シスの暗黒卿(Dark Lord of the Sith)、シス語で言うところのジェナリ(Jen'ari)は、元々シス帝国の統治者を表す言葉であり、後にはシス卿のオーダーの指導者を表すことばとして認識されるようになった。カーン卿以前は、シスの暗黒卿は同時期に一人だけしか存在せず、その人物はオーダー(騎士団)の長であった。しかしより近代では、この称号は同時に複数の人物が共有するものとなっていた。暗黒卿の称号は男女問わず使用されていたが、ルミヤはダーク・レディ・オブ・ザ・シス(Dark Lady of the Sith)を名乗っていた。
シスの暗黒卿の称号は、しばしば“ダース”の称号と同義であると考えられていた。しかし、実際はシス・アプレンティスもダースの称号を使用していたという事例が存在するため、必ずしも同義ではない。例えば、ダース・レヴァンの弟子(アプレンティス)だったダース・マラック、パルパティーンの弟子だったダース・ヴェイダーがこの事例として挙げられる。多くのシス卿はダースの称号を使用したが、暗黒卿とこの称号が同じ意味であるという証拠は存在しないのである。
称号の歴史
初代のシスの暗黒卿はアジャンタ・ポールである。彼は追放されたダーク・ジェダイのリーダーであり、百年の闇で敗北を喫したあとシス族を征服し、神として彼らを支配した。
最初のダーク・ジェダイだと信じられているゼンダーは、シス卿ではなかったものの、恐らくシスの暗黒卿の前身的存在だったと思われる。(ただし、彼は何千年ものちにダーク・アンダーロードとして死から復活している)
シス帝国が没落したあと、ナガ・サドウは彼のシス・アプレンティスであるフリードン・ナッドに暗黒卿の称号を与えた。また、マルカ・ラグノスの霊魂はナッドの弟子であるエグザ・キューンを、シスの暗黒卿として宣言した。それから3,000年後、カーン卿は暗黒卿の称号をオーダーに属するすべてのメンバーに与えるという習慣を開始した。これは彼らの長い歴史の中で、称号を分け合った最初のことである。2人の掟が定められた後、暗黒卿の称号は同時に2人までに与えられる事となった。この2人とは、すなわちシス・マスターとシス・アプレンティスである。
シスの暗黒卿
百年の闇からハイパースペース大戦まで
- ダスカ・グローシュ (議論の余地有り、“シス・キング”とも)
- アジャンタ・ポール
- ダース・アンデッデュ
- トゥラク・ホード
- マルカ・ラグノス
- ナガ・サドウ(シス評議会の一部から選出される。ルド・クレシュと対抗)
- ルド・クレシュ(シス評議会の一部から選出され、のちに称号を自称。ナガ・サドウと対抗)
- シャー・ダカーン(事実上の暗黒卿)
フリードン・ナッドからカーンの台頭まで
- フリードン・ナッド
- エグザ・キューン
- ウリック・ケル=ドローマ
- ダース・レヴァン
- ダース・マラック
- ダース・トラヤ
- ダース・ナイアリス
- シス皇帝
- ダース・デソルース
- ダース・ルイン
- ダーク・アンダーロード
- ダース・リヴァン
- ベリア・ダーズー
- カーン
カーン台頭から第七次ルーサンの戦いまで
このときから、シスの暗黒卿が一人しか存在しないという伝統が終わる。ルーサンの戦いの時点で、リーダーであるカーンのほかにも、何人もの称号を獲得したシス卿が存在した。知られているメンバーは以下の通り:
- クオーディス
- コーペズ
- カジム
- ラター
- セヴィス・ヴァー
- ヒゾラン
- ボージス
- オリルザ
- シェネイヤグ
- カオックス・クルル
- ギサニー
ダース・ベインのオーダー
ダース・ベインによる改革によって、銀河系全土に於いて生きているオーダーのメンバー2人に、暗黒卿の称号が与えられる事となった。同時期に存在を許されたその2人は、師匠と弟子という関係だった。ダース・ベインも加え、このオーダーの知られているメンバーは以下の通り:
シディアス以降
エンドアの戦いの後、ダーク・レディ・オブ・ザ・シスという称号を、皇帝の手ルミヤが名乗った。これはシスにとっての不確かな時期であり、後に結束力のあるシス・オーダーが再建されるよりも前に、何人かの存在が自身をシス卿として名乗りを上げていた。
- ルミヤ
- カノア・ジャックス
- キップ・デュロン(エグザ・キューンの霊に操られていた)
レガシー時代
銀河に大打撃を与えたユージャン・ヴォング戦争の後、再出現したルミヤは、残されたシス集団を新しいものへと改変し、結束力のあるオーダーを創出した。彼女の死後、シスの覇権は彼女の最後の弟子であり、ダース・ヴェイダーの孫に当たるダース・カイダスが引き継いだ。数ヵ月後、カイダスはルミヤ同様に自分自身の弟子を取った。タヒーリ・ヴェイラである。そしてシスは130 ABYのダース・クレイトの時代に最高潮を向かえた。137 ABYにクレイトがダース・ウィーロック3世の手によって“殺害”されると、暗黒卿の座は空席のまま残る事となった。
登場作品
- スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
- スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
- スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
- スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
- スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
- スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
参考資料
- スター・ウォーズ 全史
- スター・ウォーズ キャラクター&クリーチャー完全保存版
- スター・ウォーズ・ユニバース
- スター・ウォーズ アルティメット・ビジュアル・ガイド 特別篇
- Dark_Lord_of_the_Sith ‐ Wookieepedia