フェルたちはスローンの後継者である帝国艦隊最高司令官ギラッド・ペレオンや、新共和国国家元首レイア・オーガナ・ソロに対し、自分たちの領域を隠しあまり協力的ではなかったものの、彼らと慎重に関係を築き始めた。

22 ABY、ハンド帝国と一時的に手を結んだチス・アセンダンシーのアリストクラチャフォーンビントラノは、未知領域の大きな脅威のひとつである遊牧的海賊種族、ヴァガーリを滅ぼす計画を立てた。チスは先制攻撃を禁じていたので、彼らはヴァガーリと戦争状態になるためにうまく事を運ばなければならなかった。彼から要請を受けたパークとフェルは、フェルの息子チャックが指揮を執るストームトルーパー第501軍団の、4人組の部隊アウトバウンド・フライトの残骸への外交使節団として派遣した。スカイウォーカーとジェイド(彼らは結婚していた)もチスの使節に加わった。ヴァガーリが攻撃を開始した時、ジェダイとハンド帝国はアリストクラ・チャフォーンビントラノが意図したとおり、海賊を追い払う上で重要な活躍を果たした。この後、パークはハンド帝国の表舞台から姿を消したが、フェルは当初の3人の指導者の中で唯一、高位将校として著名なまま生き残っていた。事実は明らかではないが、パークの年齢を考えると、彼が他界したためにフェルがハンド帝国の指揮権を引き継いだ可能性がある。

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28 ABY当時、56歳のバロン・フェル

25 ABY、ユージャン・ヴォング侵略に直面したペレオン提督が全軍を呼び戻した時、ハンド帝国もそのことを知り、フェルは息子ジャグドが率いるスパイク隊を含む3中隊を、インペリアル・レムナントを手助けするため派遣した。ジャグドはアイソア防衛戦線で勇敢に戦い、おじのアンティリーズと再開した。ペレオンのモフたちにインペリアル・スペースに戻るよう強要されたジャグドは、父親に報告するため中隊を送り戻し、残った2人でローグ中隊と共にユージャン・ヴォングと戦い続ける決断をした。彼らが十分な支援を受けていないと感じたフェルは、しばらくすると息子を呼び戻した。フェルはハンド帝国が独自に戦う間、新共和国も彼ら自身の戦いをやり抜けると考えていたのである。

フェルは彼自身の義務を果たし続け、ニラーンで未知の理由により破棄されていた秘密基地をいくつか発見した。27 ABY、フェルはコルサントの陥落を知った。このことを深く懸念したフェルは、新共和国が彼の助けを必要としていると感じた。彼はジャグドをオフィスに呼び出し、再びハンド帝国の部隊を派遣することを検討した。ジャグドは出撃を望んだが、フェルはあまり気乗りしてはいなかった。フェルは最終的に、ユージャン・ヴォングについてより多くのことを学ばせ、敵の戦術を報告させるため、ジャグドとショーンカー・ニュルオドを派遣することに決めた。彼は三男も戦死してしまうのではないかとひどく心配していたが、戦争中には困難な決断も必要であることは理解していた。ジャグドはユージャン・ヴォングとヘイピーズやボーレイアスで戦い、彼に報告を寄せた。その後も戦い続けたジャグドは、ジェイナ・ソロとの恋に落ちた。フェルはもともと偵察任務に就いていたチスで構成される、完全な中隊を援軍に送ることにしたが、ジャグドは帰還する予定の時期を過ぎても戦いに残った。

チスの社会[]

「チスに加わってから、わたしはすべてをささげてきた。その権利は―――」
「あんたはスローンに加わったのよ、フェル!それはチスに加わるのとは違う。わたしたちには、彼が背を向けたやり方や伝統があった。彼に加わったことで、あんたはそれを尊敬していないことも示したわ」
―スーンティア・フェルとガネット[出典]

28 ABYの大きな改革によって、フェルはハンド帝国からチス・アセンダンシーへと移り、チス拡張防衛艦隊(CEDF)のシンディック補佐となり、首都惑星シーラに住むようになった。この動きはスカイウォーカーたちにも知られていた。フェルは一般の人物では会うことが出来ないような高い階級のチスと顔を合わせる、数少ない人間のひとりだった。ただし、チスは彼らの鎖国的な社会に、銀河的な経験値をもたらす人間をより多く求めていた。フェルがアセンダンシーに編入したのはチス内戦中の事である。フェルが味方した勢力は勝利し、彼は3つのファミリーを破壊する手助けをした。フェルが行ったアセンダンシー内での初期の独創的な取り組みのひとつに、戦闘におけるドロイド技術使用の促進があった。彼はドロイド・スターファイターのプロトタイプの設計を監督する。

28 ABY、スカイウォーカーたちとジェイセン・ソロが、生きた惑星ゾナマ・セコートの情報を求めてシーラにやって来た。彼らはチスにもその手助けを求め、CEDFとフォー・ファミリーの代表者たちと面会することになった。フェルは拡張防衛艦隊の代表者だったが、過去の経験からスカイウォーカーたちに対して公平な決断を下せないだろうと判断されたため、同じく人間の副官ペイタ・アーベ一等航宙士を、代理人として派遣した。会合の結果スカイウォーカーたちは探検図書館にアクセスを許され、フェルは彼らを図書館へと乗せていく申し出をした。このとき、ウィンサはセム・フェルの情報をジェイセンに漏らしてしまう(彼女は秘密を漏らすことで有名だった)。しかし後に、フェルの仲間であるフォーンビは、ウィンサは父親が娘に喋ってほしいと願うことしか口にしないと説明し、この情報漏れは意図的なものだったかもしれないと示唆した。

Force Heretic

ルーク・スカイウォーカーと握手するスーンティア・フェル

その後、ウィンサがペイタ・アーベによって連れて行かれたが、これはフェルに不満を持つ一派による誘拐事件であることが明らかになった。このとき、フェルはアイス・バージを運転してスカイウォーカーの一行の大部分を彼らの宇宙船へと運んでいた。フェルは、チスの内戦で破壊されたファミリーに属する保守的シンディック(チスの社会に変化をもたらそうとするフェルの試みに憤慨していた)が放ったエージェントに待ち伏せされた。アーベは、この敵対するシンディックの協力者だったのである。フェルとスカイウォーカーたちは一度降伏したふりをし、時限式で爆発するようにしておいたアイス・バージの大砲を利用して、相手を攻撃した。彼らは敵の乗り物を撃墜し、敵対する結社のリーダー、イナガネットニュルオドを捕まえた。一方、ウィンサはジェイセン・ソロに救出され、アーベも捕まった。イナガネットニュルオドの策略が明るみに出ると、チスはスカイウォーカーたちの計画をより積極的に支援することに決めた。それから間もなく、フェルはチスの医療施設で右目の移植を行ったようである。スカイウォーカーたちのゾナマ・セコート捜索任務は成功に終わり、銀河連合自由同盟はセコートの助けでユージャン・ヴォングとの戦いに勝利した。戦いが終わると、ジャグド・フェルは銀河同盟とCEDFを橋渡しする役目に任命され、ジェイナ・ソロとの関係も継続した。ふたりの関係はほとんど結婚目前に迫り、ジャグドはあと少しでソロ家に加わるところだったが、結局彼らは別れることになった。この頃のフェルはあまり幸せではなかった。息子チャックがその後の戦いで命を落としたことで、フェルの子供たちの半数が戦死したことになり、生き残っていたのはジャグドとセム、ウィンサだけだった。

集団意識によって活動する昆虫種族キリックは、チスの内戦を過熱させた要因のひとつだった。この種族は他人を集団意識に引き込む能力によって、チスのふたつのファミリーを吸収し、労働者として利用していたのである。ユージャン・ヴォング戦争終結から5年後、キリックのコロニー拡大が、チスとの国境紛争を引き起こした。CEDF艦隊の指揮官となっていたジャグドは、コロニーの前哨基地であるクオリブへと特別部隊を率いた。そこでジャグドは、元ジェダイ・レイナー・スールの精神的呼びかけによって集結した、数人のジェダイ・ナイトを発見する。ユージャン・ヴォング戦争で傷を負い、心の歪んでいたスールは、キリックのリーダーとなって昆虫種族を手助けしていた。これはチスにとって重大な事実だった。オッサスジェダイ・アカデミーに招かれたチスは、ジェダイ・オーダーがキリックとの紛争を終わらせる援助をすることや、一部のジェダイによるキリックの手助けは身勝手な行動だったことを、スカイウォーカーから説明された。フェルもオッサスに招かれたが、CEDFの参謀幕僚の一員として、現行の敵勢力と交わってはならないため、誘いを断った。しかしフェルは、ジェダイと情報を交換するようチスに提案していた。代わりに派遣されたアリストクラ・チャフォーンビントラノは、ひょんなことから“影の子ども”セム・フェルの存在を知るが、秘密にすることを約束した。

紛争の中、ジャグドはウーキーのジェダイ、ローバッカを捕まえたが、ジェダイの平和協定がアセンダンシーとキリックの間に結ばれると、ローバッカの解放と仮釈放が保証された。ジャグドは大佐に昇格するが、キリックが集団意識の影響下にあるジェダイを使って紛争を再開すると、フェル一家の状況は一転した。ローバッカも再び戦い始め、彼の仮釈放をしたフェル家はチス・アセンダンシーが被った道徳的、経済的な責任を負わされることになってしまった。その上、ジャグドは戦争最後の戦いで敵に撃墜され、2年間孤立することになった。チスの発見チームがジャングルで命を落とすと、フェルは息子を見つけるため個人的な捜索チームを派遣するが、失敗に終わった。ジャグドはジャングルで死んだチームの装備を使い、新しく派遣された2度目の捜索チームと接触をとることに成功した。しかし、フェル家はローバッカによって引き起こされた損害賠償を払いきることが出来ず、ジャグドは亡命を余儀なくされた。ジャグドは厳密な法律の上で、フェル一族のメンバー資格さえ失った。ジャグドは銀河の既知領域に入り、家族の名誉を回復するためキリックのダーク・ネストの最後の生き残りアリーマ・ラーを見つけ出そうとしたが、結局彼が家族のもとへ帰ることはなかった。スーンティア・フェル自身は、名誉を失い貧しい生活を送った。

フェルの名誉は永久に失われていたわけではない。41 ABY、ジェイナ・ソロとジェダイのゼックの助けで、ジャグドはラーを殺して一族の信頼を回復することに成功した。第二次銀河内戦の平和協定の一環として、ジャグドは間もなくインペリアル・レムナントの国家元首となり、43 ABYにジェイナ・ソロと婚約した。やがて、ジャグドは銀河皇帝の称号を復活させ、自らインペリアル・レムナントの玉座に座った。その後、ジャグドが再建した新銀河帝国を、スーンティア・フェルの子孫たちは3世代にわたって統治した。

個性と特徴[]

「戦いでは使い捨てできるコマを持つのは、勝敗の分かれめになりうる」
―フェルの考え[出典]
The Fel

帝国の英雄バロン・フェル

コレリアの家族のもとで、フェルは礼儀正しく忠実で、誠実な努力家になるよう育てられた。フェル家はお互いに気を払うことをとても重要視しており、家族のメンバーの誰かを裏切る行為に厳しく反対していた。彼らは身内を自分よりも大切に考え、家族のメンバーのためなら自身を犠牲にする精神を持つよう教えられていた。フェルもこのイデオロギーに従い、AGRによって家族が危険にさらされた時は、ポストに対して正義を追求することをあきらめ、カリダの帝国アカデミーへの指名を受け入れた。しかしフェルは、このように妥協しなければならなかったことを、後々も恥に思い続けていた。

帝国アカデミー在学中、フェルの中には新しい価値観が生まれた。フェルは規律、秩序、責任という価値観をアカデミーで学ぶ。彼は勉学に忠実に専念していた。フェルはいつでも決然としており、与えられたどんな役目でも、えり好みせずに常にベストを尽くしていた。アカデミーを卒業した後、フェルは部下たちに対する責任を果たし、自分の家族に対してそうしたように、彼らとの間に友情を築き上げて距離感を縮めた。しかしフェルはいつも厳しい規律と訓練を怠らず、彼自身の子供たちに対してもその姿勢は変わらなかった。彼は自身のことを献身的で良心的な司令官だと考えており、義務を完全に遂行することで正しい行いを果たしていると信じていた。フェルは、アイサードが行ったような、部下を危険にさらすような行為に激怒した。ハン・ソロは、出会った中でフェルが最高のパイロットだと主張していたが、同時に、フェルは頑固すぎたせいでより偉大なパイロットになることは出来なかったと語っていた。フェルはまた、司令将校として宇宙船のブリッジに立つより、スターファイター・パイロットとして飛行することを好んでいた。実際、彼は<プライド・オブ・ザ・セネト>での勤務を楽しんでいなかった。

フェルは当初、帝国に非常に強い信頼を置いていた。彼は銀河帝国が秩序をもたらし、自身で身を守ることが出来ない人々を保護することが出来る政府だと考えていた。フェルははじめ、エイリアンは人間の助けを必要とする下等種族だとする思想、ヒューマン・ハイ・カルチャーを信じていた。しかし、フェルはデラIVの戦いで非人間種族の活躍を目撃し、考えを改めた。この戦いでは、エイリアンのスローンの知力が帝国を勝利に導いたのだった。フェルは帝国の秩序を乱す反乱軍が不当な存在で、彼が守るべき人々に無秩序と戦争をもたらしていると信じていた。フェルは帝国市民を保護する義務が極めて重要だと考えていた。

しかしフェルは、帝国のすべての行いを認めていたわけではなかった。彼はベース・デルタ・ゼロ攻撃による処刑や、オルデランの破壊をはじめとする一般市民の犠牲を招く大虐殺を好まなかった。彼はこうした行為が本来の帝国のものではなく、個々の将校が下した指令の結果だと考えていたようである。フェルはもし彼が指令を出す側になった場合、こうした手段を執らないよう協議すべきだと考えていた。ただしフェルは、大きな利益のためにしばしばこうした行為も行われることを認めており、与えられた合法的な指示にはすべて従う覚悟をしていた。

Fel and Starflare

スーンティア・フェルと妻のシャル・アンティリーズ

しかし、重要な戦闘を勝利に導いたスローンを目撃した後、フェルは帝国に対する幻滅を募らせていく。彼はエイリアンが人間と同様に活躍し、帝国を防衛する役目で人間を上回ることさえあると知ったのである。そのため、人間至上主義による帝国の正当性はフェルの頭の中で崩壊してしまった。それでもフェルは帝国市民への義務を果たすため軍に仕え続け、帝国が体制を見直すことを望んでいたが、アイサードがフェルの忠誠心をテストしたことが、彼の疑いを深める結果になった。エンドア以後、帝国が崩壊し内紛と混沌が始まると、フェルの信念はさらにぼろぼろになった。アイサードが彼の部下を犠牲にしようとした時、フェルの帝国への忠誠は完全に失われた。

フェルは新共和国に捕まった時、それまで考えることを避けていた物事に結論を出す作業に、時間を費やした。帝国は、おそらく彼が当初考えていたような輝かしい組織では無かったのだと彼は考えた。このとき初めて、フェルは新共和国が帝国よりも安全と秩序を象徴する組織なのではないかと考え、自分の価値観は、帝国よりも新共和国のそれに近いのではないかと思い至った。彼はすぐに新共和国の理想の支持者となり、平等と民主主義を擁護した。彼はより多くの帝国軍人に、新共和国が帝国のような抑制を使わず、理想を実現しようとしていることを知ってほしいと願った。ただしフェルは時折、特に妻と離れ離れになっていた時、かつて敵だった相手に仕えることに疑問を持った。フェルは新共和国へと離反したことで真の新しい人生を歩み始めたと考え、かつての罪を償う決心をしていた。しかし、フェルは他の者たちに帝国軍人だった過去を隠そうとしなかった。多くの反乱軍兵士たちが、彼と同じくかつて帝国に所属していたからである。

しかしスローンから接触を受けた時、フェルは帝国への軍役に復帰することにほとんど躊躇しなかった。ハンド帝国で、彼はかつての銀河帝国に欠けていたものを知り、スローンの帝国の任務が必要不可欠だと考えたのである。フェルはスローンの新共和国に対する戦いの姿勢がはっきりしないと感じていたため、彼自身が新共和国との戦いに召集されることもなかった。ハンド帝国とその後のチス社会において、フェルは自身の献身と義務、規律、そして秩序に見合った文化を発見し、チスの価値観を完全に受け入れた。

男爵の称号を持っていたフェルだが、貴族的な人間ではなかった。彼はこうした権力は誰かを従えるためのものだと考えていなかった。フェルはガーデニングや身体的な運動を好んでいたが、帝国の英雄として活動していた時期、余計な時間の浪費をすることはなかった。未知領域に移動した時、フェルは贅沢なものがない、厳しく容赦ない環境にも満足していた。

フェルは妻のシャルを深く愛していた。彼はその機会があった時も、愛する妻を騙すことはしなかった。彼女が身を隠した時、フェルはとても取り乱し、ひとりで考え込むことに多くの時間を費やし、妻のホロを眺めたりしていた。シャルはフェルのことをティア(Tir)のニックネームで呼ぶ唯一の人物であり、フェルは妻に対して他のほとんどの人に見せない態度を見せ、優しく会話していた。フェルは子供たちの事も愛し、誇りに思っていたが、軍隊では子供たちの上官として、彼らを不愛想に扱わなければならないこともあった。彼は子供の半分が戦死したことをとても悲しむが、軍に仕えることの一環としてそれを受け入れた。彼は息子を死地に送り出すような命令を出すことさえあり、軍隊中心の価値観の中で、子供たちを厳しい高水準のもとで育てた。しかし、彼はシャルを危険にさらすつもりはなく、彼が未知領域にいる間、その妻は厳重に保護され、軍隊式の扱いを受けなかった。

制作の舞台裏[]

スーンティア・フェルは、スター・ウォーズコミック・シリーズ、『X-wing: Rogue Squadron』のためにマイケル・A・スタックポールがつくり出したキャラクターである。このキャラクターが登場する小説作品の多くは翻訳されているが、コミック作品はいずれも未邦訳である。

登場作品[]

XWRSITES-FC

バロン・フェル

  • ハットの策略
  • Star Wars: Agent of the Empire: Iron Eclipse, Part 1 (言及のみ)
  • Gal-icon スター・ウォーズ ギャラクシーズ
  • シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア[帝国の影](小説) (言及されている可能性がある)
  • X-wing Rogue Squadron: In the Empire's Service (初登場)
  • X-wing Rogue Squadron 25: The Making of Baron Fel
  • X-wing Rogue Squadron: Family Ties
  • X-wing Rogue Squadron: Masquerade
  • X-wing Rogue Squadron: Mandatory Retirement
  • Crisis of Faith
  • X-wing: Wraith Squadron (言及のみ)
  • X-wing: Iron Fist (言及のみ)
  • X-wing: Solo Command (言及のみ)
  • X-wing: Isard's Revenge (言及のみ)
  • X-wing: Starfighters of Adumar (言及のみ)
  • 未来への展望
  • SWGsmall "Red Sky, Blue Flame"—Star Wars Gamer 7 (言及のみ)
  • 生存者の探索 (言及のみ)
  • アイソアへの侵攻 (言及のみ)
  • 暗黒の旅路
  • レベル・ドリーム (言及のみ)
  • 魔都潜入 (言及のみ)
  • 運命の道 (言及のみ)
  • Ylesia (言及のみ)
  • レムナント (言及のみ)
  • 逃亡者
  • 再会 (言及のみ)
  • 迷走 (言及のみ)
  • 統合 (言及のみ)
  • ジョイナーの王 (言及のみ)
  • キリック戦争 (間接的に言及)
  • Tempest (間接的に言及)
  • Exile (言及のみ)
  • Fury (言及のみ)
  • Invincible (言及のみ)
  • Backlash (言及のみ)

参考資料[]

Wiki-shrinkable
ウーキーペディアにはスーンティア・フェルに関する20枚の画像があります。

脚注[]

  1. カタカナ表記は『スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇』に基づく。
  2. 現在の表記ではアイサード

関連項目[]

  • フェル王家
  • デヴィスト家(フェルのクローンたち)
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