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イシン=イル=レイズ[1](Ishin-Il-Raz)は人間男性で、ニュー・オーダーとその中心思想の熱狂的な支持者だった。ヤヴィンの戦いのおよそ2前、イル=レイズは銀河皇帝パルパティーンによって12人の大提督のひとりに任命された。銀河共和国の時代、イル=レイズは共和国保護委員会の設立に携わり、19 BBYに行われた再編によって、この組織はニュー・オーダー保護委員会に生まれ変わった。彼は“コンプノア”と呼ばれたこの組織を率い、人間至上主義思想発展における中心人物となった。

イル=レイズの活動はパルパティーンの注意を引き、彼は軍隊の経験が全くなかったにも関わらず、大提督の階級を与えられることになった。この任命には多くの批判が集まったが、イル=レイズは自分が大提督になったのは完全に政治的な理由からだと理解していた。イル=レイズはパルパティーンを盲目的に崇拝し始め、皇帝の目に留まるため一連の大虐殺を実行した。しかしこれらの非人道的な行為は、彼に対する世論を減らす以外に、何も結果をもたらさなかった。

4 ABYにパルパティーンがエンドアで死ぬと、大提督たちはそれぞれ軍将として覇権を争ったが、イル=レイズは彼らの間でも忘れられた存在になっていた。パルパティーンの死に取り乱したイル=レイズは自殺を考えるようになり、エンドアの戦いから8か月後、彼は自身のスター・デストロイヤーデナライ新星へと飛び込ませ、数万人のクルーを巻き添えに死亡した。

経歴

COMPNOR

イシン=イル=レイズの生い立ちはほとんど何も知られていないが、彼はやがて共和国保護委員会(COMPOR)の重要人物になった。イル=レイズは極めて優れた演説の才能を発揮し、COMPORの主要スポークスマンになった。クローン大戦の中ごろに設立された共和国保護委員会は、出来る限りのあらゆる方法(さまざまな形での集会や資源の運搬、ビジネス計画など)を使ってパルパティーン最高議長を支援することを申し出た、ボランティアから成る組織だった。

最高議長が共和国を解体し、初代銀河帝国設立して自ら銀河皇帝を名乗った際、イル=レイズは突然の事態に取り乱すことはなかった。再編されたCOMPORは、ニュー・オーダー保護委員会(COMPNOR、コンプノア)と名前を変えた。この組織の目的は差別的なヒューマン・ハイ・カルチャー思想を制度化することであり、その手段のほとんどはプロパガンダ活動だった。イル=レイズはCOMPNORの設立に深く関与し、彼らの多くの中心的思想の推進力となっていた。

Rally

COMPNORの最初の集会におけるイル=レイズ

銀河帝国が設立された後、インペリアル・センターで開かれたCOMPNORの最初の集会で、イル=レイズは重要な演説者を務めた。グリタナイ・エスプラネードに集まった多くの聴衆に対し、イル=レイズはCOMPNORが数千年に渡って帝国を繁栄に導くだろうと宣言し、帝国市民に対して委員会に加わるよう訴えた。彼は、もし加わらなかった場合、同胞からの追放者になるだろうと付け加えた。パルパティーンは個人的には集会に出席していなかったが、その内容を見るために顧問のクルエヤ・ヴァンドロンを集会に派遣していた。皇帝はニュー・オーダーに対するイル=レイズの忠誠心と傾倒ぶりに感動し、数年間にわたり彼の活動を観察した。

大提督

イル=レイズはCOMPNORの特別委員会の委員長を務め、COMPNOR設立後に行われた数百人規模の新人募集運動にも影響力を及ぼしていた。彼はCOMPNORに仕え続け、やがてパルパティーンと銀河帝国の狂信的な支持者として知られるようになった。イル=レイズの政治的な躍進はパルパティーンの注意を引いた。

イル=レイズには軍隊における経験が皆無だったにも関わらず、パルパティーンはヤヴィンの戦い2年前に彼を12人の大提督のひとりに任命した。この階級は、忠実な者たちに報いるため、パルパティーンによって新設されたものだった。“12人の環”の中には、ジョセフ・グランガーオクタヴィアン・グラントルファーン・ティゲリナスデミトリウス・ザーリンたちが名を連ねた。軍事的、戦略的な能力を買われて任命されたわけではなかったイル=レイズは(実際、彼には戦いの才能が全くなかった)、彼よりもはるかに優れた才能を持つ大提督の間でいくぶん孤立した存在になった。

しかしイシン=イル=レイズ(および、他数名)の大提督任命は、この階級が設立された後に多くの批判を受けた。多くの人々が、パルパティーンには軍事的な心得がないと非難し、このような重要な役職には、実際に戦争の経験がある者を指名するべきだと主張した。この点について議論する際、パルパティーンの批判者たちは、常にイル=レイズに着目した。大半の人々は、イル=レイズが最も弱く、最も才能のない大提督だと考えていたのである。しかし皇帝を公然と非難するほど無遠慮な者はひとりもおらず、イル=レイズの役職も脅かされることはなかった。イル=レイズ自身、COMPNORでの活動を根拠にした政治的な理由から指名されたことを理解していた。

軍事的な理由から大提督に任命されたわけではないことを判っていたものの、イル=レイズは自身がこの役職にふさわしいことをパルパティーンに証明しようとした。パルパティーンはイル=レイズの崇拝の対象になり、イル=レイズが大提督になってから実行した全ての軍事活動は、彼の目に留まって好感を得ようとした末の行動だった。そのため彼は、マヨマーの虐殺や惑星シャラムへの爆撃など、数々の残虐行為を行った。これらの大量虐殺でイル=レイズは多くの尊敬を集めたものの、同時にデヴァロニアンの犯罪者カーデュサイマロックらと共に、最も卑しい犯罪者のひとりとして挙げられるようにもなった。パルパティーンの大提督の中で最も人気の少ない人物のひとりだったにも関わらず、彼の役職を脅かそうとする者はおらず、彼は4 ABYエンドアの戦いまでその地位を保っていた。

エンドア以降

エンドアの戦いは帝国にとって壊滅的な闘争だった。皇帝パルパティーンは、執行者のダース・ヴェイダーと共に第2デス・スター内で命を落とし、帝国は混乱期に陥った。デス・スターは共和国再建のための同盟によって破壊され、帝国の上層部に属す者たち(その中には、イル=レイズと対等の大提督たちも含まれた)が巻き添えになった。生き残った大提督たちは軍将となって領土紛争を引き起こした。しかしイル=レイズは、彼を高い階級に押し上げた唯一の根拠、皇帝パルパティーンがいなくなってしまったことを理解し、意気消沈していた。彼はもし他の大提督から戦いを挑まれたら地位を保持することが出来ないと分かっており、自分のキャリアが崩壊状態になっていることを悟った。

イル=レイズは、崇拝する皇帝が死んだために目に見えて苦しんでいた。精神状態が悪化した彼は、アウター・リムの星々にランダムな一連の攻撃を行った。大半の大提督は、帝国を支配しようとするうえでイル=レイズは脅威にならないと判断し、彼のことを無視していた。しかしペッカッティ・シン大提督は、イル=レイズの精神状態を回復させ、憂鬱な気分を取り払ってやろうと、『ダークサイドの秘密』というダークサイドの教会の神聖なテキストの写本を貸し与えた。しかしシンの気遣いもむなしく、イル=レイズはゆっくりと、そしてより一層不安定になり、やがて苦境を乗り越える手段は自殺しかないと判断した。パルパティーンの死の8か月後、イル=レイズはスター・デストロイヤーエンペラーズ・ディシプリン>の指揮を執り、この艦をデナーリ新星に突撃させて命を落とした。この巻き添えになって、3万7000人ものクルーが同時に死亡した。死ぬ間際、イシン=イル=レイズは人生をささげた特別委員会の規則を繰り返しつぶやいていた。

個性と特徴

イシン=イル=レイズは帝国の思想に大いに傾倒し、皇帝に可能な限り忠実に仕えていた。イル=レイズはあまりにパルパティーンを崇拝していたため、彼が第2デス・スターで命を落とすと、生きていく目的をほとんど見失ってしまった。イル=レイズは知的でもあり、帝国の高階級に就いたことについて、うぬぼれた考えを持っていなかった。彼は能力を買われて就任した他の大提督たちに、戦術的な技術で敵う筈がないと理解していたのである。彼は同僚たちからも狂信者だと思われていた。

イル=レイズは個人的な目的のために行った大量殺人に満足していた。彼は自分以外の命、特に非人間の者たちの命にほとんど注意を払っていなかった。パルパティーンの目に留まりたいというただそれだけの動機から、何千人という人々がイル=レイズの命令によって死んでしまった。COMPNORに属していた頃、イル=レイズは帝国に対する市民の忠誠心を保つため、プロパガンダや恐怖心の拡散を利用することに賛成的だった。

エンドアの戦い以降、イル=レイズは精神的に不安定になっていた。他の皇帝支持者たちのように、彼はパルパティーンの死を受け入れることが出来なかった。イル=レイズが導き出した最終的な決断は、自ら命を絶つことだった。彼は死の間際まで、愛した帝国の理想を口にしていた。

制作の舞台裏

イシン=イル=レイズはダニエル・ウォーレスによってつくり出され、『スター・ウォーズ クロノロジー』で初めて言及された。のちにウォーレスはアベル・G・ペーニャと共に『帝国の大提督たち』(スター・ウォーズ・インサイダーEX収録)でイル=レイズのバックストーリーを発展させた。また、イル=レイズはウォーレスとパブロ・ヒダルゴーによるホロネット・ニュースの記事(スター・ウォーズ インサイダー84号収録、未邦訳)にも登場する。スティーヴ・ペリーマイケル・リーヴス小説、『デス・スター』や、『Rebellion Era Sourcebook』(未邦訳)でもイル=レイズについて言及されている。

スター・ウォーズ 全史』の上巻208ページでは、イシン=II=ラズと誤表記されている。

登場作品

  • Republic HoloNet News Special Inaugural Edition 16:5:24 (初登場)
  • デス・スター (言及のみ)

脚注

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ウーキーペディアにはイシン=イル=レイズに関する3枚の画像があります。

脚注

  1. カタカナ表記は『デス・スター』に基づく。
銀河帝国大提督
マーティオ・バッチ · ニアル・デクラン · オクタヴィアン・グラント · ジョセフ・グランガー · イシン=イル=レイズ
アフシーン・マカーティ · ミスローニュルオド · ダネッタ・ピッタ · ペッカッティ・シン
ミルティン・テイケル · オスヴァルド・テシック · ルファーン・ティゲリナス · デミトリウス・ザーリン
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